第2話 愚者の儲け話に仲間は集うか?
「シャーレさんにわざわざ話をしに来ていただいて誠に恐悦至極にございますです。」
俺の出来る精一杯の敬語だ、伝われ!俺の誠意!
「んいやぁそんなかしこまらなくてダイジョブだよ、何もとって食おうって訳じゃない、少し君に頼みたいことがあってね」
シャーレさんが俺に頼みたい事?俺の様子を伺う様に一拍置いて再び彼女が話し出す。
「そんなにビビんなくてもいいさ、簡単なお使い程度の調査を頼みたい」
そう言って彼女は懐から一枚の地図を取り出した。
「組織の本部から大体馬車で二日のこの町、バッファータウン。この街には魔法が隠されているらしくてね、是非ともその技術を盗んできてもらいたい。」
魔法、それは世界に存在する超自然エネルギー(エナとか呼ばれてる)を熱や風、水などに変換する技術を指す。昨今は広く知られていない魔法を独占する事で莫大な利益を上げる企業や、土地に伝わる魔法で何とかやっていけている村などがあるらしい。魔法の秘匿は別に珍しい訳ではないがわざわざ四天王が俺に依頼しにくるような話だろうか?
「話は分かったんスけどどうして俺に?」
「いやぁこれが簡単な話この依頼が”組織から”ではなく”僕個人から”の依頼だからだよ、組織の中でも空いている人が少なかったし・・・・・・」
そんな適当に選ばれたのか・・・・・・だが四天王からの依頼、ただの調査と侮ったら危険だが成果を上げれば四天王に認められて組織内の俺の立場が上がるかもしれない!
その後はスムーズに話が進み最後に二人の仲間の同行の許可をもらってから前金を受け取りそれをマスターに取られ、俺はバーを後にした。
翌日昼過ぎに起きた俺は寝てる間にぐしゃぐしゃになった金髪を適当に整えて顔を洗った後、鏡に映る三白眼のイケメンを見た後いつもの真っ黒なTシャツと迷彩柄の半ズボンを着て適当に荷物を揃えた後に件の調査の仲間に誘おうと幼馴染であり組織の仲間の二人の部屋に向かった。
俺の隣の部屋が奴の部屋だ、俺の部屋のと同じ木の扉をノックすると眠そうな返事が返ってきた。こいつ平日の昼過ぎまで寝てやがる、なんて怠惰なやつなんだと俺は憤った。
「俺は憤った。じゃねーよ、どーせおめーもさっきまでの寝てたんだろ、寝ぐせついてんぞ」
平然と俺の心を読んでくるウザい長髪のこいつの名はフロウ、普段はとんでもないバカだが、たまにとんでもなく頭が切れるので俺たち三バカの参謀的ボジションにいるが
「ってか俺のパンツどこ行ったっけ???」
と、自らの黒い頭に被っているパンツを全裸で探す姿を見ると、どうしてこんな奴を参謀ボジションに落ち着かせてしまったのかと後悔してしまう。俺は「後でアリスと話に来るからそれまでに着替えとけよー」と言ってフロウの部屋を後にした。野郎が全裸でうろついている部屋になんていられるか!
そうしてフロウの部屋を出た後、しばらくすると目当ての後ろ姿が見えた。白と黒のフリフリな服に肩の下までさらりと伸びた金髪、本人曰くチャームポイントは萌え袖と言ったスゴ味というかゴス味を感じる彼女の名はアリス。あいつとの付き合いはフロウよりかは短いが、それでも俺が14の頃———バカコンビが三バカになった時からの付き合いになるのでかれこれ五年もつるんでいる。
「おーいアリスー」
「んあ・・・・・・ダッシュかぁ、どしたの?」と眠たげな紅い瞳をこすりながら彼女が振り返る。さてはお前も昼起きだな・・・・・・
「ちょっと話があってな・・「告白!?」ちげーよ、仕事の話だ」
仕事というワードに反応したのか露骨に怪訝な顔をしながらアリスが答える。
「ダッシュが仕事の話なんて珍しいね、フレイムバジリザードが緑の火を吹くより珍しいね」
「二回も珍しいって言うなよ・・・・・・取り敢えず後でフロウの部屋に集合な!」
一拍置いた後アリスは何か思いついたかのようにこんな事を言ってきた。
「はい了解、二人は昼食べた?」
「食ってないな、三人で昼飯食いながら話すか」
「じゃあ私着替えて来るからダッシュ、飯の用意をよろしくぅ」
そう言うとアリスは踵を返して部屋に向かってしまった、さては最初から昼飯の用意を俺に押し付ける腹だったな・・・・・・まぁケチなことも言うまい。
その後、俺は寮がある二、三、四階エリアから共有スペースの一階の台所に来ていた。同じ寮のセンパイが居たので残ってる食材を聞いた。するとどうやらセンパイも昼飯を作りに来てたようなので一緒に昼飯を作ることになった。単純に作業量が減るのでこれはラッキー。
「へぇアリスちゃんに飯係押し付けられちゃったんだ」「そうなんスよ、なんか気が付いたら台所来てました」「はっはっはーアリスちゃんは世渡り上手だね、まるで何処かのお嬢様、ダッシュ君は執事ってとこかな?」「アイツの執事って嫌っスね・・・・・・」
そんな会話をしてるうちにペペロンチーノと野菜炒めが出来た。道具を洗った後フロウの部屋に向かうぜ。




