三極の機甲少女3
「すっげー! これUFOじゃん! 未確認飛行物体U・F・O! マスターこんな物所持してたんですか! こんな物所持してるなんて、ちゃんと税金払ってます? UFO税。でもテレビ番組に出てUFOは実在したって言えば億万長者っスね! 税金払い放題!」
またバカな発言をしやがって。
「そうしたら世界中のオカルト研究家を敵に回す。超常現象の全部を三立が起こしましたで済ます気かって大バッシングだ」
「いいじゃないッスかー。偶像召喚でUFOを召喚できるってことはこの世にUFOが存在しないってことでしょ。それならいっそ地球製UFOとしてグレンダイザーしましょうぜ!」
「グレンダイザーしようって何だよ。と言うか別にUFOが存在しないから召喚できるんじゃなくて僕がこの世にUFOなんて存在しないって思っているから召喚できるんだ。もしUFOの存在を1%でも証明できたら召喚出来なくなるんだ」
偶像召喚の制約として召喚物がこの世に存在があり得ないと僕自身が思い込んでいないと召喚出来ないものがある。
逆に言えばこの世にあり得ない物ならどんな物でも、僕の妄想の範囲なら何でも召喚できると言うことだ。
狼人、妖精、小人と言ったファンタジー溢れる生命体から意志を持つ機械生命体、宇宙をかける地球外生命体なんて言う近未来チックなものも呼び出せる。
もちろん、竜だって。
「まあお前の言う通りこれは空を駆ける未確認飛行物体だ。つまり、こういうことだ」
どんな理屈で飛んでいるか僕自身よくわかっていないユーフォリムスはフヨフヨと僕の足元まで降下してくる。降りてきたユーフォリムスに足をかけ、一気に乗り込む。
ふわふわとしたホバリングしているユーフォの上でバランスをとるのはそれこそサーフィンをしている気分だ。
「なるほど、UFOに乗ってあの二人の上から攻め込むということですか。まるで戦闘機の爆撃みたいな作戦ですね。と言うかアタシの乗る場所はどこ? まさかマスターの腰に手を回して乗れって……! いやーんマスターのロマンチストォ! でも自分の分身に空中デートを申し込むなんて変態なんてレベルじゃごほぇ! マスターが石投げてきたぁ! うわーん!」
「いい加減テメーはそのバカな発言止めろ! いちいち頭悪いこと言わないといけないのかこの駄偶像! お前の言う通りこいつで上から奇襲を仕掛ける」
「ですからアタシはどこに乗ればいいんですかと聞いてるんですよ」
「それはここだ」
僕が指さした先にあるのは小さな円盤。ユーフォリムスが率いる小型のユニットパーツ。いわば英に引っ付くコバンザメみたいな存在だ。
「えぇ……だって、足裏三つ分もないじゃないですかこれ。ちっちゃすぎですよ」
「文句を言うな。そう言う仕様なんだよ」
ユーフォリムス自体それほど大きくない。僕が乗っているメインユニットですら少々サイズが合わない。それも仕方のないことだ。
なんせこいつを始めて召喚したのが七歳のころだった。七歳の体格に合わせて召喚したから小さい的には仕方のないことだし、もともと乗れるように設計していない。
ユーフォリムス自体にあまり攻撃手段はない。あるとしたらその身を使った体当たりとユニットを特攻させるくらいでもっぱら僕の趣味で召喚されたもっぱら観賞用の偶像だ。
「わるいなーユーフォリムス。ただでさえサイズ合ってないのに涎垂らしまくるアホを乗せるなんて。お前も嫌な気分だろうけど我慢してくれよ」
「ただの円盤に何ってんですか。こんな意思もない物質に何喋り掛けているんですか? プー! マスターもとうとうテレビに話しかける一人暮らしのOLになってうぉあ!?」
突然にゲンガーの乗っているユニットが暴れ出す。ゲンガーは必死になってしがみ付いて振り落とされないように頑張っているけど、その頑張りもむなしくグルンと一回転したユニットによって地面に叩き落とされた。
「いってぇー! 何だこのUFO!?」
「言っとくけどユーフォリムスは意志あるUFOだからな。馬鹿にされて怒ったんだろう」
小バカにしたお前が悪い。
「えぇ……意思があるって、えっと。次からはきちんと敬いますんで許してくださいユーフォリムス様」
深々と頭お下げるゲンガーの足元にユニットがゆっくりと降りていく。
「……案外かわいい物ですね」
「ユーフォリムスは素直でいい子だからな。お前と違って」
「あっはははぁ~ンやだぁ~んますたぁったらいけずぅ♪」
ぶっ飛ばすぞこのクソ野郎。
「じゃあまあとりあえず準備は整ったな」
「はいな乗りました着きました準備できました! でも、と言うより、上から攻めるというと?」
察しがわるいな。上から攻めると言えば決まっている。
「ジェットコースターだ。振り落とされるなよ」
「もしかして、真上から急速落下であの爆撃の中に突っ込むんですか!? 無謀ですよ!」
それについては大丈夫だ。タイミングは計る。それにピンチになった時には奥の手がある。
おそらく使うことのない、と言うか使いたくない眠れる兵器だが。
「じゃあ行くぞ。しっかり掴ってろよ」
「ちょ、待ってください! アタシちょっとお通じが、」
「行け! ユーフォリムス!」
ユーフォリムスは勢いよく飛び出す。風を切りつけ、音すらも置き去りにしているんじゃないかと思えるほどの空気抵抗が体を包み込んだ。その突進力に一瞬振り落とされそうになったけど、何とか踏みとどまれた。
それほどの加速力。
今、僕は空を飛んでいる。




