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第5話:最後に残った一枚のカード

# 第5話:最後に残った一枚のカード


## 第1部 - ソヘの選択


準決勝が終わって数日後、ソヘは慎重にチャンソプを呼び出した。


「私...病気のせいで...これから対外活動は難しくなりそうなの」


短い沈黙の後、チャンソプは淡々とした顔でたった一言だけ残した。


「聞いた。無理するな。健康が最優先だ」


彼はそれ以上何も言わず、ゆっくりとその場を離れた。


何も言わずに背を向ける彼の後ろ姿を見つめながら、ソヘは唇をぎゅっと噛んだ。彼の無愛想な慰めがかえってもっと温かく感じられた。


---


## 第2部 - 3・4位決定戦を前に


一方、3・4位決定戦が目前に迫っていた。


最後の出場権をかけた重要な試合。スンヒョクは対戦表を確認していて、相手の名前を見て固まった。


「ボラ...?ジウンに勝ったあのボラ...」


冷静で完璧な実力で有名な彼女が相手だなんて。


スンヒョクは落ち込んだ顔で頭を下げた。ジウンにも勝ったボラなのに、自分が勝てるだろうか?


「チャンソプに完敗したのに...ボラにも負けそうだ」


---


その時、チャンソプは学校の廊下に貼られた1年生校内会長選挙のポスターをじっと見つめていた。


「生徒会長...生活記録簿に悪くないな」


彼は真剣に出馬を考えながら、ポスターの前でしばらく立っていた。


同じチームメンバーになったジウンが横に近づいてきた。


「会長に立候補するつもり?」


「考え中だ。本戦の準備もしなきゃいけないから、時間があるか分からないけど」


チャンソプは手に持ったカードデッキを見つめてつぶやいた。


「校内大会、市大会、そして全国大会...全国まで行くには今のカードじゃ限界がある。とりあえず校内大会から集中しよう」


ジウンが慎重に尋ねた。


「本戦でどんな作戦を立てる?」


チャンソプは彼女を見つめながら落ち着いて言った。


「まだ確定じゃないけど、俺が先発で出て、お前は控えメンバーで待機するのはどうだ。状況を見ながら交代もできるし」


ジウンはしばらく考えてから頷いた。


「分かった。あなたが判断して」


チャンソプは再びカードデッキを見つめて考え込んだ。


「本戦で勝てばもっといいカードと支援を受けられるはずだ。それまではこのカードで全力を尽くさないと」


彼の目は決然としていた。


---


## 第3部 - 見知らぬ提案


その様子を遠くから見守っていた同学年のセリンは目を輝かせた。


「チャンソプが会長選挙に興味を持つなんて...ライバルができそうね」


彼女はチャンソプの動きを注視しながら、すぐに7組へ向かった。


セリンは廊下で一人悩んでいるスンヒョクを見つけて近づいた。


「スンヒョク、ボラとの試合準備はうまくいってる?」


スンヒョクは突然近づいてきた見知らぬ女子生徒を警戒しながら尋ねた。


「だ...誰ですか?」


彼女は優しく笑って手を差し出した。


「ユ・セリンよ。同学年、1年4組。会長選挙の準備中なの」


「あ...はい」


「私が手伝おうか?ボラの弱点を知ってるの」


スンヒョクは戸惑った表情で尋ねた。


「実は...僕、2回とも運で勝っただけなんです。相手は文系1位のボラだし...こうやって助けてもらうの、大丈夫なんですか?」


セリンは一歩近づいてから落ち着いて言った。


「助けというより...情報共有よ。ボラのパターンを分析した資料があるの。公開された試合映像を見ながらまとめたものよ。こういうのは誰でもできることでしょ?」


スンヒョクは迷った。


「でも...なぜ僕を助けようとするんですか?」


セリンは正直に言った。


「実はお願いが一つあるの。私も会長選挙に出るのよ。パク・チャンソプも立候補を考えてるみたいだけど、7組の雰囲気を教えてくれない?誰が人気あるのか、公約は何を望んでるのかとか」


