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第8話 襲撃開始はカプチーノと共に

 一方その頃ダッシュ達はバッファータウンの外れ、良く言っても少しボロい喫茶店のベランダ席で三者三様に頭を抱えていた。

俺はバッファータウン中を歩き回り、いろんな人に話しかけ、情報を集めるつもりだった。成果は散々、疲れた体にあっついコーヒーが沁みる、この前シャーレさんと飲んだ酒は緊張していたからか冷たくて全然美味しくなかったからなぁ・・・・・・

「碌な情報が得られなかった、手ぶらで帰ったら殺される・・・・・・」

「知らない人に話し掛けるの緊張するよぅ」

「マブいねぇーちゃんと遊んでたら所持金溶けたあああああ」

ちょっと待て。

「フロウてめぇ遊んでんじゃねーか!」

「そうだよぉ、こっちは大変だったのにぃ!」

俺とアリスが突っかかると、フロウはやれやれといった様子で肩をすくめた、うぜぇなコイツ・・・・・・

「まあ待て我が運命の仲間達よ、俺はただ遊んでいた訳じゃないんだぜ。」

「ほぅ、言い訳があるなら聞こぉじゃあないか。」

そう言ってアリスはフロウをビシッと指差した。

「俺はおねーちゃんと遊ぶと見せかけて、世間話の様に自然にこの街の様子や情勢を聞き出していたのさ!」

「おお、すげぇ!流石は俺達の参謀担当だぜ!」

俺がそう褒めると

「ああ、なんだかんだ走り回ってなんの成果もあげられなかったお前らとは大違いだろ?」

一言多いんだよ。

 そんな訳で俺とアリスとフロウの三人で昼飯を食いながらフロウが手に入れた情報を聞く流れになった。

「バッファー社ってのは流石に知ってるよな」

フロウが話を切り出した、バッファー社とはこの街の名前にもなっている大企業であり、ここ数年で突然跳ね上がる様に勢力を伸ばしている、確かこの街の中心部に本拠地があるんだったっけ。

「この街は元々は田舎の都会ってぐらいの街だったんだけど、なんでもバッファー社が勢力を伸ばしてからは街の経済が潤って街の活気が良くなり、この街の住人はバッファー社に感謝しているらしいぜ、それこそ元々の街の名前を明け渡してしまうほどに。」

「うーん、なんかきな臭いな」

「これはもう黒では?隠された魔法を隠し持っているのはバッファー社なのでわぁ?」

いつになく鋭いなアリス。

「冴えてるな、まぁそう結論を急ぐのは流石に早計だぜ、まだ正体が割れてない役者がいるだろう?」

「地下で戦った黒フード達か・・・・・・」

「そう、そして残念ながら黒フード達の情報は全く得られなかった。」

うーん行き詰ったな、この感じで聞き込みを続けてもあんまり効果はなさそうだしなぁ・・・・・・

 「バッファー社に行ってみない?」

アリスのその言葉が沈黙を破った。

「?え?どゆこと?」

なに言ってんだこいつ。

「いや、だからこの際行ってみよぉぜ、バッファー社。」

そうだ、バッファー社、行こうって感じでさ、とアリスが続ける。

「考えてもしょうがない、調べても情報はこれ以上出てきそうにないならば、もう手は一つ、突撃あるのみだよぉ」

コイツの豪快な考え方はたまに凄く眩しいな、

「乗ったぜ!」

「いよぉし、そうと決まれば正面突破だぁ!」

「おうよ!行こうぜフロウ!」

「いや、相手大企業なんだから客として行ったらよくね?」

あっ。

「いやぁーフロウはいつも冷静だねぇ、いい感じのこといえば気持ち良く突撃しに行けると思ったのにぃ」

さっきの感動を返して・・・・・・。

 そんなこんなで昼飯を食い終え、俺達は次の目的地、バッファー社を目指して喫茶店を後にした。


 大きな一本道の先、白く大きな建物の近くで、ダッシュは立ち止まった。

「なんじゃこりゃあ・・・・・・」

ダッシュがバッファー社に着く頃には、バッファー社と墓守達の抗争が始まっていたのだ。

 「お前いつも一人で先に行くんじゃねーよダッシュ、ってうおおなんじゃこりゃあ!」

フロウが驚いて間抜けな面を晒す。

「んー、あれは昨日やりあった黒フード達っぽいねぇ」

アリスは相変わらず目がいいな、しかしなんで昨日の黒フード達がこんな所に居るんだ?いまいち状況が掴めねぇ。

「何が起こってる?・・・・・・だがお前ら、今はチャンスかもしれないぜ!」

「どういうことだフロウ!?」

「なに簡単な事さ、俺達の敵であるバッファー社と黒フードの奴らが戦ってるならその混乱に乗じて隠された魔法を搔っ攫っちまえばいいのさ!」

なるほど、さあすがはフロウだ。

「だが、まだまだ甘いぜ!」

「どういう事だダッシュ、まさか俺の作戦に穴があるとでも?」

「俺達はまだ敵の勢力、建物の構造を把握出来ていない、中で囲まれたら終わりだ!」

俺は俺達のリーダー、時には冷静な判断も求められる、俺の鋭い意見に流石の参謀も舌を巻くだろう。

「いやダッシュ、俺がそんな事を想定出来てない訳ないだろ。」

「ゑ?」

「確かにリスクはある、だがだからといって待っている訳にはいかない、チャンスは今しかないからだ。」

いいかダッシュ、とフロウが続ける。

「どう転んだってバッファー社の潜入捜査はミッション達成には不可欠だ、しかもあんなデカい建物の中から隠された魔法を探すのは骨が折れる」

「だが、今は違う。」

「黒フード達が重点的に攻めている所やバッファー社の奴らが重点的に守っている所に”バッファー社の重要な物”があるはずだ!」

フロウの言いたいことが分かって来たぞ。

「つまり、アテがある程度付けられるって事か!」

「そうだ!アリスもそれでいいか?」

 俺とフロウが振り向くと、斬撃。

「戦場の近くでお喋りとは、随分と余裕がありそうじゃねぇか、ぐへへ、それに隠された魔法ってのは見過ごせねぇなあ・・・・・・。」

番族剣マチューテを持った、白いスーツを着ているピンク髪のモヒカン男が居た。


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