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三極の側人-side静-

 君はメッセージを読んでくれただろうか。

 君はこの世界に必要とされ過ぎてきた。

 君はそろそろ知るべきだと思う。

 君は知る権利がある。

 

 ウチは優しくパソコンに手を伸ばす。

 パソコンは静かに、まるでダビングされたDVDを巻き戻すかのように一つ一つのパーツに分解されていく。


 皆は世界を酷使し過ぎている。それと同様に彼は酷使されている。

 そろそろゼロに立ち返るべきだ。

 先祖たちの想いを思い出せ。そしてそれら全てを否定しろ。父が為そうとした大義を思い出せ。

 世界は常識にとらわれ過ぎている。


 きーちゃん。君は罪に囚われ過ぎている。あれは事故だったんだ。無色透明の龍と言う悲しい事故。都市を滅ぼすという悲惨な事故。だけど君を開放した事故でもある。


 ウチは分かってる。君がどれだけ悲しんでいたか。だって、ずっと一緒だったんだよ。


 ずっと、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと!


 頭がかゆい! 何で君はウチをそんなに怖がるの!


 怒髪天すら生ぬるい……! なぜ君はそんなに苦しい中に飛び込もうとするの? なぜ自分をそんな残酷な世界に叩き落とすの? 世界は何でそれを受け入れてるの?


 なんて……残酷なんだろう。


 彼はもう天童源次郎じゃないんだ。ウチがあげた名前……主人公なんだ。

 だけど、天童源次郎だったことには変わりない。それも理解してる。


 大丈夫だよきーちゃん。やっと、きーちゃんの苦しみを消せる。なくなるんだよ。

 大きく息を吸ってウチは気持ちを落ち着かせる。認識するんだ。今、自分の為すべきことを。



「父さん。始めるよ。今度こそピースは揃ってる。逆名に神子。手駒は揃った。今ここに、ネクスト・プライマル計画を実行に移す」



 さぁ早く来てきーちゃん。誰も君に意地悪をしない世界を……作ってあげる。

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