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いのちだいじに  作者: 鈴木マル
1/1

この世界は間違っている

こんにちは。


人は皆善人で悪人だ。

理由さえあれば簡単に生き物の命を奪える。

食べる為、発展のため、自分のため、人のため。

国のため…………。



○石造りの教会の祭壇前で1人の男が祈っていた。

「神よ人は何故こんなにも愚かなのでしょうか」

周りには誰もおらず神父すらいない。

それもそうだろう、時刻は深夜の4時をまわっていた。

男はいつもこの時間に祈り、仕事に向かう。

「では……また。」

祈りを終えると一礼して出口へ向かう。

教会から仕事場までは、2分もかからない。

なら何故こんなにも早く外にいるのか?

その疑問はすぐに晴れる。

男は教会を出るとそのまま続く廊下を歩き1つの部屋に入った。

ーーーーー処刑準備室

男の仕事場である。

まずは仕事道具のメンテナンスに取り掛かる。

研石を用意し、壁にかかっている斧を研ぐ。

シャーッシャーッと一定のリズムを刻みながら研いでいく。男は毎日これをやっている。

罪人の首を落とす時に斧が途中で止まってしまってはとても残酷だから。

「今日は何人なんだろうか」

この時代、人が処刑されることは珍しいことではなかった。王に背いたり、法を破ったり、敵国の捕虜が使い物にならなくなったなど理由は様々だ。

その為、毎日それなりの人数が処刑される。

それなのに処刑人はこの男一人である。

「やりたくない職業NO.1……か。」

男は先日読んだ新聞の1文を思い出した。

ーーーギィィ

そろそろ研ぎ終わると思ったその時後ろで扉が開く音がした。後ろを振り向くと、そこには鎧を着た兵士が立っている。

「お疲れ様です!今日名簿になります!失礼します!」

と言うと近くにあった机に帳を置いて敬礼し出ていった。

「彼は新兵か………」

男は嘆いた。これから起こるであろう絶望に、悲しみに。男もかつてはそうだった。意気揚々と正義感に刈られてこの仕事を望んだ。しかし現実は綺麗なものではなく、とても醜悪で、傲慢で、弱いものだ。

彼は嘆きながら、名簿帳を開いた………………。

ありがとうございました。

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