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第9話:最強のカード、ロラン

ついに始まったベスト8戦!

スンヒョクの手に握られたのは, 伝説のカード「ロラン」。

かつて病弱で、常に誰かの助けを借りていた少年はもういない。

ジウンとの完璧なコンビネーション, そして「ロラン」の一撃が、前年度準優勝チームのエースを打ち砕く!

冷徹だったチャンソプの眼差しに変化が訪れる中, 物語は期末試験, そして運命の準決勝へ——。

スンヒョクの覚醒と成長が止まらない、激動の第9話!

# 第9話:最強のカード、ロラン


## 第1部 - ベスト8戦前日


翌日、ベスト8戦が始まる直前だった。


カードの手札を整理していたスンヒョクの目に、見覚えのあるカード一枚が入ってきた。


「ロラン...!」


瞬間、スンヒョクの顔が明るくなった。


「このカードがあれば絶対に勝てる。チームワークと戦略、そしてこのカードまで。今回の勝負、必ず取る」


彼は静かに口元を上げて自信に満ちた眼差しで時計を見つめた。


「もうすぐ始まりだ。うまくやれる」


---


一方、同じ時刻に登校したチャンソプは、いつもとは違う様子だった。


いつも無表情だった顔にかすかな笑みが浮かび、教室のドアを開けると友達に先に挨拶を送った。


「よう、おはよう」


予想外のチャンソプの挨拶に何人かの友達が目を大きく開けた。


ジウンはチャンソプを見つめてから顔が明るくなって近づいた。


「チャンソプ、おめでとう。数学オリンピックで賞をもらったんだって?本当にすごい」


「ああ...ありがとう」


チャンソプは照れくさそうに頷いた。


---


遅れて教室に入ったスンヒョクは短く言った。


「おめでとう」


その言葉だけぽつんと投げて、彼は再び腕時計をちらりと見た。


「ベスト8戦...俺たちのチームなら大丈夫だ。勝てる」


スンヒョクの指は無意識にカードデッキをいじっていた。


気分のいい予感がする朝だった。


---


## 第2部 - 確信


誰にも言わなかったが、スンヒョクは妙な確信に満ちていた。


「絶対に勝てる」


2年生の先輩だとしても、自分たちのチームの戦略とこのカードがあれば十分に戦えるという信念。


「カール・フォン・ハインツが言った伝説のカード...その中でも最もバランスの取れたカードと呼ばれるロラン。お前を信じる」


手に握ったカードの端がわずかに揺れた。息がかかるほど近くで見つめたスンヒョクは心の中で繰り返した。


「うまくいく。準備した分だけ結果が出る」


---


## 第3部 - 試合開始


すぐにベスト8戦が始まった。


最初の組み合わせはミヨンとドユン、そしてジウンとスンヒョク。前回の16回戦と同じ組み合わせだったが、雰囲気は明らかに違っていた。


「お前が先にやれ」


意外にもスンヒョクが先に順番を譲った。


ジウンが驚いたように彼を見た。


「本当?」


スンヒョクは黙って頷いただけだった。何か計算されたような表情だった。


ジウンはカード一枚を取り出した。


「じゃあ...行く!」


---


カードがきらめいて光り、華麗な効果と共に攻撃カードが発動した。


ドユンが素早く防御態勢を取り、ミヨンはカード二枚を同時に取り出して続いた。


「防御カード、『ブラックシールド』と『マジックミラー』発動!」


強力なシールドが展開され、ジウンの攻撃はそのまま防がれてしまった。


---


しかしジウンは32回戦と16回戦を経て明らかに変わっていた。


