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それぞれの立場

 挟撃された別働隊の運命は、もっと悲惨なものだった。二機は、大破。一機は、何とか逃げ延びて、自陣まで戻ったが、バトルアーマーは、修復が困難なレベルだった。


 連合軍側の報告書では、バトルアーマー五機消失。一機中破。捕虜三名、生死不明二名、軽症一名と記載された。

 この結果に、方面司令官のベーカー准将は、愕然とした。この後、積極的な攻撃を支持するものは、連合軍側には、いなくなった。


 「尋問しますか?」

 シュワルツは、声をかけた。シュワルツは短髪で、シュナイダーより肉付きがよく、がっしりしていた。年もシュナイダーより少し若かった。軍人らしいのは、シュワルツの方だった。

 「あまり聞き出すこともないだろう。条約もある、捕虜は丁重に扱うように指示してくれ。」

 「わかりました。」

 パイロットが重要な情報を持っていないことをシュナイダーは、経験から知っていた。彼らは、機械を動かすスキルはあっても、作戦立案には、関与していない。


 今までは、小競り合いを繰り返していたが、それ以降、連合軍は貝のようになって、防御を固めた。

 「無理に攻める必要はない。」

 シュナイダーの言葉だった。


 地球においては、補給に難しい帝国である。無駄な戦闘は避けたい。もともと宇宙の民だある帝国は、独立が目的だった。独立の発端は、重い税金だったと聞いている。属領のような立場であった。コロニー群の民の怒りは、頂点に達した。警備をしていた軍の指導者が、民衆を焚き付けて帝国を誕生させた。

 正式名称「ブライメル帝国」、「帝国」と呼称している。各国の属領であったコロニーがまとまって、帝国を形成した。彼らの自慢は、その技術力であった。元々は、宇宙作業機械の延長であったはずの物が、バトルアーマーになった。さらに改良が施され、戦争用に転用された。

 開戦序盤は、新しいジャミング技術とバトルアーマーの活躍で、戦争を有利に進めた。独立の枠を超えて地球にまで領土を求めた。資源獲得がその理由ではある。


 連合軍は、地球の国々が帝国に対抗するために作った組織であった。そのため、まとまりが無く、また不慣れな宇宙で、敗北を続けた。そして、地球侵攻を許すことになった。さすがに、自分達の領土が危険に晒されると、国々はまとまり、対抗するためのバトルアーマーの開発も進んだ。


 連合軍側にバトルアーマーが登場すると、数の有利を背景に帝国の地球での戦果をオセロの用にひっくり返していった。あっという間に、帝国の領土は減った。その一部に、シュナイダー達は、立っているのである。

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