ツンデレ幼なじみ義妹
俺には幼稚園、小学校、中学校の時に一人の幼なじみがいた。そいつは俺より1つ年下である。
「三郎君のお嫁さんになるー」
その幼なじみの幼稚園くらいまでの時の口癖だ。俺も無邪気に同意していたものだ。
しかし、小学校6年の時の幼なじみはこんな感じになっていた。
「あんたのことなんて好きでもなんでもないんだから!」
これを聞いた俺はショックを受けていた。恋愛的に好きかどうかはしらないが、いつも仲良く遊んでいたから、少なくとも友人として好き合っているとは思っていたのだ。
その時の俺は1週間くらいその幼なじみと話せなかった。彼女のツンツンとした誘いも断った。
しかし、悲しい顔をした幼なじみの様子を見て、もしかしたら照れ隠しなだけではと思うようになった。それから、ちょっとずつ幼なじみと話して、俺は確信した。彼女は少なくとも俺を友人として好きなことを俺は確信したのだ。
俺は幼なじみに謝り、彼女もツンツンしながらも謝った。俺達は元に戻った。
俺達が中二、中一になった。それでも、俺達は友達としてあそんだ。中にはからかってくるクラスメイトもいたが、俺達は気にしなかった。
だが、俺が中三になったときに幼なじみが転校することになった。家の事情で遠くに引っ越さなくてはならなくなったらしい。その話をした幼なじみはボロボロと涙をながした。俺も泣きたかったが、幼なじみのそんな姿を見て、俺はグッとこらえた。その時は女の前で泣くなんて情けなくてできるか、という見栄があったのだ。今思えばくだらないプライドだなあと感じるが、当時はそう考えられなかった。
そして、強がって彼女を慰めた夜に俺は泣きまくった。もう、近所迷惑になるかもという考えすらなくわんわん泣いた。幸いにも近所迷惑になるほどの声量で泣いてはいなかったが。
今の俺は高校2年で普通に学校生活を楽しんでいる。今みたいに幼なじみのことを思い出すことはある。まあ、過去のことをグチグチ気にしても仕方がないから、思い出しはするが、そこまで気にしていないし、別に良いだろう。
「お母さんね、再婚したの」
夕食の時間に俺の母親がいきなりそんなことを言った。
「え、いつの間に?」
俺は思わず疑問が口に出た。そんな素振りなんか全然見せていなかったはずのに。
俺の両親は小さい頃に離婚した。理由は知らないけれども、恐らく性格の不一致だと俺は予想している。だから、父親に関してはいまいち記憶にない。
「黙っててごめんなさい」
母親の台詞で俺の思考は現在に戻される。
「普通は息子である三郎に相談してから決めるべきだったのに」
母親は申し訳なさそうに口にする。
「まあ、相手によりけりだけど、俺は反対するつもりないから、別に良いよ」
「それでも、事前に相談するべきなのに、ありがとう」
母親が頭を下げる。
「気にすんなって。それより相手はどんな人?」
「そうねえ」
母親は少し考えたが、すぐににこやかに答える。
「月並みだけど、優しい人よ」
「ふーん」
本当に月並みだなあ。まあ、優しいのは良いことだけれども。
「あ、そうそう。相手の方には娘さんがいらっしゃるわ」
「娘さん?」
「そう、あんたより1つ年下のね」
「へえ、じゃあ、俺に義妹ができるのか」
不安ではあるが、兄弟というものが少し羨ましかったので、嬉しい知らせだな。
「そうよ。ちゃんと仲良くするのよ」
「ああ」
できるかどうかは相手次第だが、俺は仲良くなりたいので、頷いておく。
「次の休日からここで暮らすことになるから」
母親は休日に義父と義妹が来ることを告げた。
休日。
俺は自分の部屋でそわそわしていた。新しい家族が今日から増えるのだから、落ち着くのは難しい。義妹はどんな子なんだろうか。義父や義妹にちゃんと挨拶できるのだろうか。
ピンポーン。
「ほら、三郎。来たわよ」
「おう」
母親の声を聞いた俺は返事をした後、深呼吸をする。
「よし!」
気合いを入れて、玄関に向かう。
玄関の扉を開けると、優しそうな男性と見覚えのある女の子がいた。男性に関しては母親と同じ月並みな感想だが、今はそれどころではない。
「三郎」
見覚えのある女の子が感極まったように呟く。彼女は驚かないのか?
