アカリ
行く宛もなく佇む
あなたが道に迷った時
あなたを導く光にはなれないけれど
ポケットに忍ばせたマッチ
暗闇の中で暖まる
そんな明かりで
その足下を照らしたい
帰り道が遠くなる
あなたが不安げに振り返る時
あなたの家にはなれないけれど
素朴な夜を照らす常夜燈
家路へと続く点々と
そんな明かりで
その背中を照らしたい
暗闇よりも
光を打ち消す光に怯えるあなた
あなたの悲しみすべて
拭うことはできないけれど
あなたが見出だせば
寂しさだって輝く空
いつか
あなたの輝きに掻き消される
そんな明かりに
私はなりたい