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友達になりたい

「はい。もしもし、橘です。どちら様でしょうか?」


午後の7時、こんな時間に彼女に連絡をするやつはいないのだろう。不思議そうな声でこちらに聞いてきた。


「泉 康太です。遅い時間の連絡となってしまいましたがお時間大丈夫でしょうか?」

「あ、はい。」

「では、早速依頼についてお聞きしてもよろしいですか?」

「はい。あっ、あの私と友達になっていただけませんか?」

「...?」


不思議な依頼だ。...そもそもこれは依頼なのか?


「それは...依頼ですか?」

「そうです。」

「理由をお聞きしても?」

「実は私、お友達をつくるのが苦手で、今まで気軽に話せるような友達がいたことはないんです。」

「...」


彼女がこんな依頼をしてくるとは思わなかった。


「だからって寂しくない訳じゃなくて、楽しそうに話している人達をみたら、私もそんな友達が欲しいなと...そう思ったんです。」

「なら、それがどうしてこうなったのですか?」

「へ、あ、あの...」

「そもそも、そんな話なら、まず自分に依頼が来ること自体がおかしいですし、お金で買った友情はたいして意味もないと思うのですが...。」

「私はまだ、この依頼を承けることはできません。」

「な...なん...で」


そう、お金で気持ちを買う事はできない。だけど今ならまだその事に気付く事ができるかもしれないと、そう思った。だからこそ断り、願わくば彼女がその事に気づけるようにと。そして、彼女のはじめての友達が自分であることを願って...。


「この言葉の意味がわかったなら、もう一度僕に、いえ、僕と、友達になってください。」

*********************

(橘視点)


この人は不思議な人だ。

いつも、周りに人だかりができている。それでも、彼が笑うところ、怒るところ、感情を見せたことは一度もない。頼まれた仕事はそつなくこなしているけれど、彼が楽しそうにしているところは誰も見たことがない。


だからだろうか。私も気がるに依頼をすることができた。まあ、友達になって欲しいというだけの事だけど。

私は友達がいない。もちろん、欲しいとは思っている。だからこそ、私は自分を偽っているし、いつも、笑顔でいるつもりだ。だけど、なぜか友達はできない。


こんなことを考えながら彼、泉くんからの電話を待っていた。


7時になって、電話がかかってきた。泉くんだとわかっていても、違ったときの不安から確認はしてしまう。当たり前だろう。


予想通り、電話は泉くんからだった。


これより先は驚き、絶望、そして悩みの連続だった。

私は考えなければいけない事が沢山できた。そして、このチャンスを逃せばこれから先、私の悩みは消えないと。そう、思った。

だから考えた、考え続けた。何故なら、彼はこう言ったのだ。

「私はまだ、この依頼を承けることはできません。」と、そういった。そのあと、この言葉の意味を考えろ。と、そう言われた。それからは1週間悩みっぱなしだった。

だけど、それでも、彼の言葉の意味は分からなかった。


それでも私は、彼と友達になりたい。そう思った。そして、彼も友達になりたいと言ってくれた。彼と一緒にいれば、その答えがわかるかもしれないと、そう思えた。


だから私は、彼になんと言われても彼と友達になると、はじめて強くそう思った。





友達って良いですよね。

私はいますよ、友達。何人かって?言わせないでください!2人ですよ。どうせそこら辺のリア充には敵いませんよ!

なんにせよ、面白味が増すのはこれからです。どうか、これからもこの作品をよろしくお願いします。

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