「おまえ、なんでここにいんの?」
そう、かつての幼なじみがそこにいたのだ。
「なによ、私があんたの義妹になるのが、そんなに嫌なの?」
「義妹? おまえがか?」
「そうよ」
戸惑う俺を彼女は不思議そうに見ている。
「三郎君、君のお母さんから何も聞いていないのかな?」
優しそうな男性が俺に尋ねてくる。
「え、ええ」
「よく来たわね、あなた、喜代美ちゃん」
母親の声が俺の後ろから聞こえてきた。振り向くと、にこやかに微笑んでいる当人がいた。
「奈未さん」
「いやだわ、あなた。もう夫婦なんだから、奈未って呼んで」
「奈未」
「それでいいのよ」
男性と母親が楽しそうに喋り合う。そっか、やっぱこの男性は義父だったか。いや、そんなことより説明して欲しいんだが。
「さ、二人とも上がりなさい」
そんな俺の心情をよそに、母親はそう言った。
「三郎、驚いた?」
「驚くよ!」
母親の種明かしを聞いて、俺は思わず突っ込んだ。
どうやら、彼女は俺を驚かせるために義父や幼なじみのことを隠していたらしい。あ、今は義妹と呼ぶべきだな。それで、そんなことをしないで良いから、前もって教えてくれよ。
「まあ、とりあえず、三郎君。これからもよろしく頼むね」
義父が苦笑いをしながらもそう言った。まあ、もう終わったことだから良いや。
「はい、よろしくお願いします、お義父さん」
「いや、息子なんだから敬語はいいよ」
「そうですか。 じゃあ、義父さん」
「うん」
「よろしくな」
俺はそう言って、義父と握手をする。この人とうまくやっていけそうだな。
「喜代美もよろしくな」
「ふん、よろしく」
台詞は嫌そうだが、顔は嬉しそうな義妹だった。相変わらずの天の邪鬼っぷりだなあ。
こうして、俺と喜代美は家族になった。
「そんでさ」
俺の男友達が世間話をしていると、教室の扉が開く。そちらを見てみると、義妹がいた。彼女が視線を動かしていると、ピタリと俺のところで止まった。そして、そのまま俺に向かって歩いてきた。どうやら俺を探していたようだ。俺の男友達の可能性もごくわずかにあるかもしれないが。
「三郎」
彼女は俺の名前を呼ぶ。こいつは、兄さんや兄貴と呼ばずに名前で呼び捨てにする。年上の兄弟を呼び捨てにする妹というのは一般的に非常識かもしれないが、俺たちの場合は特例だ。だから、俺は気にしていない。
「どうした?」
「放課後にあんたと一緒に帰ってあげようと思ったのよ」
「別に良いけど」
俺は部活には入っていないからな。
「そ。じゃあ、放課後あんたの教室に行くから」
一方的に告げて義妹は教室から出て行った。やれやれ、義兄の都合くらい聞けよと思ってしまう。まあ、この誘いを拒否するつもりはなかったから、構わないが。
「あれ誰だ?」
男友達が俺に聞いてきた。
「そういえば、言ってなかったな」
そして、俺は幼なじみの喜代美と再会して喜代美が義妹になったことをかいつまんで話した。
「珍しい状況だな」
男友達がびっくりした顔で呟いた。
「まあな」
「俺は苦手だな」
「何がだ?」
いきなりネガティブな感想を言われた俺は主語が分からなかったので、確認してみる。
「おまえの義妹が」
「それはなんで?」
自分の家族に若干マイナスな感情を向けられているのは気持ち良いものではないが、好き嫌いは人それぞれだ。それにあくまで嫌いではなく苦手だしな。
「いや、理由はないんだけど」
「ないのかよ」
まあ、理由なく苦手意識を持つことはまあまああるかもしれないが。
「強いて言うなら、さっきの傍若無人な態度とか」
