27: トーナメントへの道
第27話をお読みいただきありがとうございます!
ついに予選が終わり、物語は本番のトーナメントへと突입します。
対人恐怖症を抱え、常に一歩引いていたスヒョクが、ついに「主将」として立ち上がる瞬間をぜひ見届けてください。
新カード『フェニックス』の覚醒にも注目です!
第二十七話 トーナメントへの道
第一部 引き分け
静かな部屋。テーブルの上には、カードゲームの最後の一枚が残っていた。
スヒョクとキソンは互いを見つめながら、同時にカードを開いた。
数字は同じだった。またも引き分け。
「キソンさん、また引き分けですね···」
スヒョクが疲れたように笑いながら言った。
キソンは腕を組んで頷いた。
「昨日から三回やって、全部引き分けだな。次は絶対に決着をつけよう」
二人の眼差しが再び熱を帯びた。カードを混ぜる指先に、緊張が漂う。
そこへジウンが割り込んだ。
「スヒョク、私もついにHP一万突破したよ!」
スヒョクがすかさず返した。
「俺は一万三千」
キソンも負けじと続けた。
「俺は一万五千」
ジウンは目を丸くした。
「なにそれ、私だけビリじゃん」
第二部 キャプテン
キソンがため息をついて言った。
「主将もしんどいな···」
彼は額に手を当てながら続けた。
「夜は配達の仕事して、学業も並行して、みんなのスケジュールまで管理してたら··· スヒョク、悪いけど主将お前がやってくれない? 最近忙しすぎてバーンアウトしそうなんだ」
スヒョクは深くため息をついた。
「キソンさん、俺、対人恐怖症があってそういうのは無理ですよ··· ジウン、お前が主将やってくれよ」
ジウンが笑って答えた。
「いいよ。そのかわりスヒョクのカード使っていい?」
「うん、よろしく」
その時、パク・チャンソプが突然現れた。
「チャンソプ? いつ来たの?」
ジウンが尋ねた。
チャンソプは冷ややかな笑みを浮かべながら言った。
「チームメンバーの一人がバーンアウト寸前で、もう一人は対人恐怖症とはね。よくもまあ、似た者同士で集まったもんだ」
その言葉に、ジウンとスヒョクは無言で顔を見合わせた。
スヒョクが目を細めながら言った。
「おい、パク・チャンソプ。まるでグループリーグを通過したみたいに言うけど、俺たちはもう二連勝してるぞ。今日三次戦がある日に、なんでお前がここにいるんだ?」
チャンソプは鼻で笑いながらスマートフォンの画面を見せた。
「あんなレベルの低い連中相手に、俺が直接出る必要もないだろ」
画面には、スミンと相手チームの三人が激しく戦う試合が生中継されていた。
キソンが呆れたように言った。
「一対三は厳しすぎるんじゃないか?」
その瞬間、SNSの中継画面に「カオス勝利」という文字が出た。
チャンソプは鼻で笑い飛ばした。
「見たか? お前たちのチームが同じ状況になったら··· 対人恐怖症のやつは逃げ隠れして、チョ・キソンが一人で全部被ることになるな」
そして続けた。
「ペクウォン高アリーナには、グループ課題をさぼって逃げ回るやつが一人いるだろ。いつも逃げてるチキンが」
スヒョクは怒りを抑えながら冷静に言い返した。
「ほっとけよ、チャンソプ。お前がいなくてもうちはうまく回ってる。お前こそチームの何の役に立ってるんだ?」
チャンソプが皮肉っぽく言い返した。
「役に立つ? 俺はただ実力で語るだけだ」
「臆病者みたいに他人のせいにしてばかりで」
チャンソプは目を光らせてさらに一言放った。
「臆病者? その言葉そっくり返してやる。対人恐怖症のお前こそ、まずしっかりしろ」
口論はどんどんヒートアップした。周りのチームメンバー数人が心配そうな顔で見守っていたが、誰も割り込む勇気はなかった。
スヒョクが最後に吐き捨てた。
「うちのチームはもう二連勝してる。お前の嫌みなんて何でもない。次の試合もうちが取る」
チャンソプは鼻を鳴らして引いた。
「じゃあ見てろよ。三次戦でお前の限界を見せてもらう」
チャンソプは背を向けて去りながら、最後の一言を残した。
「弱い者同士··· 仲良くやってろ」
第三部 腕章
緊張感がゆっくりと収まっていく中、ジウンが怒りの収まらない顔でスヒョクを睨み、手に持っていた主将の腕章を彼の胸に叩きつけた。
「お前がやれ」
言葉はぶっきらぼうだったが、その中には明らかな怒りと心配が混じっていた。
「やられっぱなしでいいの? あんなやつに··· お前、去年からずっとチャンソプに舐められっぱなしじゃないか」
スヒョクはしばらく黙って立っていたが、やがて腕章を拾い上げた。
「···そうだな。今回の試合は俺が出なきゃいけないな」
彼は静かにスマートウォッチを手首に付け、左腕に主将の腕章を巻いた。
「これから、チーム・ペクウォン高アリーナの主将は俺だ」
