団らん?4
菊子はコーヒードリッパーを揺すり、ペーパーフィルターに収まったコーヒーの粉を平になる様にした。
その後ミトンをはめた手でドリップポットを持つと、まず、コーヒーカップを温める為に三人分のカップにお湯を注いだ。
そして、ごくりと喉を鳴らし、日向の方を、ちらりと見る。
日向は相変わらずの能面顔で、じっとカップを見ている。
も、文句は言われない。
取り敢えず、合格?
一安心の菊子。
次に菊子はドリップポットのお湯をペーパーフィルター内のコーヒーの粉の中心に、とくりと注ぎ込む。
それから円を描く様にお湯を回し入れて手早く手を引き、お湯を注ぐのを止める。
確か、このまま少し蒸らすのよね?
どのくらいだっけ?
菊子は日向に視線を向ける。
日向は厳しい顔だ。
ううっ。
あ、そうだ!
確か、粉が膨らむまで蒸らすのよ!
菊子はお湯を含んだコーヒーの粉を、じっと見つめてコーヒーの粉が膨らむのを待った。
あっ、膨らんできた?
もうお湯を注いで良いかしら?
ど、どうなの?
菊子は日向の方を、さっと見る。
日向の表情は険しい。
菊子は慌ててコーヒードリッパーにお湯を注いだ。
たたた、確か、中心から、のの字を描く様にして……。
とぽとぽと菊子はコーヒードリッパーにお湯を注ぐ。
これ位か?
コーヒードリッパーからコーヒーサーバーに、コーヒーとなった液体が、ぽたぽたと落ちてゆく。
菊子は泡の浮いたコーヒーの粉の表面を見る。
確か、この表面に浮いた泡がコーヒーサーバーに入ったらまずかった気がする。
泡が底に着かないうちにお湯を継ぎ足して……。
菊子は追加のお湯を注ぎ入れる……しかし。
「ひゃっ!」
菊子は悲鳴に近い声を上げドリップポットを引き上げた。
お湯が思ったよりも一気にコーヒードリッパーに注ぎこまれてしまったのだ。
「何やってんだ! ガサツな女だな!」
日向から非難の声が菊子に浴びせられる。
「す、すみません。あの、わざとじゃ無くって……」
「全く。コーヒーもろくに入れられない何て、何が家政婦だよ。ほら、こうするんだよ」
そう言うと、日向は菊子の後ろに回り込み、菊子のドリップポットを持つ手に自分の手を重ねた。
えっ?




