第10話:準決勝
ついに幕を開けた校内大会準決勝! チャンソプが「控え」に回るという驚きの決断を下す中、スンヒョクとジウンの二人は自分たちの力だけで勝利を掴み取れるのか? 徹夜で練り上げた緻密な『シナリオ』と、固く結ばれたチームの絆。スンヒョクの成長が今、戦場で真価を発揮する――!
第10話:準決勝
第1部 - 期末試験後
期末試験が終わった午後、教室の片隅で、スンヒョクは相変わらず手に握ったローランのカードを見つめていた。机を囲んだ友人たちが尋ねた。
「スンヒョク、試験どうだった?」
「ああ……まあまあ。予想通りだよ」
「これで残りは二試合! 二試合勝てば市大会進出だぜ」
その瞬間、チャンソプが静かにスンヒョクを見つめながら口を開いた。
「今度の準決勝、お前が中心にならなきゃいけない。残りの二試合、お前がどれだけ成長したか見せてくれ」
スンヒョクは頭を下げた。
「チャンソプ、お前は出ないのか?」
「俺は控えでいる。お前たち二人ならできる」
しばらく沈黙が流れた。チャンソプは目を細めて言葉を続けた。
「今がチャンスだ。お前の実力を証明できる」
スンヒョクは目を上げて彼を見た。
「もし俺たちが校内大会で優勝したら、その時はどうするんだ? 俺たち三人とも市大会に出ることになるんじゃないのか?」
チャンソプは頷いた。
「そうだな。だからお前たちが準決勝と決勝を勝たなきゃいけない。危機的状況が来たら俺が投入されるだろうが……基本的にはお前たち二人でやり遂げるんだ」
彼の口調は冷静だが明確だった。
「今だ。お前がどれだけ成長したか見せる時間だ」
スンヒョクは再びカードを見つめた。指先が震えた。
『そうだ……今回は俺が中心にならなきゃ。俺のやり方で、必ず証明してみせる』
第2部 - 準備
ジウンは廊下の端で一人座っているスンヒョクを見つけて、そっと近づいた。彼の肩はやけに落ち込んでいて、手には相変わらずローランのカード一枚が握られていた。
「スンヒョク、食事はちゃんと摂ってる?」
ジウンが静かに尋ねる。
スンヒョクは顔を上げずに答えた。
「うん、大丈夫。簡単にでも食べてるよ」
ジウンは安堵して言葉を続けた。
「よかった。体調管理しっかりしなきゃね」
だがスンヒョクは顔を上げてジウンをまっすぐ見つめた。
「今の俺には準備が一番大事なんだ。残りの二試合、そして市大会進出。それが全てなんだ」
しばらく沈黙が流れた。スンヒョクは再びローランのカードを見つめながら小さく言った。
「チャンソプは準決勝も、決勝も……控えでいるつもりだ。直接出ないで。代わりに……俺たちを信じてる。俺たちがやり遂げるって」
その信頼が重い荷物のように肩を押さえつけた。だがスンヒョクは目を閉じて開き、歯を食いしばった。
「大丈夫。俺はできる。俺たちのチームがどれだけ強いか……見せてやる」
彼は手に握ったカードをしっかりと握りしめた。
「ローランと俺たちのチームワークがあれば勝てる。必ず」
準決勝を前にした教室、全ての騒音が遠ざかっていくようだった。
「うまくできる。最善を尽くせば……必ず勝てる」
チェ・スンヒョクの目に再び火が灯り始めた。
第3部 - カード収集
スンヒョクは期末試験が終わるとすぐに、本格的に「アリーナオンライン」のカードに集中し始めた。お小遣いや間食費を節約して貯めたお金でカードを集め、夜になると中古取引サイトを探して合理的な価格のカードを収集した。
すぐに彼の手帳はカード名簿と相場でびっしりと埋まり、自分に合わないカードが目に入ると、彼は考えを変えた。
『これは俺の戦略に合わない……これも使う機会がないし……』
彼は中高生コミュニティでカード数枚を出品し、間もなくDMが殺到した。
「兄貴、このカード実物ですよね?」
「わあ、この価格ならいいですね!」
スンヒョクは正直に返信を送った。
「実物だよ。状態もいい。俺が使わないカードだから売るんだ」
中学生とは合理的な価格で取引し、小学生にはもう少し安く譲った。
「兄貴、これ本当にいいカードですか?」
「うん、いいカードだよ。大切に使って」
彼らが喜んで帰ると、スンヒョクは小さく微笑んだ。
『みんな満足してくれてよかった』
その日の下校途中、学校の塀の向こうから誰かがその様子を見守っていた。