キソンが歩み寄り、肩をポンと叩きながら言った。
「スヒョク、絶対に見せてやれ。あと一試合勝てば全国大会トーナメント進出だぞ」
スヒョクは短く息を吸い、頷いた。
「もちろんそうします。これからは俺がキャプテンだ」
第四部 第三戦
チーム・ダークホースとチーム・ペクウォン高アリーナの試合は後半に差し掛かり、緊張感が最高潮に達していた。
テギョムとスンモが同時にカードを叫んだ。
「出撃! 実戦型AI剣闘士、スパルタクス!」
「ローマの黄金の盾、防衛展開!」
巨大な剣闘士が暗赤色の槍を持って雄叫びを上げながら登場し、その後ろには全身を黄金色に武装した盾兵たちが隊列を組んで立っていた。
キソンが落ち着いた手つきで手を伸ばした。
「オルフェウス、出撃」
青みがかった弦楽器の音色がアリーナに響き渡った。
スヒョクが静かに囁くように言った。
「行こう、ローラン」
白馬に乗った銀色の騎士ローランが現れ、その瞳に輝きが宿った。
両軍のユニットが一斉に激突した。スパルタクスは防衛を突き破ってオルフェウスへと突進し、オルフェウスは絶えず音波を発しながら圧力をかわした。
しかしその時だった。
「······なんか変だ」
スヒョクの目が細まった。
ローランの眼差しが歪み、輝きが増幅されていった。
『このカード··· 強い感情に反応するのか』
「ローラン、ダメだ···!」
しかしローランはすでに暴走していた。剣から炎のようなオーラが噴き出し、スパルタクスを圧倒的に押し返した。盾兵たちまで混乱に陥った。
スヒョクは瞬時に判断した。
数日前に偶然手に入れたカードが頭に浮かんだ。まだ一度も使ったことのないカード。
『···使ってみるか?』
彼は迷わず手を伸ばした。
「フェニックス、召喚」
空が割れ、不死鳥の叫びがアリーナを揺るがした。
真っ赤な翼を広げたフェニックスが舞い上がり、ローマの黄金の盾めがけて火球を浴びせた。
「な、なんだあれ!?」
スンモが目を閉じる間もなく、黄金の盾は黒く燃え上がり、スパルタクスは炎に飲み込まれて倒れた。
その隙を逃さず、オルフェウスとローランが同時に前進した。
オルフェウスが耳を裂く音波を放ち、ローランは嵐のような剣撃でテギョムの防衛を崩した。
爆発音とともに二人が弾き飛ばされた。
観客席は一瞬、静寂に包まれた。
「ペクウォン高アリーナ、勝利!」
第五部 サヨナラ
観客の歓声も、味方の祝福も耳に入らなかった。
スヒョクは静かにカードを整理し、冷静な眼差しで振り返った。
階段の下、誰かの視線が感じられた。
パク・チャンソプだった。
『確かに市大会では俺が勝ったはずなのに··· 今は、何かが違う』
チャンソプの胸が冷え込んだ。
スヒョクは彼を見つけ、冷ややかな笑みを浮かべた。
「···パク・チャンソプ。サヨナラ」
その一言を残して彼は静かに、そして断固としてアリーナを後にした。
第六部 トーナメント
競技場から出たスンモとテギョムは、出口でジウンと鉢合わせした。
「あらら、随分早く負けちゃったね」
ジウンが肩をすくめた。
「俺たち実は··· ソウル田舎者チームに負けたんだ。一勝二敗」
スンモがひと笑いしながら言った。
「俺、テギョムについて入隊でもするかな」
テギョムは笑って頷いた。
「行ってくるよ」
みんなで少し笑いながら挨拶を交わし、それぞれの道へと歩き出した。
第七部 対人恐怖症
ジウンがいたずらっぽい目でスヒョクを見た。
「ねえ、スヒョク。対人恐怖症って全部言い訳だったんじゃないの?」
スヒョクは少し言い淀んでから首を横に振った。
「違うよ、本当にあったんだよ··· ただ最近は少し良くなってきた感じがして」
キソンがさりげなく割り込んだ。
「これからが本当のトーナメントだぞ」
その日の午後、三十二強の組み合わせ表が発表された。
チーム名が一つずつ発表されると、選手たちの間にどよめきが広がった。
「俺たちはチーム・ソンドと当たるんだな」
「ちょっと待って、俺たちが三十二強で勝ったら、十六強でパク・チャンソプと当たるらしいぞ」
その言葉を聞いたスヒョクは、表情が固まった。
「···なんだって?」
一方、組み合わせ表を見ていたパク・チャンソプは口元を歪めた。
「随分早く当たることになったな··· 十六強とは」
その眼差しがさらに鋭くなった。
「今度こそ、決着をつける」
スヒョクとチャンソプ。
二人は同じ組み合わせ表を眺めながら、それぞれのやり方で拳を握った。
第3戦の勝利、いかがでしたでしょうか?
スヒョクの冷徹な「サヨナラ」が決まりましたが、本当の戦いはここからです。
16強で待ち受ける宿敵、パク・チャンソプとの因縁の再戦……。
スヒョクは過去のトラウマを完全に払拭できるのか、ご期待ください!




