第14話 通路を駆け抜けろ!
「ダッシュこっちだ!おそらく制御装置はこっちにある!」
そう言ってフロウは敵がうじゃうじゃ居る方向を指指した!
・・・・・・帰ろう。
「何逃げようとしてんだよ」
そう言ってフロウは俺の肩を掴むと、
「勝算はある」
そう言ってニヤリと笑った。
「で、勝算って?」
ダッシュがそう尋ねると、フロウはダッシュの肩の辺りを指差した。
「その聖剣だ」
聖剣———昨晩拾ったそれは、雑な操作でも炎を起こし、驚異的な突破力を誇る必殺技『爆進突破激』も可能な強力な武器だった。
「狭い通路ならあの攻撃は避けきれない、そこの角から飛び出した瞬間に爆進突破激をぶちかませば、きっと奴らを蹴散らせる」
なるほど、流石フロウだ、昨日の今日でもう聖剣の使い手の俺より聖剣を分かってる。
「そうと決まれば後はタイミングだな、様子を伺って、しっかり決まるタイミングで攻めようぜ!」
そう言ってフロウの方を見ると、黒フードの短剣使いと戦っていた。
「クソッ、ここで戦ってたら通路の連中にも気付かれる、ダッシュ行け!ここは俺が時間を稼ぐから、バレる前にさっさと行け!」
「分かった、うおおおおおおおお『爆進突破激!!!』」
炎を纏いていざ出陣!
ダッシュは行ったか———そんじゃあ、まぁいっちょ時間稼ぎと行きますか!
アロハシャツのボタンを外し、フィールドの風を感じる、戦いの喧騒に、目の前の殺気に、そして何よりも勝利に魂が高揚し、フックとタガーを持つ手にも力が入った。
「先手は貰ったァ!」
先に仕掛けたのはフロウだった。短剣やタガーどころでは無い、槍のリーチよりも遠い間合いからフックを放つ、そうして牽制しながら相手の隙を伺うのがフロウの戦闘スタイルだった。
「・・・・・・」
フロウのフック攻撃に対して、相手の黒フードは脱力した構えから全く動かず、そのままフックに引っかかってしまった。
「取った!」
空かさずフロウはフックを引っ張る、当然黒フードは体制を崩しながらフロウに引き寄せられた。
「ッ!」
違和感、そこそこの策士のフロウの嗅覚に何かが引っかかる、あまりに上手く行き過ぎているのだ、何故黒フードはフックを避けなかった?
思考がそこにたどり着いた瞬間、フロウはフックを手放し、飛び退いていた。
「そんな見え透いた罠には嵌らないぜ!」
冷や汗を垂らしながら去勢を貼る。
「いやぁ、罠なんてありませんよ、あのまま行っていたら私やられてましたよ、でもラッキーだったなぁ、あなたのミスに感謝です。」
黒フードから覗くニヤついた声、この時フロウは悟った、今自分が相手しているコイツは、自分と同じタイプのヤツだという事が!
「こりゃあ、面倒になってきな・・・・・・」
そう言ってフロウは、ニヤけた口元だけは崩さずに冷や汗を拭った。
通路の敵を必殺技で蹴散らした後、ダッシュは厳重な扉を破壊し、赤い光に染まった部屋に入っていた。
「フロウ程度では大した時間も稼げまい、奴は俺たち三人の中でも最弱・・・・・・」
急いで制御装置を破壊しなくちゃな、部屋の真ん中にある赤く光ってるコレが制御装置だろう、よし!
思い切り聖剣でぶっ叩く、すると制御装置はガラスの様に砕け散り、赤い光も消えた。
「よし、ミッション達成!早くフロウの所に戻らねーとな」
と、部屋を出ようとした瞬間、ダッシュは後頭部に鈍器を叩きつけられた様な感覚を覚え、そのまま倒れてしまった。
「んぁ、ここは・・・・・・」
ダッシュは崖の上に居た。
崖の下を見てみると、広い平地が紅蓮に染まり、遠くで山の様な大きさの炎が暴れていた。
余りに衝撃的な光景に、ダッシュはその場にへたり込んでしまった。
「・・・・・・」
声が出ない。
最後に山の様な大きさの炎がこっちを見たがして、気が付いたらさっきの部屋で倒れてた。




