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廃れた景色の中に今、あの時のウサギが目の前で微笑んでいる。ウサギはこっちにおいでと、何度も右手で手招きをしている。

そのお腹は、真っ赤にくすんで汚れていた。


「金太は、金太はどこにいるんだ?」

夢二は、ウサギに問いかけた。だがウサギは首を傾げ、奥の方へと走っていった。

夢二もウサギを追うように走った。


そこには下りの螺旋階段があった。そこを降りれば、金太がいる気がする。

そう、思うと迷わずに階段を降りていった。


狭く暗い螺旋階段を降り地下に着く。そこには鉄の重そうな扉が構えていた。

何だか身震いがしてきた。鉄の扉越しに、嫌な音が鳴り響く。


ぐちゃ、ぐちゃ。


夢二は静かに、ゆっくりとその扉を開いた。

すると、ウサギの背中と木製の台の上に寝ている変わり果てた金太の姿があった。

ウサギは、金太の頭を食べていた。


「き、んた……」

全身の震えが抑えられない。

すると、ウサギはゆっくりと振り返り、夢二を捉えた。


――うらみみくんは、寂しいから子供を攫って、言うこと聞かない子は拷問部屋に連れて行かれる。


美希の言葉を思い出す。

ウサギは夢二に近づいてきた。


夢二は硬直してその場から動けずに、ウサギが近づいてくるのを見ていた。


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