「なるほどな。でも、おまえに対するものじゃないだろ」
「いや、端から見てても嫌な気分になるから」
俺が当人なら余計にな、と男友達は補足する。それもそうだな。俺はあいつを昔から知っている上に義妹だから、気にならないが、俺が男友達の立場なら同じ感情を抱いたかもしれない。
「確かにそうかもな」
俺は男友達に同意した。
ある日のこと。
一人で外を歩いていたら、イケメンの知人とばったり会った。この人は母親の友人の知人である。一応俺にとっても知人になるな。確か20代だったはず。
「君に最近妹ができたんだって?」
知人のイケメンが俺に尋ねてきた。
「そうですね」
正確には義妹だが、そんな細かいことはいちいち言わない。
「嬉しいか?」
「はい、めっちゃ嬉しいです」
俺は満面の笑みで肯定する。イケメンの知人は、良かったな、と言ってくれた。良い人で性格も良いのに、恋人はいない。
「ところで、俺は一人の二次元の女キャラを10年間愛しているわ。今年で11年目になるぜ」
相変わらず唐突に意味不明なことを熱弁するイケメン知人に俺は辟易とした。そう、この個性的な性格のせいか彼には彼女がいない。まあ、俺が知らないだけでいるかもしれないけれども。
「オタク界隈と世間では性的嗜好の扱いが違うよな。オタク界隈じゃロリコンよりSMの方が変態な扱いっぽいけど、世間じゃSMよりロリコンの方が変態扱いだよな。オタク界隈と世間とのズレが興味深いぜ。ああ、俺個人の意見だから、実際どうだか知らねえけど」
いい加減このイケメン知人の意味不明な話が終わらないかなと俺は心から望んだ。
ある日の放課後。
俺と義妹はお菓子を持って店から出てきた。義妹が買ってくれたので、俺は二重の意味で嬉しかった。
いや、最初は俺が買ってやることを提案したんだが、義妹は断ったんだ。さらに、私があんたに買ってあげるわよ、と言ってきた。本当は義兄の俺が買ってやる方が良いのだろうが、恐らく義妹は意地でも自分の意見を曲げないだろうから、ありがたく買ってもらうことにした。
「ありがとな、喜代美」
俺は好きなお菓子を買ってくれた義妹に礼を言った。
「べ、別にあんたのためじゃないんだからね!」
天の邪鬼な義妹は顔を赤くしてそっぽを向く。
「そうか」
俺は彼女の気持ちを考えて、短く相槌を打った。
義妹との何気ない日常は幸せだった。
俺は今自分の感情に困っている。実は恋愛的な意味で好きな女がいる。普通の相手ならこんな困らなかったが、そうは言っていられない。いや、普通の相手でも別の意味で困っていたかもしれないな。
ともかく、俺は非常に困っている。なぜなら、恋している相手義妹の喜代美だからだ。喜代美が実妹だったら、間違いなく結婚はできなかった。彼女は義妹だから、結婚はできる。しかし、世間体的にはどうなのか分からないので、俺は困っているのである。
まあ、それ以前に俺の思いを彼女が受け止めてくれるのか分からないが。
「ねえ、ちょっと聞いてるの?」
件の喜代美から声をかけられて、俺は自分の思考を中断する。そういえば、彼女と一緒に外を歩いていたんだったな。
「あ、ああ」
「ほんとに?」
「ああ」
「なら、何の話をしてたか分かる?」
分からない。これ以上嘘はつけないな。
「すまん、聞いてなかった」
「やっぱりね」
全くもう、と言いたげに呆れていた喜代美だが、再度話題を提供した。
今度はちゃんと彼女の話を聞きながら、相槌を打った。
「あのさあ、聞いて欲しいことがあるんだ」
