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第30話 二振りの聖剣

「なっ、ダッシュ君のアレは間違いなく本物だった筈———どういう事だい?何が起こって・・・・・・」

「簡単な事さ」

遮るように言う。

「聖剣は二本あった。」

「———ッ!」

目の前の白い髪の女は初めて驚いた表情を見せた。

「そ、そうか!レッドレギュレーター、あれが僕の探していた封印の魔法、墓守の聖剣!」


この世界では強大な魔獣を倒した時、その力を封じる為、その魔獣を倒した武器を魔獣の墓標とする———それ即ち聖剣である。

聖剣は魔獣を封印している間にどんどん力を蓄えていく、そして再び振るわれる時はその蓄えられた力を解き放つ為、とても強くなる。

ては何故この街に聖剣が二本あったのか・・・・・・




「何故聖剣は二本あったのか・・・・・・それはこの街の特異なシステム」

顎に手を当てシャーレは塾考し、そして真実に辿り着いた!

「魔獣の封印を制御しエネルギーを取り出すシステム、墓守システム!」

「そうだ、握った瞬間に"理解"した、コレは墓守達がずっと魔獣からエネルギーを取り出し続ける事で生じた垢の様なモノ・・・・・・

だが力であれば何でもいい、ムラタの仇を討つ!

「凄い力だねぇ、魔獣のエネルギーに当てられてレギュレーターが本来の姿に戻ったって感じかな?さて、今度は僕が君からその聖剣を奪う番だ!」

シャーレは深呼吸した後、突きの構えで氷の剣を構えた。

「———俺はお前を殺したい。」

サトウは歯軋りして墓守の聖剣を上段に構えた。




一方その頃、魔獣の前足の辺りでは、墓守達とシズクにダッシュが苦戦していた。

「うおおおおおおおおおおおお、聖剣ファイヤー!聖剣ファイヤー!クソッ、次から次へと切りがねぇ」

「いくら聖剣持ちとは言えリソースには限りがある!止めどなく攻撃するんだ!」

「おう!」「うおおおおお!」「やぁ!」

「バックアップは任せて!絶対聖剣を取り返すんだから!」


止めどない攻撃とその隙間を埋める水弾、厄介だぜ・・・・・・せめて水弾の方ぐらいは何とかしないとジリ貧だ、ならば———

「一点突破しかねぇ!」

聖剣を突の形に構える、爆進突破激の構えだ!

「——-ッ!何か来るぞおおおおおおおお!」

もう遅ぇよォ!

『爆進突破激!!!』


バシァアアアアアアアアアアアアアン!


激しい水音が辺りに響いた!

「———ウォーターウォール、対策させて貰ったわ、一度見た技だからね。」

そう、シズクは爆進突破激で突っ込んでくるダッシュの前に水の壁を生み出し、攻撃をカウンターしたのだ!

「そんな突っ込んだら、幾ら水とは言え大ダメージは免れない!」

シズクはウォーターウォール越しに苦しむダッシュを見つめ、勝利を確信した、その時だった。

ゴポゴポゴポ・・・・・・

「!?」

「うおおおおおおおおおおおお!」

あり得ない———水の壁に亀裂が入るなんて・・・・・・

「爆進突破激は目標に攻撃を叩き込むまで止まらねぇのさ・・・・・・俺も今知ったがな!」

水の壁が砕け散り、攻撃力の塊みたいな突進がシズクに迫り来る!

———死。




「グググゥ、、、」

声・・・・・・何?何で死んでない———

「グググ、クソ痛え、大丈夫かシズク!」

目の前に写る黒フード、彼は私が墓守に昇格したばかりの頃の先輩!

「———ッ、ありがとう、そして仇は必ず討ちます。」

奥歯を噛み締めて言う、すると先輩は笑って

「よく言ったシズク、俺も最後はカッコいい所見せてやるか!」

「何する気だ!クソッ、聖剣が肋骨に引っかかって抜けねぇ・・・・・・」

ガッガッと聖剣を引くが一向に抜ける気配が無い。

「抜けないか、それはいい事を聞いた!」

黒フードが不吉な事を言う、

「テメェまさか———ッ!」

「もう遅いッ!自爆ッッッ!」


ドガアアアアアアアアアアアアアン!


「先輩ーーーーー!」

土煙が晴れた瞬間、私の勝負が始まった!

聖剣が空に飛び上がっていたのだ!

きっと先輩の自爆から逃れる為に奴は聖剣を捨てたんだ・・・・・・

これはきっと先輩が最後に遺してくれた勝負へのバトン、絶対に逃れさない!

「はああああああああああああ!」

届けええええええええええええええええええ!

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