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19:全国大会への道

激闘の準決勝を経て、舞台は地域予選の最終局面へ。

チャンソプ率いる「チーム・カオス」と、テギョム率いる「チーム・ヨハネス」による頂上決戦。

王者としての風格を見せるチャンソプの圧倒的な力、そして予選敗退の危機から再起をかけるスンヒョク。

「全国大会へ行けるのは、上位三チームのみ」

敗北の悔しさを胸に、スンヒョクは三位決定戦という最後のチャンスにすべてを懸ける。

夢の舞台・全国への切符を手にするのは誰か。

地域予選編、堂々の完結!

19:全国大会への道

1. 全国大会への道 3・4位決定戦を前に

2025年11月末、地域予選3・4位決定戦を控えた体育館の廊下。

「あんた、すごく強くなったわね」

ジウンが感嘆混じりの声で言った。

「私たち、今度は勝てるわね」

セリンも希望に満ちた目でスンヒョクを見つめた。

しかしスンヒョクの視線はすでに別の場所を向いていた。

『3位まで全国大会に進出できる。必ず勝たなきゃ』

彼は落ち着いて息を整えながら誓った。準決勝でチャンソプに惜しくも敗北したが、まだチャンスは残っていた。彼の目にはすでに全国大会のステージが描かれていた。

その瞬間、体育館の大型スクリーンに決勝戦のマッチアップが映し出された。

【チーム・カオス vs チーム・ヨハネス】

観客席がざわめき始め、すぐに審判のホイッスルの音が試合開始を告げた。

2. 決勝戦開始

「両チームは演台の上へお上がりください」

チェック柄のスポーツウェアを着たペク・スンモが先にステージへ向かった。続いてミン・テギョムが無表情で登場した。

その様子を廊下のモニターで見守っていたスンヒョクの視線が一人の人物で止まった。

『チャンソプ……あいつは今日どんな試合を見せるんだろう?』

決勝ステージの片隅のベンチに座っているチャンソプ。その隣にはきちんと座ってチャンソプを見守るイ・キル・ヨンがいた。

「チャンソプ、校内大会の決勝の時は体調悪くて出られなかったんだろ?」

テギョムが静かに尋ねた。

「はい。あの日は体調が良くなかったんです」

チャンソプが落ち着いて答えた。

彼らの表情はすでに戦場へ向かう覚悟で固まっていた。

3. 試合前の控室

試合開始の数時間前、チーム・カオスの控室。

「兄さん……お願いします」

キル・ヨンが椅子の前に座って懇願した。

チャンソプはため息をついて腕を組んだ。

「お前にダイヤカードはやれない」

キル・ヨンの顔が失望で歪んだ。

「だが」

チャンソプが静かにデッキケースを取り出した。きらめく金色のカードが少し姿を現した。

「今日一日だけ俺のカードデッキを貸してやる。お前の実力を自分で証明してみろ」

キル・ヨンは呆然と彼を見上げた。そして静かに手を伸ばしてカードを受け取った。チャンソプの眼差しには期待と警告が同時に込められていた。

4. 決勝戦開幕

審判の笛が鳴った。

「チーム・カオス vs チーム・ヨハネス! 決勝戦を開始します!」

最初の一手はチーム・ヨハネスのペク・スンモ。

「登場しろ、ハンマーのアルヌ!」

鉄槌を持った巨大な戦士が戦場に登場すると、観客席がざわめいた。3メートルを超える巨体の戦士が勇ましい咆哮を放った。

「そして炎のカエル!」

炎を纏った騎士型カードが登場し、すぐにキル・ヨンに向かって突進した。炎が吹き荒れて戦場の温度が急激に上がった。

「防御!」

キル・ヨンが叫び、チャンソプが頷いた。

「嘆きの壁!」

冷たい灰色の石壁が戦場にそびえ立った。二つの攻撃が壁にぶつかって無力に弾かれた。炎は石壁に触れた瞬間消え、アルヌの鉄槌は壁にひびを入れるにとどまった。

5. チャンソプの反撃

「さて、俺たちの番だ」

チャンソプが静かに言った。

「登場! シーザー、ローラン、ヘラクレス!」

鋼の兜とマントを纏った三人の英雄カードが一斉に姿を現した。シーザーの赤いマントが風になびき、ローランの聖剣デュランダルが光を放った。ヘラクレスは巨大な棍棒を持ち上げた。

