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戦場へ

連合軍の輸送機には、座席と呼べない箱のようなイスがあった。新しい配属先に向かって、飛行している。

 隣に座った士官は、旅なれている感じだった。階級章をちらっと覗き込むと大佐であることがわかった。大佐は、目線が気になったのか、青年に話しかけてきた。

 「戦場は、はじめてかい。」

 「はい、士官学校を出たばかりです。これがはじめてです。」

 水筒の水を飲みながら、青年から中年へと変わりつつある大佐は、話を続けた。サングラスをしているので、彼の目線を確認することはできない。

 「緊張しなくていい。まだ任務地じゃないし。これから、よろしく頼む。」

 「はい。」

 思わず敬礼をしそうになった手を、こっそり下げた。

 「名前は?」

 「アーサー・シナプスです。」

 「よろしくアーサー。俺は、レオン・ブラッドリーだ。」

 大佐は、青年士官の緊張を和らげようとしたが、むしろ緊張させてしまったようだった。大佐は、自分が初陣のときの話をして、退屈な空の旅の時間を埋めた。

 輸送機のパイロットは、荒れた滑走路を目で確認して放送をいれた。

 「まもなく、着陸します。準備してください。」

 準備といっても、輸送機の壁から出ている簡易なシートベルトを着けるのと、お祈りぐらいである。


 そこから戦場までは、トラックが用意された。大佐は、助手席におさまったが、アーサー達は荷台に作られた簡便なイスに座った。下級士官達は、尻が痛くて仕方がない。何度か、休憩を入れて、やっと最前線に、辿たどり着いた。

 ブラッドリー大佐は、作戦司令部に通された。

 他の一般兵は、一箇所に集められた。宿舎となるテントが割り振られて、最低限に圧縮された荷物を置きにテントに向かった。その中に、アーサーの姿もあった。

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