ギンジの道《本編14話》
軍隊に入りたての頃。
「あがっ!」骨をへし折る。
「ギンジ!やりすぎだ!」
指導教官がうるさい、やれって言われたからやっただけだ。
なんで、周りはこんな事も出来ないんだ?
物心ついた頃からなんでもできた、学業も運動も。
努力しすぎると、周りが煩わしいので、平均点あたりを狙う遊びをしていた。
楽しいぞ、と勧められて軍隊に入った、さらに、特殊部隊『黒蜂』にも所属した。
本来、軍隊は自衛が目的たが、特殊部隊『黒蜂』は制圧が目的、あらゆる格闘技、サバイバル術、運転技術を叩き込まれた。
その全てをマスターした。
齢30にして、強さの極みに達したような気がした。
つまらん。
人生の先が見えた、適当に結果残して、女作って、引退して、死ぬ。
こんなもんか?
世界が歪んだ日、死ぬか変わるかすると思ってた。
異能力は無し。
強さの極みに奥行きが出来たのに俺には使えない。
だが、俺は気付いた、著しく成長が遅くなっている、多分5年に1歳くらいしか歳を取らない。
しかしそれは、衰えていく余生が延びただけの欠点でしかない。
予定変更だな。
さて、必要なものはなんだろう?
目は手にいれた、移植しないと使えないが保存溶液に淹れている。
さすがにシュウヘイは手強かった、経歴を調べといて良かった。
ひとりでは面倒かもな。
ちょうど付いていきたいという部下が一人いたので連れていこう、何かの役に立つかもしれん。
獣人の力も異能力も全て手にいれる。
移植の為にも人体実験も必要だ。だが、技術の発展が遅い。
まあいい、まだ時間はある。
真の活動は時代が進んでからだ。
まずは、軍が秘密裏に人体実験をやってる研究所、目的地は東だ。