セリンだった。相変わらず制服のシャツの袖を捲り上げたまま、ゆっくりと歩いていた彼女は、路地でカード取引を終えたスンヒョクを見て静かに近づいた。
「わあ、チェ・スンヒョク。今度は取引までするようになったの?」
スンヒョクは驚いて顔を上げた。セリンは微笑みを浮かべながら腕を組んでいた。
「……うん。必要なカードを買って、使わないカードを売るんだ。合理的にね」
スンヒョクは淡々と答えた。
第4部 - 生徒会長選挙
一方、同じ時刻、校内放送では生徒会長選挙の結果が流れていた。
「2026年度1年生生徒会長当選者、1年7組パク・チャンソプ」
放送の最後に短い拍手の音が流れ、チャンソプは職員室の前で淡々とした表情で当選の挨拶をしていた。
スンヒョクはまだその事実を知らなかった。
「おい、チャンソプが生徒会長に当選したって。お前のチームメイトだろ? 行ってお祝いぐらいしてやれよ」
セリンが言った。
「お前、落選したのか?」
スンヒョクが尋ねるとセリンは頷いた。
「うん。残念だけど仕方ないわ」
スンヒョクは静かに彼女を見つめてから、心から言った。
「残念だな。先輩もうまくやれただろうに」
そしてすぐに話を変えた。
「それはそうと、いいカード持ってる? 戦略立てるのに必要なやつ」
セリンは目を細めた。
「準決勝の準備で忙しいのね」
「うん。最善を尽くさなきゃいけないから」
セリンは鞄の中からカードチップを取り出して見た。
「ジャンヌ・ダルクのカード一枚ならあるわ。これ必要?」
「いいね。じゃあ俺のカードと交換しよう」
スンヒョクは慎重にスリーブに入れたカードを取り出して彼女に見せた。
「これでローランを強化できる」
セリンは感嘆して言った。
「あんた本当に頑張るのね。これなら準決勝も十分できるわよ」
彼女がカードを渡すと、スンヒョクはノートを開いた。
その中にはカードの能力値数値、チーム戦術分析、予想シナリオAからFまでびっしりと書かれていた。
セリンが驚いて尋ねた。
「これ全部あんたが書いたの?」
「うん。相手チームを分析して、俺たちの戦略を立ててるんだ」
「すごいわね……」
第5部 - 夜遅くの準備
その日の午後、近くのカフェの片隅。
スンヒョクはアイスアメリカーノ一杯を置いて、何時間も筆記を続けていた。
ペンはすでに擦り減り、紙は集中した痕跡で満ちていた。
ジウンが近づいて尋ねた。
「おい、腕痛くないのか?」
スンヒョクは頷いて答えた。
「ちょっと疲れてはいるけど……シナリオを完成させなきゃ。準決勝でどんな状況が出るかわからないだろ」
彼の目には疲労が見えたが、まだ集中力は残っていた。
ジウンが静かに手を伸ばしてエナジードリンクを取り上げた。
「もう飲むな。お前今すごく疲れてるように見える」
スンヒョクは掴んで抵抗した。
「まだ整理できてないって……!」
だがジウンが強制的に缶を取り上げると、彼はため息をついた。
「わかった……ちょっと休むよ」
そして突然ローランのカードを確認してつぶやいた。
「ちょっと待って……この組み合わせは……」
カードを慎重に筆箱の中に入れた後、机に突っ伏した。
「ちょっと目をつぶって……また続きやる……」
数秒経たないうちにそのまま眠ってしまった。
第6部 - チームメイトの視線
ジウンが窓際で眠っているスンヒョクを見ていた。その隣に座ったチャンソプが静かに近づいた。
「なんであんな風に寝てるんだ?」
チャンソプが尋ねた。
ジウンがため息をついて言った。
「あまりにも頑張りすぎて疲れたみたい。徹夜で準備したんだと思う」
チャンソプは頷いてスンヒョクの筆箱をちらっと見た。その中に挿さっているローランのカードと何枚かのカードが目に入った。
「カードの組み合わせたくさん研究したな。能力値もかなり上げてる」
ジウンが少し笑って言った。
「シナリオもAからFまで全部書いてたよ。お前の机の上に置いといた」
「そうか? 後で確認してみないとな」
チャンソプは眠っているスンヒョクを見つめて言った。
「かなり成長した。これなら準決勝も十分できる」
「でしょ? 俺たちのチームよくなったよ」
ジウンは微笑んで言った。
しばらくして、スンヒョクが辛そうに目を開けた。
「うう……どれくらい寝てた……?」
