第15話 フロウvsボーラット
フロウは知っていた、自分と同じタイプの奴の攻略法は至って単純、話を聞かなければいい、純粋な力比べ、小手先の罠の物量で戦えばいい。
しかしそうすると、ズルズルと泥仕合になる。となると、ダッシュが来るまで耐えれば勝てる俺は実は有利だ。
・・・・・・黒フードの野郎、焦って転んだりとかしねぇかなぁ。
場に嫌な緊張感が走る、一手間違えれば殺られると言う感覚、手には汗が滲み、時間の流れが異様に遅く感じる。
待て、待つんだフロウ・・・・・・時が来れば勝てる、攻める必要は無い。
視線の先、黒フードの野郎の目が怪しく光った気がした。
「来いよ・・・・・・いい加減焦ったくなって来た。」
黒フードの野郎が走って距離を詰めて来た!奴の獲物は短剣、そしてフックに捕まって引き寄せられてもいい何かがあるはず・・・・・・
「フックウィップ!」
黒フードの野郎の見えない近接系の技に対するフロウの回答だった。
フックウィップ———フックのフック部分を畳んでムチとして扱えるモード、攻撃力は低いが、相手が鎧でも着ていない限り、当たった衝撃で相手の体力を結構奪える優れ物だ!
ガキイィィィン!
フックウィップが黒フードの野郎に当たった時、そんな音が鳴った。
「明らかに金属音、テメェまさかッ!」
動揺したフロウの言葉に黒フードの野郎が答える。
「バレちゃいましたか・・・・・・結構とっておきだったんですがね、」
そう言って黒フードの野郎は黒フードを脱いだ!
「百刀流———針鼠、まぁ大したことないおもちゃですよ・・・・・・」
全身に短刀やらナイフやらを纏っていた、銀色に光るそれらは針鼠と言うより、龍の鱗の様だった。
「おっかねぇおもちゃだなぁ、フックで引き寄せた時退いてなかったら今頃串刺しの穴だらけになってた訳だ、」
針鼠を見たフロウの素直な感想だった。
「ホントですよ、あの時は勝ったと思ったんですがねぇ、人生そう楽には行かないかぁ。」
肩を竦める黒フードの野郎、いや今は黒フード脱いでるのか・・・・・・うぬぬ、
「おい黒フードを脱いだ黒フードの野郎ッ、そう言えば名前を聞いてなかったなぁ、俺はフロウ、テメェは何モンだ!」
「これは失礼しました、私の名前はボーラット、一応言っとくと野郎じゃなくて女ですぜ、まぁ短刀とかナイフとかに隠れて見えないけど・・・・・・」
意外な事実を告白した後ボーラットは「それでは」と手を叩いて仕切り直した。
「戦いを再開しましょうぜフロウさん、援軍が来たら大変だ、」
「俺としては、ダッシュが来るまでおしゃべりしてたかったんだがなっと!」
フックウィップを放つ、流石に2度目なので軽々とボーラットは躱し、壁を走りながらフロウに肉薄する。
「ニードルボンバーッ!」
針鼠を棘の様に展開し、サボテンの様なシルエットでフロウに突進するボーラット。
「取ったッ!」
「残像だ!」
フロウは横に高速で避けていた!
「何故避けれるッ・・・・・・いや、あの時のフックウィップですか、」
「ソッコーで種がバレちまったか、その通り、フロウウィップが外れた瞬間にフックモードに戻して、ダクトに引っ掛けたのさ。」
「ですがその手品も、もう見切った。」
「確かにな、そんじゃあまぁ、俺の手品が尽きるのが先か、援軍が到着するのが先か、」
「「いざ、勝負ッ!」」




