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「お前……、恨んでるんだろ?ドリームキャッスルに来た子供が……お前から逃げていったから」


夢二は言った。

ウサギはその場でぴたりと止まった。口と、手と、体中が赤黒い血で染まっている。


「お前の恨み、俺わかるよ。俺も、昔……と、父さんが死んで、父さんの代わりをしたやつを恨んだ」


ウサギはじっと、夢二を見ている。


「お前も、俺も寂しかったんだ」


夢二は小さく呟いた。ウサギの姿が、丁度、一番大好きな人の背格好に似ていた。

ウサギはゆっくりと手を差し伸ばす。まるで、あの頃の時のように。


夢二はウサギに向かって歩み出すと、その手を握った。


形もぬくもりも、あの時と同じ手だった。


ウサギは笑うと、夢二を抱きしめた。

とても懐かしい、愛しい気持ちに包まれた。


「ごめん、もう裏切ったりしないから」


ウサギはにっこりと微笑んでいる。

夢二はその後ろに、あの人の姿を重ねて見た。


赤い血に染まらない、あの人はまだ夢二を優しく見つめ頭を撫でた。


それはまるで夢のような時間で。


そして、夢二が目を閉じた後、もう一度目を開くとそこにはあの人の姿もウサギもいなくなっていた。


いつの間にか、夢二はあの拷問部屋にはいなかった。何故か、ミラーハウスの前にいた。


「夢二、大丈夫?」

そう聞いてきたのは美希だった。

「あれ、美希……?何で?生きてる?」

「え?生きてるに決まってるじゃんそりゃ」

美希は変な顔をして、夢二に言った。

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