すぐに追加攻撃を準備して二枚目のカードを取り出そうとした瞬間、ミヨンが手に握った三枚のカードが同時に光った。


「3カードコンビネーション...現れよ、オジエ・ド・ダノワ!」


華麗な紋様の中から壮大なシルエットが飛び出した。


巨大な剣を持った騎士、前年度準優勝チームが誇るミヨンのエースカードだった。


ジウンの手がしばらく止まった。


「あれは...どうやって防げば...」


ジウンの顔が一瞬不安に染まった。


---


## 第4部 - ロランの登場


しかしその時だった。


静かに後ろに立っていたスンヒョクが前に歩み出た。


ゆっくりと手を伸ばしてカードを取り出した。


「いい。これからは俺がやる」


彼の眼差しが揺るぎなく輝いた。


カード一枚。たった一枚だけを取り出したスンヒョクの指先から淡い光が広がった。


「伝説のカード...ロラン、登場しろ」


---


戦場を切り裂く強烈な光と共に、青いマントを羽織った槍騎兵が馬に乗って現れた。


気迫に満ちたロランの登場に観客席からも感嘆の声が上がった。


「ダノワ、攻撃準備!」


ミヨンが叫んだが—


「遅い」


スンヒョクが静かに口を開いた。


---


カードの能力が発動され、ロランは一瞬でダノワに突進した。


正確に弱点を突いて、たった一撃で敵を倒した。


光の残骸だけが戦場に散らばった。


ジウンが目を大きく開けた。


「すごい...本当に勝った...」


スンヒョクは静かに手を引きながら言った。


「これがロランだ」


彼の声には確信と冷静さが同時に込められていた。


試合はこれからだった。しかし最も大きな山一つはすでに越えた形だった。


---


## 第5部 - 完璧な息


スンヒョクとジウンはいつの間にか完璧な息を合わせていた。


ロランの一撃でオジエ・ド・ダノワを倒した後、2人は躊躇なく残った相手を追い込んだ。


ジウンが攻撃カードを放ち、スンヒョクがその隙に食い込む連続したコンビプレイだった。


残った一人が防御を試みたが、すでに雰囲気は傾いた後だった。


スンヒョクがフィニッシュカードで最後の一撃を放つと、戦場が赤い閃光と共に消えた。


**勝者:1年7組**


---


「終わった!」


ジウンが手を高く上げて叫んだ。


スンヒョクも笑みを浮かべながら手を差し出した。


「よくやった」


「私たち本当にやったわ!」


2人は自然とハイタッチを交わした。


その瞬間、ジウンの目元には誇らしさが、スンヒョクの表情には確信が込められていた。


---


## 第6部 - 認め


その様子を遠くから見守っていたチャンソプの眼差しが変わった。


机に肘をついて座っていた彼は、静かに独り言を漏らした。


「随分変わったな...スンヒョク」


過去のスンヒョクなら想像もできなかった姿だった。


「確かに成長した。これなら...チームメイトとして十分だ」


---


その時、体育館裏の観客席の一角。


16回戦で敗退したユ・セリンも静かにスンヒョクの試合を見守っていた。


眼差しには複雑な感情が走った。


「つい先週まで簡単に動揺していた後輩が...今回は自分で乗り越えて準決勝進出だなんて」


彼女は口元をわずかに上げてつぶやいた。


「確かに成長したわね。これからが期待できそう」


---


一方、スンヒョクは試合が終わった後、軽く息を整えながら自分が歩んできた道を振り返った。


「学級予選1回戦はドヒョンのおかげで勝って、2回戦はソヘが具合悪くて...準決勝はチャンソプに完敗したけど...3・4位決定戦はセリン先輩が助けてくれたから勝てた」


