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あの人と喫茶店①
仕事が終わり、さっき長瀬くんに渡された紙を出してみた。
紙には、喫茶店 meteorと書かれてある。
この喫茶店、最近私の職場近くに出来た所だ…と思いながら、裏口から出て喫茶店へ向かった。
喫茶店への道を歩きながら考える事は、久し振りに会った長瀬くんの事。
クールビズで、シャツにズボンを着ていて、サラリーマンの人が持つようなバッグを持っていた。
髪型は、オシャレでメガネもコンタクトレンズに変えているみたいだった。
あの時と変わらない声で話しかけられて、びっくりした。
いつの間にか喫茶店に着いていたらしく、木で出来たお店が建っていた。
同じく、木で出来たドアを開けると、カランコロンとベルの音がする。
『いらっしゃいませ。』
優しそうな女性の店員さんが、頭を下げて挨拶をしてきた。
私も、頭を下げて長瀬くんを探した。
探していたが、すぐに見つかった。
長瀬くん以外、お客様はいないらしい。
彼は、一番端っこの窓側のテーブルにいるみたいだ。
「あの…。」
『あっ、藤原さん。いきなり、ごめんね。』
あの時の事が嘘のようなニコニコとした表情を見て、私は立ち尽くしたのだった。




