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恋、しません?  作者: 円間
第一話 男友達の家政婦致します
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エプロンとワタシ2

「もう、信じられない。自分から着けろって言ったくせに笑うとかって最低。だから似合わないって言ったじゃ無いですか」

「違うって、くくっ……そうじゃ無くって。ごめん。本当に待って」

「もう知りません」

 菊子がエプロンを外そうとすると、雨の手が、それを止めた。

 雨は、何とか笑いを堪えると菊子の顔を見る。

 その顔を菊子は冷たい表情で見下ろす。

「ごめん、菊子。笑ったのはね、似合ってなかったからじゃ無くって、菊子のエプロン姿何て想像した事無かったから、エプロンを着けている菊子を見たら何だか笑っちゃってさ」

「はぁ? 何それ。意味不明ですし、全く失礼じゃ無いですか。私だって、エプロンくらい着けますよ」

「ごめん。菊子、そのエプロン、本当に良く似合ってるよ。凄く可愛い」

「な、何を言ってるんですか。全く、冗談ばかり出て来るんですから目黒さんの口は」

 不意打ち。

 いつもみたいにからかわれていると思いながらも突然可愛いと言われて、菊子の顔は赤くなる。

「冗談なんか言わないよ。そのエプロン、菊子に似合うと思って俺が選んだんだ」

「そうだったんですか」

「うん」

 自分の為にエプロンを選ぶ雨の姿を菊子は想像してみる。


 何だか微笑ましい様な。


「菊子はそれ、気に入らない?」

「べ、別に、そんな事……ありません」

「なら良かった」

 満面の笑顔を見せる雨。

 

 また、この笑顔。

 ずるい奴。


「まぁ、せっかくなので、このエプロン、ありがたく使わせて頂きます」


 仕方ない。


 雨が自分の為に選んでくれた物なら趣味に合わずともありがたく受けようと菊子は決めた。

「ん、菊子。本当に似合ってるよ。いつも堅苦しいファッションしてるから、たまにはそういうのも良いよ。可愛くて」

「はいはい、さようですか。では、私は、片づけを致しますね」


 もう動揺なんかしない。


 菊子は雨に向かってやけに丁寧にお辞儀をすると、キッチンへ向かった。

 菊子を見送る雨はどこか愉快そうで、それが菊子には悔しいのだった。






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