爽やかな朝……か1
「ぎゃあ!」
菊子は自分の悲鳴の声と共に目が覚めた。
そして、速攻ベッドサイドのデジタル時計に目を向けて、「ひっ!」と声を漏らす。
デジタル時計は朝の六時二十二分を告げていた。
昨日の夜、菊子は目覚ましのアラームを掛け忘れて眠ってしまったのだ。
日向には六時くらいに起きて朝食の支度をしておく様にと言われていた。
寝坊だ。
盛大なる寝坊だ。
菊子は急いでベッドから起き上がり、床に落ちているエプロンを攫い部屋から出ると、エプロンを身に付けつつ、恐る恐る階段を下りる。
一階に到着すると真っすぐにダイニングへ向かい、ダイニングの扉をノックしてみる。
誰の返事も無いので、そっと扉を開けるとダイニングは無人であった。
菊子は、今度はキッチンへ向かう。
キッチンも無人であった。
まだ誰も起きてない?
よ、良かった。
でも、いつ誰が起きて来てもおかしくない。
菊子はすぐ様手を洗い、ご飯を炊きに掛かった。
炊飯器のスイッチを早炊きで押して、「よし!」と拳を握る菊子。
「次はダイニングにパンと……後、目黒さんのお菓子、だっけ?」
菊子は昨日、日向が買い物の荷物を置いていた場所を思い出しながら、キッチンテーブルの下の収納スペースから昨日雨と高級スーパーで買って来た食パンとチョコクロワッサン、ジャムを取り出す。
ジャムはブルーベリーとラズベリーとマーマレード。
このパン、まるまる一斤何ですけど。
食べやすい様に切っとく?
何枚切りにするか?
「ええいっ、ままよ!」
菊子は、食パンは六枚切りにする事に決めて、まな板の上に食パンを乗せて、包丁ラックからパン切り包丁を取ると慣れない手つきで食パンを切り出した。
ざくざく、とパンを切る事数分。
切り終えた食パンは少々歪な形となった。
精進します。
菊子は心に誓う。
次に菊子はパンを入れる入れ物を探す。
藤で出来たかごを食器棚から見つけ出した菊子は、キッチンテーブルの下の収納スペースから発見した紙ナプキンをかごの中に引き、食パンとチョコクロワッサンを盛りつけた。
ついでにジャムも中に入れてみる。
あ、良い感じ。
ピクニックみたい。
そうだ、ジャムの為のスプーンも入れとこ。
スプーンもかごに入れて、「うんうん最高」と籠の盛り付けに自画自賛の菊子。
次は目黒さんのお菓子か。
確か、お菓子はあの棚の中に……。




