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恋、しません?  作者: 円間
第二話 襲撃。恋してないですが恋のライバル現る
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爽やかな朝……か4

 オーマイガー!


 テンション駄々下がり。

 しょんぼりと肩を落とす菊子だった。

 どんどんっと菊子の部屋の扉を叩く音がする。

「おい、家政婦! どうしたんだよ! 何があった? 家政婦? 家政婦?」

 日向の声だ。

「ううっ」

 菊子は頭を抱えた。


 後は歯磨きだけ!

 歯磨きだけなのよ!


「家政婦! おい、返事しろ! 家政婦!」

 菊子は扉の前に立ち、「はい」と返事をする。

「家政婦、どうした? 大丈夫か? ん?」

 日向の物とは思えない優し気な声が非常に心に響く菊子。

「大丈夫です。今、部屋から出ますから」

 菊子がそう言うと日向は、「ああ」と言って黙った。

 菊子は深呼吸すると扉を開く。

「かせい……」

 扉を開くと日向が話し掛けて来たが、無視して菊子は走り出す。

「えっ? おい! 家政婦ーっ!」

 日向の声が虚しくこだまする。

 走る菊子が目指すは脱衣室。


 歯磨き!

 歯磨きさえ終えれば完璧!


 菊子が階段を駆け下りると、階段の下に雨がいた。

「菊子?」

 雨は菊子を見上げて驚いた顔をしている。

 当然だ。

「目黒さん、どいて!」

 階段を下りながら叫ぶ菊子の声に合わせて雨が車椅子を引いた。

 菊子は一階に着くと、雨の横を超特急で抜ける。

「菊子!」

 走り去る菊子に慌てた雨の声が掛かるが菊子は振り返らない。


 目黒さん、ごめんなさい。

 話は後で、今は歯磨き!


 廊下を滑る様に通り、脱衣室まで辿り着くと菊子は歯ブラシに歯磨き粉をたっぷりと載せて歯磨きを始めた。

 丁寧かつ確実に歯磨きをする菊子。

 奥歯もしっかりと。

 泡立つ菊子の口の中。


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