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中年おっさん、中世をゆるく生き抜く

習作となります。ご指摘、ご指導あると嬉しいです。

その姿に僕は、驚いたんだ。

着物を着たお年寄りのお百姓さんがいる。

「うめえだか?」

そう言って鬼のような顔をしている。

どう反応していいかわからずにいると

「おらの昼飯うまかっただか?」

棍棒のようなものを手にし、さらに聞いてくる。

「え、っとはい、大変においしかったです。撮影用でしたか?ごめんなさい。」

「なにわけのわからねえこと言っとるだ!おめえはどこのもんだ!あれか妖怪変化か?ぶっころしてやるだ!」

「撮影に気合い入りすぎですよ、なんの撮影してるんですか?わたしは観光に来てまして、この高森八幡城を探検に来たんですよー。服は地味ですがへっ変ですかね……」

「そんな城はきいたこともないわい、ここは幡野ちゅうなーんもない山奥じゃ。」

あれ?っと思った僕は、改めて自分の格好をみる。いつのまにか和服を装備してた。いかにも貧乏そうな汚れた和服。

記憶との整合性がとれない。

おかしい、リュックサックはあった。

「今は西暦何年ですか?」

仮説を確かめるために尋ねた

「せーれきというのは聞いたことないだが、嘉祥8年の4月7日のはずじゃよ」

「貯めてある水か鏡はありますか?」

「なんじゃ突然、間口の脇にあるのが水甕だ」

僕はあわてて水甕を覗きこむ、、、

誰?この疲れたおっさん……

受け入れ難いが、おっさんからおっさんへ転生でもしたのだろうか。

来世こそは幸せになりたいと願っていたのに、おっさんからおっさんへの転生……

「うわはははははははははー!」

あまりの悲劇に笑いがとまらない。

そして気を失った。


これが5日ほど前のこと。


そして現実を受け入れて、暮らしていくために新規開拓に励んでます。

せっせ、せっせ、せっせ、せっせ

石を拾っては捨てる。

よいしょー、よいしょー、よいしょー

木の根を掘り起こす。

やっと半反(150坪)ほどの畑が形になってきた

ここ数日、体が痛くてたまらない。

「ようやっただ!あとは天地返しと肥やしの鋤き込みをやれば立派な畑になるだよ」

手伝ってくれてた翁は作兵衛さんと言う

いろいろと不思議なじーさんである。

家を建てるのはさすがに無理があったので、作兵衛じーさんの家にご厄介になることになった。

で、自分の食い扶持を確保するためにせっせ、せっせしてるのであった。

天地返しとは地面を掘り起こして土を天日に晒すことで、害虫の駆除と雑草の駆除を兼ねる大事な儀式である。

わっせ、わっせ、わっせ

木製の鋤で掘り起こしていく。

スコップの便利さが懐かしくなる道具だ。

5日ほど天日に晒しながら満遍なく土をいじる。

「こんなもんじゃろ、明日は肥やしを鋤き込むほんで畑は出来上がりじゃ。ほれ、ぼさっとしとらんで草刈ってこんかい!」

「へ?なんで今更草刈り?まだ伸びてないよね?」

「そんなことも知らんのか、草を土に鋤き込むと肥料になるんじゃ。こんな山奥には魚肥も牛肥もないし、わしの糞はわしの畑の分しかないからのう」

じーさんのうんこはやだな。とおもったので懸命に草を刈ることにした。

ざっざっざっざっ

鎌を持つ手に力が入る。

草と土を混ぜ合わせて、とうとう畝を作っていく

鍬をふるう

右から土を盛り、左から盛るそしてもう一度ずつ左右から盛る、法面をぺたぺたして整える。

羊羹型の美しい畝ができていく、曲がらないように直線に当て木を置いてあるから蛇行しない美しい畝ができていく。これにはじーさんが驚いていた。

「なんて無駄にキレイなんじゃ。」

無駄は余計だろ無駄は

「こうやると手入れや収穫のときに歩き易いし雨のときに崩れ難くなるんだよ。特に法面を強くして畝を広めに作るといいんだよね。うちのばーちゃんがいってた」

作兵衛じーさんは目をキラキラさせている。

「そんな方法があったんかいさ!」

よくみるとじーさんの畑は畝がしょんぼりしている。

一畝だけ作ってあげた。

じーさんの畑は3畝(90坪)狭い面積に出来るだけ作物を植えたいと考えた結果、ひょろひょろな畝になったわけだ。

わからなくもないが、天災に弱い上に畝間の移動が面倒であろう。

こうして、畑作りは順調に進んだ。


































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