話題が途切れたのを見計らって、俺はそう口にした。
「何よ」
「いや、改まった話だから、後でおまえの部屋で話したいんだけど」
「ふうん。別に良いけど」
「ありがとよ」
今俺は自分の部屋でウンウンと考えている。喜代美の部屋で告白しようと思うが、義妹に告白すること自体どうなのか。もうこれに関してはふっきった方が良いな。
そして、義妹の部屋で告白するのはどうなのか。まあ、もう部屋に行くことは伝えたから、もう行くしかないのだが。それに学校や外で告白するのはもっと駄目だから、これで良いんだ。
よし、行こう。
「で、何よ」
義妹の標準的な女の子の部屋を軽く眺めていると、彼女が尋ねてくる。そうだった。喜代美に告白しに来たんだった。
だが、告白の前に聞いておかなければならないことがある。
「おまえさ、彼氏いるの?」
「なっ」
彼女は頬を赤くして驚いた。
「な、なんであんたにそんなこと言わなきゃならないのよ!」
まあ、義兄にそういうことを一々教える必要がないから、この反応は間違ってないかもな。
「いや、えーと」
「何よ!」
好奇心なんて言うわけにもいかないよな。
「俺はな、おまえのことが大切なんだ」
「なっ」
「昔は幼なじみで今はもう俺の義妹だ。共に過ごした時間を考慮すると、実妹と言ってもいいかもしれない」
まあ、定義上はどうあがいても義妹だけれども。
「そんな義妹がろくでもない彼氏と付き合って、おまえが不幸になるのは胸が張り裂けそうなくらい苦しくなると思う」
本心である。
「ま、余計なお世話かもな」
「そ、そんなことないわよ」
ぼそりと彼女は言った。
「そか」
「ええ。で、彼氏はいないわよ」
「ほんとか?」
俺は嬉しくなって、その感情を声色に表して尋ねる。
「そう言ってるでしょ」
「うん」
「あんたの方こそ彼女いないの?」
不安そうに喜代美が聞いてきた。お、ひょっとして脈ありか?
「いねえよ」
「ふーん」
考えすぎなのか彼女の声は喜色に満ちているように聞こえた。
喜代美に彼氏がいないのは分かったから、告白しよう。俺は深呼吸をしてから口を開く。
「喜代美」
「な、何よ?」
俺の真剣な雰囲気を感じ取ったのか彼女は身構える。
「俺はおまえのことが好きだ。兄妹としてではなく、一人の女としてだ」
俺は心臓をバクバクさせながらもしっかりとした口調で告白した。喜代美は口を開けたまま呆然としている。この様子だと聞こえなかったわけではなさそうだ。
しばらくして、義妹が口を開く。
「冗談でしょ?」
「本気だ」
「あ、あんた自分が何言ってるのか分かってるの?」
「分かってる」
「私達兄妹よ」
「知ってる」
俺は真面目な口調で答え続けていると、喜代美は怒鳴り始める。
「お父さんやお義母さんにどう説明する気なの! それに世間体もあるし!」
「両親とはちゃんと話し合う」
「認めてくれる保証はないでしょ! そうなったら、どうするつもり!」
「俺達が自立するまで我慢して駆け落ちしよう」
俺は本気だ。両親が認めなかったら、駆け落ちしてまで喜代美と一緒にいるつもりだ。まあ、自立するまで待たなくて良いかもしれないが、未成年だと色々面倒だし駆け落ちも余計に難しくなるだろうからな。ちなみに、世間体はごまかせるので、問題ではない。
俺の本気っぷりに義妹はため息を吐いて、苦笑いをした。
「あんたの真剣さはすごいと思うわ」
「ああ、おまえのことが好きだから当たり前だ」
「そ」
素っ気ないが、俺の決意を認めてくれたのが分かる。
「おまえの返事を聞かせてもらいたい」
