横顔を眺めていたら…
大野さんの横顔を眺めていたら、気付いたらしくこっちを見てきた。
『藤原さん、どうかしましたか?』
そう聞かれて、はっとした私は慌てて返事をした。
「いや、何でもないです。ただ、もう少し身長が欲しかったなぁ…なんて思ってました。」
今考えていた事は、言えないので…別の事を話した。
身長が低いと、あまり得はしない。
ただでさえ童顔で悩んでいるのに、身長まで小さかったら、子供扱いされる事が多かったりする。
『藤原さんは、そのままで良いと思いますよ。もし、届かない所があったら…僕に言って下さい。すぐに行くので。』
大野さんは、私の顔を見ながらそう言ってきた。
あまりに真剣な表情で、こっちまで緊張してしまう。
それに、距離が近いからか大野さんの香りがする。
その香りは、お花の香りで余計にドキドキしてしまった。
「は…い。ありがとうございます…。そんな風に言って下さって、嬉しいです…。」
お礼を言って、にっこりと笑った。
『…良かった。さっき、元気がなさそうだったから…心配してました。』
「あっ…ごめんなさい。」
『藤原さん、大野さん朝礼始まるよ。』
2つ隣の本棚から、パートさんの声がした。
「すぐ、行きます!!」
『分かりました!!』
私達は、二人で慌てて朝礼へ向かったのだった。




