お仕事の続き
お昼休みが終わり、大野さんへ仕事の流れを教えた。
「13時ぐらいは、お客様が少ないので、本のポップを書いています。」
『ポップって、店長オススメ…って書いてあるようなのですか?』
キョトンとしながら、そう聞いてくる姿を見たら、思わず可愛い…と思ってしまった。
「は…い。ちなみに、これは…私が書きました。」
近くにあるポップを指差しながら、言ってみた。
いつもの私なら、人に見られるのは嫌いなはず…。
やっぱり、今日の私はおかしい…。
『へぇー。可愛いですね。うさぎとねこがいる…。』
可愛いなんて…初めて言われた。
私の絵は、上手くなんてなくて…自信がなかった。
それに、今までは『良いんじゃない?』の一言で終わりだったし…。
「あ…ありがとうございます。嬉しいです…。」
『だって、本当に可愛いですよ。僕は、あまり絵が得意ではないので…。』
「大野さんの絵、見てみたいです。」
心で思っていた事が、うっかり言葉になっていたらしい。
大野さんを見ると、びっくりしていた。
「あっ…すみません…。」
『今度、描いてみますね。僕の絵を見たいなんて、言われたの初めてで…びっくりしました。』
「楽しみにしています。その後は、売り場の掃除をします。」
『分かりました。あっ、お疲れ様です。』
13時休憩の人達が、私達の前にいた。
『お疲れ様。今日からの人だね。』
『大野 秀人です。よろしくお願いします。』
私も、遅れて挨拶をする。
「お疲れ様です。」
『お疲れ様~。休憩は、終わった?』
「はい。12時からでした。」
『そっか~。また後でね。』
「はい。」
パートさん達との会話が終わり、掃除の仕方を教えたのだった。