スンヒョクはしばらく考えた。


「それくらいなら...大丈夫だと思います」


「じゃあこうしよう。私がボラのパターン分析資料をあげる。代わりに7組の雰囲気を教えて。公正な取引でしょ?」


スンヒョクは頷いた。


「はい、それくらいなら...」


---


## 第4部 - 戦略の始まり


セリンはタブレットを取り出してスンヒョクに見せた。


「ボラは全校1位だけど戦術が古典的なの。最初は必ず防御で耐えて、中盤以降にカウンターアタックで逆転するのがパターンよ」


画面にはボラの過去の試合映像と共に詳細な分析資料がまとめられていた。


「だからあなたは序盤に強く押し込まないといけない。ボラが防御態勢を整える前に勝負をつけるってことよ」


スンヒョクは資料を細かく見た。本当に公開された試合映像を基にした分析だった。


「カード4枚のうち攻撃カードに集中投資して、一気に押し込む戦略。これが唯一の勝機よ」


スンヒョクは真剣に頷いた。


「ありがとうございます。この資料、本当に役立ちそうです」


セリンは微笑んだ。


「じゃあ7組の雰囲気、よろしくね。あ、それともう一つ。これは私たちだけの秘密にしよう。変に他の子に知られるとボラにも伝わるかもしれないから」


「分かりました」


---


その時、チャンソプが廊下を通りかかった。スンヒョクとセリンが話している様子をちらりと見たが、特に関心なくそのまま通り過ぎた。


スンヒョクは一瞬複雑な感情が湧いた。


「チャンソプに完敗したのに...でも本戦には行きたい」


しかしそれは復讐心ではなかった。ただ自分ももっと高い舞台に立ちたいという欲望だった。


「今回は...ちゃんと準備して勝とう」


---


## 第5部 - 3・4位決定戦


その日、体育館には再び緊張感が漂った。


スンヒョクはボラとの3・4位決定戦に参加した。相手はジウンにも勝った、完璧主義者で鉄壁戦術で有名なボラだった。


カードが展開される直前、スンヒョクはセリンから渡された分析資料を思い出した。


「序盤に強く押し込む。防御態勢を整える前に勝負をつける」


スンヒョクは家で一晩中練習した戦略を思い出しながら、攻撃カード一枚にすべての資源を集中投資した。


「AIグラディエーター、起動」


スンヒョクは冷静に命令を下した。


強化された攻撃カードが素早く動き始めた。防御用カード3枚は補助役として配置され、攻撃ルートを確保した。


ボラは予想通り最初は防御態勢を整えた。彼女は特有の計算された眼差しで防御壁を展開し、タイミングを狙っていた。


しかしその瞬間、スンヒョクの戦略が発動した。AIグラディエーターの一点突破。


「...!」


競技場を囲んでいた生徒たちの間から感嘆の声が上がった。予想外の集中戦略、そして速い攻勢。ボラの防御は思ったより早く崩れた。


---


ボラは慌ててカウンターアタックを準備したが、すでにスンヒョクの攻撃が深く食い込んでいた。


試合は予想より早く終わった。


スンヒョクは勝利した。


**《勝者:チェ・スンヒョク》**


周りから拍手が起こり、ボラも頷いた。


「いい戦略だった。私のパターンを完全に読んだね」


スンヒョクは深く息をして答えた。


「いい勝負でした。ありがとうございます」


---


## 第6部 - 本戦進出


試合が終わって、スンヒョクはベンチに座って息を整えていた。


「やった...本戦に行ける」


胸が高鳴った。運じゃなく、準備と戦略で勝った初めての勝利だった。


ジウンが近づいて肩を叩いた。


「おめでとう!今回は本当にあなたの実力で勝ったのよ」


「ありがとう、ジウン」


チャンソプも遠くから軽く頷いた。称賛でも非難でもない淡々とした認め方。


スンヒョクは初めて達成感を感じた。


---


しばらくして、スンヒョクは4組に向かってセリンを探した。


「ありがとうございます。おかげで勝てました」


セリンは微笑んだ。


「おめでとう。あなたが頑張ったのよ。私は資料をあげただけだから」


「7組の雰囲気...まとめてお知らせします」


「ありがとう。あ、それとスンヒョク」


セリンは真剣な表情で言った。


「本戦でも頑張って。あなたが7組の代表じゃない。私たち学年全体が応援してるから」


その言葉にスンヒョクは頷いた。


「全力を尽くします」


---


## 第7部 - 新しいスタート


その日の夕方、スンヒョクは家に帰る道で空を見上げた。


星が輝いていた。


「ついに...本戦だ」


チャンソプ、ジウン、そして自分。3人がペグォンゴ代表として校内本戦に出る。


運じゃなく実力で上がった舞台。


今からが本当のスタートだった。


スンヒョクは手首のスマートウォッチを見つめて小さく微笑んだ。


「今度は...もっと強くなった姿を見せる」


---


廊下の向こうでチャンソプも同じ空を見つめていた。


「本戦...ちゃんと準備しないと」


彼の目には淡々とした決意が込められていた。


ジウンは編集室で今日の試合映像を整理しながら独り言を言った。


「みんな本当にすごい。本戦でどんな姿を見せるか楽しみだな」


---


そうして3人はそれぞれの方法で本戦を準備し始めた。


それぞれ違う道を歩いてきたが、今は同じ目標に向かって進む仲間たち。


そしてその中心に、ついに自分の実力を証明したスンヒョクが立っていた。


---


**[第5話 終わり]**

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