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第13話 戦士と強者と狂戦士

「やぁ!」

挨拶ではなく必殺、それが私の一手目だった。戦うのには狭いこの部屋なら、私の戦闘用チェーンソートウィンクルの横薙ぎは避けられまいッ!

「跳ッ!」「(壁に潜る音)」

黒フードの老人、墓守の長は跳び、バッファー副社長は鼠色の壁に潜ってトウィンクルをギリギリで躱した!

「昨日はあんな簡単な手に落ちた小娘が、一晩で随分やるようになったではないか・・・・・・」

天井に張り付きながら墓守の長は汗を拭った。

「男児三日会わざれば刮目して見よ、なんて言うけど私はそこそこ天才なもんでねぇ、一晩置いとくだけで急成長出来るのさ!」

そう言って鼻を掻くアリス、そして・・・・・・

「油断したな、馬鹿がァッッッ!」

下から壁に潜っていたバッファー副社長のトゲ付きトンファーによるアッパー!

紙一重で避けるアリス、一瞬の隙に毒針を投げる墓守の長、壁を変形させガードする副社長、二人の死角から鋭く攻めるアリス、躱す長と副社長・・・・・・

駄目だ、このままの勢いで攻め続けても埒があかない、トウィンクルのエネルギーも温存したいし、ここは守りに徹して時間を稼ぐ。

「ダッシュ、フロウ、早くなんとかしてくれよぉ〜」

守りに徹するなどと言う後ろ向きな作戦は、当然の如く強者には気取られる、そこに生まれた隙はアリスを更なる窮地に追い込む!


「とりゃあっ!」

戦闘の達人は相手の隙を絶対に見逃さない。己の不利を悟り一歩引いたアリスの隙を、墓守の長は徹底的に叩いていた。

くそぉ、なんてしつこい追撃だ・・・・・・退けども、退けども喰らい付いてくるよぉ、

「うあああぁっ!私から離れろぉ!」

壁際まで追い詰められたアリスは壁を蹴って反動を付けてなぎ払った!

咄嗟の反撃に墓守の長は対処が遅れ、避けきれずに短刀で戦闘用チェーソー、トゥウィンクルの攻撃を受けた。

「チャンスだぁ!回転数全開!」

トゥウィンクルはチェーンソー、一度獲物に噛み付いたら、破壊するまで離さない。

回転するトゥウィンクルの刃が墓守の長の短刀を噛み砕く。

「グッ」

堪らず飛び退く墓守の長、短刀を手放した今が好機とバッファー副社長が追撃、次いでアリスも襲い掛かる。

見事なまでの一転攻勢であった。

「トドメだ墓守の!」

バッファー副社長の石棘による突きが墓守の長を襲う!

「!!!」

一歩後ろにいたアリスは誰よりも早く気が付いていた———墓守の長が必殺技の構えを取っているのに。

石棘が墓守の長を貫くかどうかの一瞬、ククンと超高速で姿勢を落とし、膝を曲げ・・・・・・

『石髄砲!』

と、思いっっっ切り膝を伸ばした。

「ガハァッ」

攻撃中の無防備な腹に砲撃と見紛う様な頭突きを食らったバッファ副社長は白目を剥いて倒れた。

「石棘には石頭という事だ、まぁ貴様らが使っていた石はコンクリート?とか言うんじゃったかな。」

そう言って墓守の長は首をゴキゴキ鳴らしてこっちを見た。

「次は貴様だ、小娘。」

「上等じゃぁん」

戦場に二人の戦士、彼らは笑っていた。


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