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霧中
赤い玉が飛んでいた
次に青いの、黄色いの
光の玉は点いたり消えたり
信号機
霧の濃い朝はどこか楽しい
遠くが見えないのに
先の見えないことが僕をわくわくさせた
目線を下げて前を見ると
一歩先が見えて
数歩先は白い闇
昼間の中にある反転した夜
まるで浮いているかのような
車のライトが次々飛んでいった
少しづつ服が濡れていく
湿気の匂いが鼻腔を撫でて
夏の香りを目一杯吸い込む
湿気の匂いは嫌いじゃない
夏の予感、梅雨の季節
お天道様は見えなくて
カーテンの奥から光続ける
どこか陰鬱
どこか湿って
そんな天気も僕は好きだ