「進撃!」

三人の英雄が同時に前進した。完璧な陣形を保ちながらスンモのフィールドを圧迫した。シーザーが先頭で指揮し、ローランとヘラクレスが両翼を担当して突進した。

スンモのカードが瞬く間に倒れた。アルヌはヘラクレスの棍棒に撃破され、カエルはローランの聖剣に斬られた。

「そんな……」

スンモの顔に慌てた色が走った。

6. テギョムの反撃

テギョムの番が回ってきた。

「思ったよりやるな」

彼は静かにカードを取り出した。テギョムの手つきは余裕があり、その眼差しは落ち着いていた。

「リチャード2世……そして——」

彼の目が鋭く光った。

「——ゼロ戦、発進」

瞬く間に戦場の上に鋭利な機体が現れた。ゼロ戦戦闘機型カードが空を切って飛び上がった。エンジン音が競技場に響いた。

「防御態勢!」

チャンソプが素早く指示した。

しかしゼロ戦の速度は予想を超えていた。空中から急降下してシーザーを攻撃した。シーザーがよろめいて膝をついた。

同時にリチャード2世が威厳ある姿で登場した。金色の鎧を着た獅子心王が戦場を見下ろした。

「ここからが本当の決勝だ」

テギョムの口元に笑みが広がった。

7. 激しい攻防

チャンソプは落ち着いて次のカードを準備した。

「オルフェウス、召喚!」

吟遊詩人の形をしたカードが優雅に登場した。彼が竪琴を奏でると美しい旋律が戦場に広がった。リチャード2世の威厳が揺らぎ始めた。

「いい手だが、足りない」

テギョムが追加のカードを繰り広げた。ゼロ戦が再び急降下してオルフェウスを攻撃した。オルフェウスが輝いて消えた。

キル・ヨンは緊張した顔でチャンソプを見つめた。チャンソプは頷いて合図を送った。

「キル・ヨン、今だ!」

キル・ヨンが借りたカードの一枚を繰り広げた。

「ギルガメシュ、出撃!」

古代の英雄ギルガメシュが黄金の鎧を着て登場した。その手には伝説の剣が握られていた。

8. スンモの脱落

チャンソプとキル・ヨンの共同攻撃が始まった。

「集中攻撃!」

ギルガメシュとローランが同時にペク・スンモの防御線を崩した。ヘラクレスが最後の一撃を加えた。

「ペク・スンモ、アウト!」

審判の叫びと共に競技場の雰囲気が瞬く間に変わった。今や2対1、チーム・カオスが数的優位を占めた。

スンモは頭を下げてベンチに戻った。その表情には残念さが満ちていた。

『工学生の俺よりあんなに強いなんて……』

9. テギョムの棄権

テギョムは戦場を落ち着いて見渡した。2対1の状況、そして自分の残りのカード。計算はすでに終わっていた。

チャンソプとキル・ヨンの呼吸はどんどん精巧になった。二人の連携攻撃がテギョムのカードを一つずつ崩していった。

テギョムは深いため息とともにカードをしまった。

「棄権します」

観客席がざわめいた。まだHPが残っていたが、テギョムはこれ以上の抵抗が無意味だと知っていた。

審判が試合終了を宣言した。

「チーム・カオス勝利! 地域予選優勝!」

10. 優勝後

チャンソプはキル・ヨンからカードデッキを静かに回収した後、優勝トロフィーを掲げた。

輝くトロフィーを片手に握ったまま、彼はしばらく観客を見つめた。歓声の中でも彼の表情は相変わらず淡々としていた。

廊下で見守っていたスンヒョクが小さく呟いた。

「やはり……強いな」

セリンがスンヒョクの肩を叩いた。

「私たちももうすぐ試合よ。集中しよう」

「うん。3位以内に入って全国大会に行こう」

スンヒョクの眼差しが再び燃え上がった。

11. それぞれの道

試合が終わった後、テギョムは静かにチャンソプに近づいた。

「いい試合だった」

「お前もな」

短い握手。それで十分だった。

観客席の片隅ではゲーム関係者がメモを取っていた。全国大会を前に注目すべき選手を記録している最中だった。

「パク・チャンソプ、チェ・スンヒョク、ミン・テギョム……この三人は確実に全国大会でも注目されるだろう」

ある関係者が言った。

「特にチェ・スンヒョクの成長速度が驚異的だ。わずか数ヶ月でパク・チャンソプと互角に戦ったんだから」

12. スンヒョクの覚悟

控室に戻ったスンヒョクは自分のカードを取り出して一枚一枚確認した。

『これで3・4位決定戦に勝ちさえすればいい。必ず勝つ』

セリンとジウンが隣に座った。

「準備できた?」

「当然でしょ」

三人は互いを見つめて頷いた。

「ファイト!」

彼らの叫びが控室に響き渡った。

一方、優勝インタビューを終えたチャンソプは静かに競技場を抜け出した。彼の頭の中にはすでに次の目標が描かれていた。

『全国大会……そこで本物の強者に会うことになる』

13. 次へ向かって

数日後、スンヒョクは3・4位決定戦で勝利して全国大会進出権を手に入れた。

表彰式で3位のメダルを受け取ったスンヒョクは、観客席に向かって手を振った。セリンとジウンも明るく笑いながら一緒にメダルを掲げた。

「やった!」

「全国大会行くのよ!」

彼らの喜びは本物だった。

観客席の片隅でこの様子を見守っていたテギョムは静かに微笑んだ。

『面白くなりそうだ。全国大会』

彼も2位で全国大会進出権を得ていた。

競技場を出ながら、スンヒョクは空を見上げた。

『これから始まりだ。全国大会でチャンソプを超えてやる』

冷たい冬の風が吹いたが、スンヒョクの胸は熱く燃えていた。

全国大会は二ヶ月後、新年の1月に開かれる予定だった。

それまで、皆がそれぞれの方法で準備するだろう。

19話 終わり

第19話をお読みいただき、ありがとうございます!

今回は地域予選のクライマックスを描きました。

チャンソプの底知れない強さは相変わらずですが、不器用ながらも仲間に自分のデッキを貸し出すという彼なりの「信頼」の形が見えた回でもありました。

そして、スンヒョクもついに全国大会への切符を手にしましたね!

一時はどうなることかと思いましたが、セリンやジウンと共に一歩ずつ成長していく姿には、作者としても感慨深いものがあります。


次なる舞台は一月、新年の幕開けと共に始まる「全国大会編」です!

さらに強大なライバル、そして新たなカードたちがスンヒョクを待ち受けています。

ここまで応援してくださり、本当にありがとうございます。

「全国大会編も楽しみ!」と思っていただけたら、ぜひ【評価】や【ブックマーク】で応援していただけると励みになります!

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