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帰る時間
『お疲れ様でした。』
「お疲れ様です。」
あれから1時間が経ち、大野さんが帰る時間になってしまった。
大した事も言えず、挨拶をしただけで終わった。
これからは、会社帰りの人が立ち寄ったりする時間だから、メンテでもしようかな…と思っていた私。
ちなみに、メンテというのは本の整理をする事。
『藤原さん、お疲れ様でした。』
後ろから声が聞こえて振り返ると、私服姿の大野さんが立っていた。
赤のパーカーなんて着るんだ…と思いながら、返事をする。
「あっ、お疲れ様でした。」
『今日は、本当にありがとうございました。』
大野さんの頭の下げ方は、感謝の気持ちがすごく伝わってくる。
「そんな、お礼を言われる事なんて…してないです。」
『また明日、お願いします。』
「はい…。」
顔が火照らないように気を付けながら、私は返事をしたのだった。