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第9話 vsナワダ前編

 紙一重のところで斬撃を躱した俺とフロウは咄嗟に辺りを見回す。

「「モヒカン野郎ばっかりじゃねぇか!」」

なんと気付かないうちにダッシュとフロウはモヒカンスーツ達に囲まれていたのだ!

「我らバッファー社の秘密を探るカスどもには、殴殺刑がお似合いだぜぇ!行くぞお前ら」

モヒカン達のボスが合図を出した、・・・・・・来るッ!

『フライングロックゥ!』

フライングロックは岩を飛ばす土魔法の基本、ロックゥ!とか叫んで発動する程凄い魔法ではない。

「その見た目で魔法かよ!」

思わず突っ込んでしまったが、そんな場合ではない。四方八方から飛んでくる岩に対処しなければーーー。


一方その頃、フロウが「チャンスは今しかない」って言った辺りから一人突撃していたアリスは敵に囲まれていた。

「流石に正面玄関の方に突撃するのはマズかったかねぇ。」

アリスは少しにへらっとして頬を掻く、その後周りの様子を見ると———

「コイツお前らの敵だろ、お前らがやれよ、」「まて、この人は俺たちの味方だ、つまりお前らの敵だぜ、相手倒さないとお前らに大打撃を与えてやるぜ!」

と、黒フードとブァッファー社の連中が私の事を押し付け合っていた。

「皆んな酷いなぁ、そんな寂しい事言うなよぉ、全員まとめて相手してやるからよぉ」

そう言って、戦闘用チェーンソー『トゥウィンクル』のスターターを引っ張った。

切り裂いて、切り裂いて、たまにタックルをかまして、さながら重戦車の様に押し通る。切り裂く度にトゥウィンクルの回転数が上がり、比例してアリスの感情も昂ぶった。

「足りなぁい!もっと、もっともっと最も強い奴、出て来やがれやぁーー!」

感情のままにトゥウィンクルを掲げる、すると

「では、この僕が相手になりましょう。」

と言って、白いスーツを着た、七三分けのメガネ野郎が出てきて、右手の薬指でメガネをクイッとした。

「お前見たいなヒョロそうなのじゃあ相手にならないよ、ほら、退きなよぉ、そこの玄関からさっさと中に入りたいんだから。」

明らかに弱そうなのが来てテンション下がっちゃったぁ、お陰でトゥウィンクルの回転数も目に見えて落ちている、スターターを引っ張ると感情がガクンと変わって疲れるからあんまりやりたくないなぁ。

「———貴女のそのチェーンソーは貴女の感情とリンクしている。」

「ッ!」

その言葉を聞くや否や、アリスはトゥウィンクルを振るった。

「何故それを知っている?」

事前にその攻撃が来ると分かっていたかの様に回避された後、アリスはメガネ野郎に向かって疑問を口にした。

「フフフッ、あんなに特徴を見せられたら誰だって分かるでしょう、かの有名な古文書に登場する武器、戦闘用チェーンソー『トゥウィンクル』使用者の感情とエンジンをリンクさせ、爆発的な破壊力を生み出す、しかしそれが弱点!肉体に弱りがあれば心も弱る様に、トゥウィンクルが傷つけば、使用者の感情にもヒビが入る。」

一泊置いてからアリスを見て、メガネの奥の瞳を愉悦に歪ませながらメガネ野郎は言葉を続けた。

「もしもトゥウィンクルが壊れたら、使用者の感情はどうなってしまうんでしょうかねぇ!」

ニチャニチャと笑いながらメガネ野郎は、懐からフラスコを投げつけてきた。

「うわぁ、何っ!」

咄嗟にトゥウィンクルでフラスコを切り裂く。

「はぁ・・・・・・、饒舌に色々語るから何かと思ったけど、こんなモノで戦おうとするなんて、はぁ、出直した方がいいんじゃあないかなぁ」

正体を看破された後だったので、凄い攻撃が来ると思ったが、良くてもガラスの破片とかでかすり傷を与えられるかどうか程度のフラスコ投げは、アリスのテンションを十分に下げた。

「フフフ、そんな余裕がいつまで持ちますかねぇ?」

メガネ野郎の意味深な言葉に、アリスはハッとした。昨日毒を食らったばかりじゃないか!

「まさか、毒?なんか胸の辺りがヒリヒリする様な・・・・・・グッ」

気分が途端に悪くなり、膝を付いてしまった。

「察しが悪いですねぇ・・・・・・もっと周りを見たらどうです?」

物理的にも、感情的にも見下す様にメガネ野郎が言う。

辺りを見回すと、いくら察しの悪いアリスでも、フラスコ攻撃の正体に気が付いた。

「辺りの石畳が溶けている、つまりこれは・・・・・・」

「ご名答、モンスターの溶解液です。これで貴女の武器をドロドロに溶かしてあげましょう、楽しみですねぇ、トゥウィンクルが溶けてしまったら、使用者がどんな風に壊れるのか!」

そう言ってメガネ野郎は二つ目のフラスコから、溶解液がポタポタと落とした。一滴、また一滴と、溶解液がトゥウィンクルに落ちる度にアリスは苦悶の表情を浮かべた。

「ぐぎぎぎきぃ」

「ほう、まだ耐えますか、だがその余裕が何処まで持ちますかねぇ?」

メガネ野郎はそう言って、ニヤリと余裕を見せた

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