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黒くて粘性のある感情処理

作者: 雨月

 人は感情を持っている。これに異議を唱える人はいない。喜怒哀楽という言葉が示す通り、表面上は平静を装っていても、内心違う人が多い。私もそういう類だ。

 他人から良いことをしてもらえば気分は良くなるし、逆に嫌な事をされれば腹が立つ。軽く人間不信に陥っていた時期は相手に優しくされてこいつは何を考えているのか、こっちを利用しているんじゃないかと思ったこともあったりする。

 人に優しくされて、他人に優しく思えるような人間は立派だ。そう言う人間は今の時代、貴重に思えるし、もしあなたがそうであるのなら今後もそのスタンスを貫いてほしい。評価されないこともあるかもしれないが、そう言うあなたに救われる人もいる。もちろん、自分に余裕のない人が手を出せる領域じゃないので無理は禁物と言える。

 逆に誰かに意地悪され、もやもやや、いらいらと言ったストレスを抱える人も多い。頭の中でどろりとした黒い苛立ちが生まれ、心へと落とし込まれる穢れを含んだ、人が本来持つ感情の一つだ。

 いらいらが募ると物に八つ当たりをしたり、他人への態度が荒くなる。むっつりとした表情になって何をするでもぶすくれた表情で、他人への声音は普段よりも低くてどこか冷たささえ感じられる。視線はより鋭く、心に余裕は感じられない。

 他人より与えられたストレスという燃料は、心を黒く燃やして負の行動へ走らせることもある。心は燃料を燃やした後にすっきりとするが、悪い事をしてしまうと新たに後味の悪い感情を手に入れてしまう。

 こういった言動を繰り返すことで、何をやっているのだろうと自己嫌悪する。更に落ち込んでいく人もいる。下は見る程、底辺は下がっていき、あなたが本来目指したい場所から少しだけ遠くなっていく。そして焦り、自分はこんなに汚い人間じゃないと足掻いてもっと下へと落ちていく。

 負の感情という質の悪そうな燃料の処理方法を知らない人がこういった事に陥る。心にろ過装置を持つ人間は負の感情を与えられてもそれを良いものへと変化させ、昇華するが、ろ過装置なんて大層な物を持っていない人間もいる。私もその一人だが、心が貧しい人に多い気がする。

 これを適切に処理する方法が必要だ。ストレス発散と言う人もいるが、ある意味、貴重な行動する力だ。他人にぶつけるのはもったいないものと言える。


 貴方が汚れた感情を絵にするならば素晴らしい人間の黒い一面をこの世に具現がさせることが出来る。


 貴方が汚れた感情を言葉にして文章に起こすのであれば、人間のどろりとした、生の感情を叩きつけた勢いのある作品が生まれる。


 他にもさまざまな表現方法(私は運動が苦手だがそれも一つの方法だ)はあるが、どれも共通して必要な事がある。一つは他人に見せるのではなく、自分を満足させるために表現することだ。それを他者に見せたいのなら多少他人と共感できるようにしなければならないが。

 貴方が他者より与えられた負の感情。そして生まれた一つの何かを目をそらさず、自分を見つめる必要がある。他者より与えられた、もしくは自分の心の淵から生まれた黒く歪んだ感情は世に何かしらの形として残った事になる。こうやって徐々に重たい気持ちは減らしてあげると良い。

 その過程と結果を知ることは感情を処理するうえで大切な事だと私は思う。

勘の良い人は気づいたかもしれないが、この作品はそういった経緯で生まれたものだ。少しでもそうだな、と誰かが思ったのなら、黒くてどろっとした感情も悪くないと思えてしまう。最後に読み直して手直ししようかと思ってしまったが、やめた。本来なら溜め込み続けてしまった人がどうなるか、私が成長する中で知ったことをそのまま書こうと思ったがつまらないことだ。知らない人はこれから知る機会もあるだろうし、考える自由を奪ってしまう。溜め込む人間は自分の容量をわかっていない。爆発するか、漏れが生じるのかは不明だ。私は変に爆発して大変な目にあった。喜と楽だけを大切にせず、哀と怒も人間の感情であることを忘れず、大切にしてほしい。

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