「30分くらい? ちょっと休んだんだから、もう家帰ってぐっすり寝ろ」
ジウンが言うとスンヒョクは頷いた。
「うん……そうするよ」
チャンソプが静かに言った。
「シナリオよく見た。準備たくさんしたな。明日の準決勝、うまくできるはずだ」
その言葉にスンヒョクは小さく微笑んだ。
「ありがとう。最善を尽くすよ」
第7部 - 準決勝当日
翌日、準決勝の試合が始まった。
チャンソプは控え席に座って試合を見守っており、ジウンとスンヒョクが先発として出た。
「よろしく頼むよ」
「うん、一緒に行こう」
二人は手を合わせて試合場へ向かった。
試合が始まると、スンヒョクが準備した戦略がそのまま展開された。
相手チームのパターンを正確に分析し、それに合わせたカードの組み合わせを準備した。
ジウンが先攻し、スンヒョクがその隙を突く連続攻撃。
前夜まで作成したシナリオ通りに流れた。
相手チームが予想パターンで防御すると、スンヒョクは落ち着いてローランを出した。
「今だ」
ローランの一撃が相手の核心を崩した。
控え席で見守っていたチャンソプが小さく微笑んだ。
『うまくやってる。シナリオ通り正確に』
試合はどんどんスンヒョクとジウンに有利に流れていった。
最後の攻撃が入り、相手チームの防御線が崩れた。
勝者:1年7組
第8部 - 決勝進出
試合が終わるとジウンが手を高く上げた。
「やった!」
スンヒョクも安堵のため息をついて微笑んだ。
「俺たち……本当にやったな」
チャンソプが近づいて肩を叩いた。
「よくやった。シナリオ通り正確に実行した」
「ありがとう、チャンソプ」
三人は一緒にベンチに戻ってきた。
「これで残りは……決勝だ」
ジウンが言うとスンヒョクが頷いた。
「うん。あと一試合」
チャンソプが静かに言った。
「決勝もお前たち二人でできる。今みたいにやればいい」
スンヒョクは手に握ったローランのカードを見つめた。
『あと一試合。俺たちのチームなら……できる』
第9部 - 休息
その日の夕方、スンヒョクは家でベッドに横たわり天井を見つめた。
全身が疲れていたが、心は満たされていた。
『今日……本当によくやった。俺たちのチームが一緒に勝ったんだ』
手首のスマートウォッチを見つめた。
決勝戦の日程が表示されていた。
『来週……決勝』
しばらくして、ジウンからメッセージが来た。
「今日お疲れ様! 決勝もファイト!」
スンヒョクは微笑んで返信を送った。
「お前もお疲れ。一緒に頑張ろう」
チャンソプからもメッセージが来た。
「今日の戦略完璧だった。このまま続ければ決勝も問題ない」
「ありがとう。最善を尽くすよ」
スンヒョクはスマートフォンを置いて再び天井を見つめた。
『決勝……俺たちのチームならできる』
そう思いながら目を閉じた。
明日は十分休んで、また準備しよう。
決勝に向けた最後の準備が始まった。
第10部 - 次へ向かって
翌日学校、スンヒョクは教室に入ると友人たちの祝福を受けた。
「わあ、準決勝勝ったんだって? すごいな!」
「決勝もファイト!」
スンヒョクは照れくさそうに笑って頭を下げた。
「ありがとう。チームメイトのおかげだよ」
ジウンが近づいて尋ねた。
「昨日ぐっすり寝た?」
「うん。久しぶりによく寝たよ」
「よかった。決勝の準備はゆっくりやろう。無理しすぎないで」
「わかった」
チャンソプも席に座って言った。
「決勝の相手分析は俺が手伝うよ。一緒に準備しよう」
「本当? ありがとう」
三人は一緒に机に集まって座り、決勝の準備を始めた。
今回は一人じゃなく、一緒に。
そうやってチームはどんどん固くなっていった。
【第10話 終わり】
第10話をお読みいただきありがとうございます!
今回はスンヒョクの目覚ましい成長が描かれた回でした。ただのプレイヤーから戦略家へ、そして頼もしいチームメイトへ。カード収集や取引、そしてAからFまで準備した予想シナリオまで……彼の情熱が勝利を導く姿は、書いていて私も胸が熱くなりました。
チャンソプが生徒会長に当選したというニュースも、今後のチームにどう影響するのか気になるところですね。
さて、次はいよいよ決勝戦です! この勢いのまま頂点に立てるのか、ぜひ最後まで見守ってください!




