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恋、しません?  作者: 円間
第一話 男友達の家政婦致します
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なんやかやの後(ご)2

 洗濯物から目を逸らして、菊子は広い洗面台の上に置いてあった自分の衣類の中から下着を摘まみだすとそれを身に着けた。

 黒いレースの中々セクシーな下着だ。

 別に他意はない。

 下着姿のまま菊子は歯磨きを始める。

 下着姿のまま歯磨きをするのは菊子の癖であった。

 口の中が歯磨き粉の泡で泡立つと、菊子はコップで口をゆすぐ。

 コップはキッチンから一番安そうな五色揃ったプラスチック製のコップの中から赤を選んで使わせてもらった。

 口をゆすぎ終えると菊子は、「くはぁ」と声を上げる。


 やっぱり風呂上がりの歯磨きは気持ちが良い。


 菊子は歯ブラシと歯磨き粉をコップの中に納めると、少し考え、並んで置いてある雨と日向の歯ブラシの入ったコップの隣にそっと置いた。


 さ、服を着よう。


 菊子はパジャマでは無くて、白地に青い水玉模様の入ったティーシャツと横に白いラインが三本入った黒のジャージのズボンを用意していた。

 この格好は菊子なりに色々迷った末のスタイルだった。

 雨とは気の知れた友達とは言え、一つ屋根の下で一緒に暮らすとなると、夜寝る時の恰好を見られたら何となく気になる。

 一番何でもない感じに思われる格好は何か? と追求した結果、こうなった。

 可愛いティーシャツで女らしさを出しながらも、ジャージで張り切ってない感をアピールしよう、というのだ。


 やっぱり変かな?


 鏡の前で、くるりと回ってみる菊子。

 

 まぁ、目黒さんに何て思われても良いや。

 問題は日向さんだな。

 外した格好してたら思いっきりなんか嫌な事言われそう。

 

 日向の事を思い出すと、鏡に映った菊子の顔は苦い顔をしていた。

 菊子は髪にドライヤーと櫛を当てて髪を整えた。

 その後、化粧水とローションを顔に付ける。

 そして、再び悩みの時間。


 化粧、どうする?


 一人暮らしの時は勿論、風呂の後はノーメイクだった。

 しかし、今は男友達と一つ屋根の下。

 ノーメイク姿を見られるのは気が引ける菊子だった。


 部屋に着くまでに万が一、目黒さんか日向さんに会ったら……嫌だけど。薄くファンデ塗るか。

 部屋に着いたらふき取りタイプのメイク落としで落としちゃえばいいし。

 でも、そしたら、今の化粧水とローションが無駄に……ああっ、男と暮らすって面倒くさい。


 悩んだ結果、菊子は薄くファンデーションを塗るという方法を選んだ。

 鏡でちょっぴり武装した自分の姿を見て、こんなもんだよな、と頷き、菊子は脱衣室を後にした。


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