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七〇億人と一人の会話
椅子の上
一人で座って水を飲む
隣に向こうにその先に
話し相手のいる人たちが
どこかに恐れる目を持っていて
一人の私を睨んでいた
言葉を交わす
それなら二人は必要だ
たとえ全ての人が話してても
きっと私は一人で水を飲んでる
楽しげな
そんな声
関係無いのに興味は湧く
皿の音、グラスの音
ひとつひとつが私に飛んで
値札を気にする目線と
注文を待つ目線とが
遠く私を不思議がる
一人でいるのと
群れているのと
楽と楽しさの差異
一体どこで差がついて
一体どこでそんな思い込みを
私は静かに笑うのだ
気合わぬ者と話すのは
一人なのと変わらぬと




