第17話 サトウvsバッファー
「さて、思い残す事はあるかね?」
白いスーツを着た男が黒いボロ切れの様なフードを踏みつけながらそう言った。
「バッファー、お前を殺す。僕が出来なくても俺がお前を殺す。」
ボロ切れの下には墓守の下っ端、サトウが居た。
時は墓守の陽動部隊第二波がバッファー社付近まで近づいた辺り、ちょうどダッシュ達がピンクモヒカン達と戦っていた頃まで遡る。
「先に行った皆んなは大丈夫かなぁ」
「まぁ心配だな、だからこそ俺達は俺達の役目をしっかりこなさないとな、シズク、サトウ!」
陽動第二波のシズクとムラタがそんな話をしていた時、サトウは視界の隅にある男を見つけた。整えられたピンクの髪に汚れ一つ無い白いスーツを着た男、彼とサトウは浅からぬ因縁があった。
静かに殺意を燃やしたサトウは陽動第二波から離れ、単身白いスーツの元へ向かった。
「・・・・・・」
無言で白スーツに剣を振り下ろす。
「やれやれ、」
そう言って白スーツは肩を竦めると、
「躾のなってない犬ですねッ!」
と、僕の剣撃を軽々と避け、攻撃後の隙を突いてみぞおちに拳を叩き込んできた。
「ガハッ」
「駄犬が、私は今忙しいんだ、そこらでくたばっていろ」
白スーツの雰囲気が豹変した。
「バッファーお前は殺す・・・・・・」
へばっている暇は無い、目の前白スーツの男、僕の復習の相手、バッファー・ヘリングッ!
「駄犬風情が、一撃でくたばっていれば良かったのですが、随分と無駄に成長しましたね、どれだけ主人の手を煩わせれば気が済むのでしょう?」
「無論、その手を喰い千切るまでだぜ!バッファー!」
そう啖呵を切ったのは、上から突如現れた大剣を持った男だった。
「よう、助けに来たぜ!」
そう言って僕に笑顔を向けた。
「タケル・・・・・・」
どうして、なんて言葉は出てこなかった。タケルはそういう奴だと知っているから。
「3番か、最近見ないと思ったら嫌なタイミングで出てきましたね・・・・・・」
「俺は3番じゃねぇ!サトウ・タケルだ!」
そう言ってタケルは斬撃を繰り出した。
「・・・・・・」
バッファーが嫌そうな顔をしながら手に持った球体を弄び、そして———
「タケル避けろ!」
僕がそう言うと同時にバッファーの球体が赤く光り、突如として地面から鼠色の柱が出現、タケルは弾き飛ばされてしまった。
「バッファー、テメェまさか・・・・・・」
「勘がいいですね、如何にも!この球体は"アレ"の魔力を操作する技術魔法、紅の大魔力変換器<レッドレギュレーター>。本社にあるプロトタイプと違い"アレ"の封印を無視して魔力を吸い上げる事が出来る、つまり魔力の量が段違いという事です。」
"アレ"の封印係をしていた僕には分かる、アレの魔力量は国一つ動かせるレベルのモノだ、それを敵が自由に使えたら、勝ち目など無い。
「ククク、愚かな貴方達でも流石に理解し、そして絶望しましたか・・・・・・いいでしょう、機能テストがてら超出力で葬ってあげます。」
そう言ってバッファーが球体、<レッドレギュレーター>を掲げた。
「隙ありャァァァァァァァ!」
僕は飛び出していた、脚は震えに震えていたし、絶望もしていた、けど僕は奴の傲慢さを知っていた、隙が見えたんだ。
バッファーから球体を奪い取る。
「何!?」
バッファーが驚愕の表情を見せた。
「タケル今だ!」
タケルは頷き、
「一斉攻撃だッ!」
と叫ぶと、物陰や建物の中から僕とタケルと共に育った仲間達が集結した。
「お前は球体をバッファーの届かない所へ持って行け!」
「分かった!タケル、皆んな、勝ってくれ・・・・・・」
僕は疾走った。
「「行くぞおおおおおお!」 」
後ろから仲間達の声が聞こえた。




