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第22話 この街の歴史

サトウタケルやその仲間達、そして墓守のサトウ、彼等の話をするには、まず彼等の過去を語るべきだろう。

時は数年前、バッファー達がこの街を訪れた時に遡る・・・・・・



元々この街は貧しい土地だった、しかし過去に大きな魔獣と戦って以来急速に発展したらしい。

バッファーという男とその仲間は、その街の異様な経歴に起死回生のチャンス見て、この街にやって来た。

その後、バッファーは墓守の存在を知り、その存在に違和感を覚えた。

墓守———魔獣の封印を守る者達・・・・・・

バッファーは魔法や歴史に詳しい男だった、だから少し考えると、その違和感の正体に気が付いた。


封印された魔獣は二度と出てこない、封印を守る必要など無いのだ。


全てが繋がった様に思えた、この街の異様な経歴、墓守の存在・・・・・・

バッファーはこの街に隠された魔法の正体に気が付いた。

隠された魔法———その正体は封印されし魔獣から封印を解かずにエナを抽出する魔法。


魔獣のエナは国一つ養える程に膨大だ、起死回生にはこれしか無いと、バッファーとその仲間は墓守から隠された魔法を記した魔道書を盗んだ。

しかし、封印されし魔獣から封印を解かずにエナを抽出する魔法———その触媒となる魔獣を墓守が既に使用していたので、バッファー達は別のアプローチを開始した。


そのプロジェクトの一つが、エナを大量に溜め込める弱い魔獣を作る計画だった。

そのプロジェクトは失敗し、一つの心を共有する欠陥を持った子供達、サトウ達が生まれた。

プロジェクトの失敗作、サトウ達は何年か別の用途で使えないかとバッファーに保管されていたが、成長が早くどんどん魔獣から人に変化していく事から、廃棄が決定した。


サトウ達が保管されていた環境は劣悪そのものだった、一人一人小さい檻に閉じ込められ、残飯の様なモノを食べて育った。

そんな劣悪な環境と共有された一つの心が、彼等の結束を強固なものにしていった。

『サトウ以外は信じない、サトウだけが仲間だ、』と。


数年が経った、サトウの誰もが殆ど人と変わりない姿になった頃、丁度ボロ切れでは凍えてしまうぐらいの季節、サトウ達の廃棄が決定した。

それをサトウの誰かが知った、心の痛みからサトウの誰もが絶望の未来を知った。


当時で言う三番、今で言うサトウ・タケルが脱走を提案する、通風孔からしか見たことの無い景色を見てみないかと・・・・・・

その時のタケルの心は誰にも分からなかった、けれどそのワクワクした顔は何よりも雄弁にタケルの心を示していた。


廃棄の日、脱走の計画は成功した。半分ぐらい死んだ。そしてサトウ達はそれぞれの心がわからなくなった。


その後は慣れない事ばかりだったが、一年ぐらい共同生活した後、墓守のサトウは墓守になったり、タケルは復讐に向けて計画を練ったり、バッファー社にスパイとして入社するサトウがいたりと、それぞれの道に進み、そして現在に至る。


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