「今までの話で分かるでしょ」
「一応お互いに確認をしなきゃならないからな。喜代美、好きだ。俺と付き合って欲しい」
改めての告白に喜代美は頬を赤くして頷いた。
「喜んで!」
こうして、俺と喜代美は彼氏彼女の関係となった。
俺達は恋人になったが、関係は前とあまり変わらない。変わったところと言えば、喜代美が若干素直になったことくらいか。
ちなみに、両親の許可に関しては微妙と言える。
私達は反対しない。しかし、世間体もある程度考慮しないといけない。お前達が結婚するならば、親戚達には結婚を内緒にしなければならない。少なくとも、私達親以外の親族にはお前達は生涯独身のふりをしなくてはならない。これができないと言うのであれば、お前達は戸籍的にも態度的にも赤の他人になってもらう。つまり、戸籍の分籍手続きをする。さらに、私達に会うことも連絡することも禁止する。
彼らの主張の要約である。つまり、両親達は許可したが、世間体はきっちり気にしなくていけない。だから、微妙と表した。まあ、最悪両親とさえ縁を切る覚悟はしていたから、これで十分だろう。喜代美も納得はしていたから大丈夫だ。
ある日のこと。いつものように喜代美と外を歩いていたら、急にお手洗いに行きたくなってきた。休憩がてら行ってくるか。
「そろそろ休憩しないか?」
「そうね。ちょうど近くに公園があるし」
俺の提案を彼女は受け入れてくれた。まあ、休憩が無理だったとしても、トイレには行くつもりだったから、あんまり変わらないが。
そして、俺はトイレを済まして手を洗った。さあ、喜代美のところに戻ろう。
「来ないでー!」
絶叫が俺の耳に届いた。今の声は喜代美!
「くっ、喜代美!」
何かがあったらしい彼女の元に全速力で戻る。
「喜代美! 何があったんだ!」
俺の視界には信じられない光景があった。俺の男友達が喜代美の首を絞めていた。さらに、金づちで彼女の頭を殴っていた。彼女の身体は動いていない。いつもクラスで話していた男友達がこんな暴挙に出ているのが信じがたく、一瞬思考が停止する。しかし、早くしないと喜代美が死んでしまう!
俺は男友達に向かって全速力で走る。それを見て焦ったのか男友達は喜代美から離れて、走り去って行った。あいつを捕まえたいが、彼女を助けることが優先だ。
「おい、大丈夫か!」
俺は彼女の口に手を当てる。呼吸をしていない。俺の背中に冷たいものが走る。このままだと喜代美が死んでしまう。
「まずは救急車だ」
俺は救急車を呼んだ。
救急隊員とともに救急車に乗り込んだ俺は焦りや恐怖といった負の感情でいっぱいだった。
喜代美! 喜代美! 生きてくれ! 死なないでくれ!
「喜代美は死なないですよね!」
俺は大声で救急隊員に同意を求める。嘘でも良いから大丈夫と言って欲しかったのだ。
結果的に俺は喜代美を失った。最愛の恋人が失くなってしまった。俺は何も考えられなくなっている。学校へはきちんと行っているが、本当に事務的に行っているだけで、何もやっていたかは覚えていない。
自分の子どもを失くした両親はきちんと仕事等はして、俺の前では普通に振る舞ってくれている。しかし、自室でひっそりと泣いている姿を俺は知っている。俺の前で気丈に振る舞う両親を心底すごいと思うが、悲しみにくれている俺には少なくとも今は真似できない。
ああ、愛しい喜代美。どうして。
ちなみに、彼女を殺害した元男友達は逮捕された。喜代美を殺された怒りはあるが、ちゃんと逮捕してくれた警察の方には感謝している。
ああ、喜代美。喜代美。