今回の大会では32回戦で不戦勝、16回戦は危機だったがチームワークで克服。


しかし今のこのベスト8戦は違った。


「今回は...俺たちのチームが一緒に勝ったんだ。ロランもあったけど、ジウンと俺の息が合ったから」


---


彼は拳を軽く握った。


「よし。今まで4勝2敗。あと2回勝てば...チャンソプと一緒に市大会に出られる」


その考えに心の片隅が熱く燃え上がった。


彼が最初にこの大会に出た時は、ただ周りの顔色を見ながら揺れていた平凡な少年だった。


しかし今は違う。


彼の手には「ロラン」があり、その心には以前よりずっと固いものが宿っていた。


そしてそれは、さらに高く登るための本当のスタートを告げていた。


---


## 第7部 - 準決勝を前に


準決勝が近づいた。


緊張感が流れる廊下でスンヒョクは静かにカードデッキを取り出した。


指先で輝くロランのカードが目に入ると、口元に穏やかな笑みが浮かんだ。


「誰が相手でも...俺たちのチームの戦略とこのロランがあれば成し遂げられる」


---


遠くからその様子を見ていたチャンソプの眼差しが変わった。


「もう確実に認めないとな」


机に腕組みをしたまま、彼は考えに沈んだ。


「今日の試合は悪くなかった。確かに成長しているのが見える」


チャンソプは視線を外さずに静かに言った。


「これからどうなるか分からないけど...少なくとも今回の大会なら優勝を狙える」


「強くなったな...スンヒョク」


チャンソプの心の中にも、いつの間にか小さな期待が芽生えていた。


---


その時、体育館裏で同じクラスの友達ドヒが彼を見つめていた。


腕組みをしたまま、口元をわずかに上げてつぶやいた。


「まったく...カードゲームが何だって...」


スンヒョクは春になると保健室で咳き込んで横になっていた子だった。


日光を少し浴びただけでアレルギーで鼻をすすり、体育の時間はいつも病欠扱いだった。


そんな彼が...


「こんなに強くなるなんて」


ドヒは笑いを漏らした。


「もう並の先輩とも戦えるようになってる。一体何が変わったんだ、本当に」


---


誰も予想できなかった成長。


ドヒは複雑な感情の中でも満足そうに、ゆっくりとその場を離れた。


競技場の真ん中に立っているスンヒョクは、過去の彼とは完全に違う姿だった。


「もう...本当に強くなったんだ」


---


## 第8部 - 期末試験と決意


準決勝と決勝は期末試験後に延期された。


日程が発表されると、スンヒョクは再び机の前に座った。


「今は勉強に集中する時だ...」


彼はペンを握って問題集を開いた。


もう控えではなく、チームの先発の一人。もう失敗で押し出される立場ではなかった。


---


ジウンも目に見えて強くなった。


最初は慎重だった手つきも、今では自信が込められていた。


スンヒョクはジウンをちらりと見ながらささやいた。


「勝てる...俺たちのチームなら」


そして自分に向かって繰り返した。


「見ていろ。市大会までは...全力を尽くす」


---


ジウンはスンヒョクを静かに見つめた。


「スンヒョク、あなたを信じる。決勝まで...もう少し頑張ろう」


その言葉にスンヒョクはわずかに頷いた。


---


## 第9部 - 夜遅い決意


夜遅い塾の自習室、机の上には開かれた過去問題集と蛍光ペンが乱雑に置かれていた。


スンヒョクはしばらくペンを置いて目を閉じる。


「できる...できる...」


しばらくの間、頭の中からカードと試合を消す。


今は勉強が先だ。しかし心の奥深く、残り二つの試合がどうしても浮かんできた。


「もう本当に...あと二試合」


---


その日、学校の廊下で、スンヒョクとジウン、そしてチャンソプはお互いを見つめた。


言葉はないが、しかし明確な信頼が彼らの眼差しの間を行き交った。


お互い分かっていた。


今はそれぞれ自分の位置で準備すべき時間だということを。


---


スンヒョクは手首のスマートウォッチを見つめた。


準決勝の日程が表示されていた。


「期末試験が終わったら...すぐに準決勝だ」


彼は拳を握った。


「ロランと俺たちのチームの戦略。そして今まで積み重ねてきた経験。絶対に成し遂げられる」


---


そうして3人はそれぞれの方法で次の試合を準備し始めた。


期末試験と準決勝、そしてその先の市大会まで。


まだ道は遠かったが、今彼らには確信があった。


一緒ならできるという信念。


---


**[第9話 終わり]**

第9話をお読みいただき、ありがとうございます!

今回はスンヒョクの「覚醒」を描いてみました。

ただ運が良かっただけの過去を脱ぎ捨て、自分の実力と相棒ジウンとの信頼で勝ち取ったベスト4進出です。

特に、幼馴染のドヒから見たスンヒョクの昔の姿と、今の成長した姿の対比を意識して執筆しました。

次は嵐の前の静けさ……期末試験エピソードです!勉強も、カードゲームも真剣な彼らの姿を楽しみにしていてください。

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