ニナちゃんの悪戯
ニナちゃんはいつも変だった。
授業中いつもソワソワしたり、一人で喋ったりしていた。
全て何を言ってるかわからなかった。
誰が見ても変だと思うのに誰も何も言わなかった。
だからミコがニナちゃんに言ってやった。
「授業中ソワソワしないで、一人でずっと喋らないで、授業に集中出来ないじゃない!」
ミコは怒った。でも、ニナちゃんは笑っていた。
気持ち悪い。そう吐き捨てて家に帰った。
次の日ニナちゃんはいつも以上にニコニコしていた。
甲高い笑い声が教室に響いていた。
今日も授業に集中出来ないのか。
ニナちゃんを見ているとすごく気分が悪くなった。
学校を早退して家に帰った。あの声がまだ頭の中で響いている。
なんでミコがこんな目に遭わないといけないの。
今日は、今日だけでも何も考えず寝よう。
次の日ニナちゃんは学校に居なかった。
今日ニナちゃん居ないんだ。
やったぁやっと授業に集中できる!
一日中頭も痛くなる事なく授業を受けることができた。
ずっとこのままがいいな、そう思っていた。
次の日ニナちゃんは帰ってきた。
前より何を言っているか分かるようになっていた。
ニナちゃんのことなんて忘れたかった。
だから、耳を塞いで黒板だけを見て授業を受けた。
でもどうしてもニナちゃんの声が聞こえた。
耳を塞いでも音楽を聴いても聞こえた。
もうやめて、もう聞きたくない。
数日後お母さんがミコを病院に連れて行った。
病院の先生にニナちゃんのせいでしんどくなることを伝えた。
病院の先生は真剣にミコの話を聞いてくれた。
ミコの話を全て聞いた後に先生はニナちゃんを静かにさせる薬をくれた。
これでニナちゃんは静かになるんだ!良かった!
それからニナちゃんは日に日に静かになっていった。
ニナちゃんが居なくなった日ミコは先生に言った。
「先生!ミコねニナちゃんが居なくなったからやっと授業に集中できるよ。」
「だからちゃんとミコの話聞いてね」
先生は冷めた表情から一気に明るくなり、ニコニコしながらミコの話を聞いてくれるようになった。
クラスの子達とも話をするようになった。
みんなにとって当たり前の生活をやっとミコは手に入れた。