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第一話:転生してもロックだぜ

どうもこんにちは!またまた新作です!今度は初めて異世界モノを書いてみることにしました。私のメタルへの情熱を詰め込んだ作品となっておりますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

 私は酸素マスクに覆われた鼻と口で、ゆっくりと息を吸って吐きながら、ただぼーっと白い天井を見つめた。体が冷たい。夏なのに、汗が一滴も出ない。病衣は乾いたままだ。


 ああ…もう死ぬのか。


 私は横を向き、点滴の針が刺さっていた腕を、ベッドの側にあるテーブルに向かって伸ばした。そして、乾燥した手で、額縁に入っていた一枚の写真に触れた。私が昔、三人のバンドメンバーと一緒に撮った、初ライブの記念写真だ。みんな革ジャンや破れたジーンズのようないかつい服を着ていて、髪も所々染めていた。そういえば、あの時は私も髪があったんだな。腰まで伸ばしてストパーをかけた髪を、ヘドバンしながら思いっきり振り回すのは楽しかったな。


 私は深くため息をついた。あの頃は本当によかったのにな。バンドが解散した後は、みんな違う道を進んで、会うこともなくなった。両親と同様、お見舞いにも来てくれなかった。最後にもう一度だけ、みんなに会いたかったな。


 涙で視界が霞んできた。あーあ…このまま終わっちゃうのか。どうせこんな人生だし、悔いなんてないと思っていたけど…やっぱ後悔ばかりだ。もっと思い出を作っておけばよかった。みんなとちゃんと話せばよかった。あの時付き合ってた彼氏にも、迷惑かけてごめんって言えばよかった。


 死にたくないな…まだ、やり残したことがたくさんあるのにな。そう思いながら、私はそっと目を閉じ、溜まっていた涙がポロリと流れた。


 生まれ変わったら、またデスメタルバンドやりたいな……


 ーーー


「ガルシャ〜!ガルシャ〜!!」


 私は重い瞼を開け、枕にうずめていた顔をゆっくりと上げた。また前世の夢か。どんだけ未練タラタラなんだ、私は。


「ガルシャ〜!起きなさ〜い!遅刻するわよ〜!」


 私は母の声を聞いて我に返り、バッと起き上がった。そして手の甲で涎を拭いながら、「は〜い!」と返事をした。


 ガルシャ…それが私の新しい名前だ。どうやら私は、異世界に転生してしまったらしい。前世の記憶が完全に残っていたため、最初はかなり混乱したが、割と早く順応できたような気がする。一応、まともな日常生活を送れるくらいには。


 私は寝巻きを脱ぎ捨てた後、寝室の隅にあるタンスの引き出しを開け、制服である白いシャツと、裾に金色の模様が描かれた灰色のスカートを取り出した。現在、私は17歳で、このミューゼという町ではそこそこ有名な学校に通っている。勉強もしっかりやっているし、友達も一人くらいはいる。前世の学園生活と比べたら、至って健全だ。


「ガルシャ〜!早く降りてきなさい!」


 やっと制服を着た私は、鏡の前で、襟に細く赤いリボンを結びながら、「今行く!」と言い、ボサボサになっていた黒髪をブラシで適当に整えた。前髪ぱっつんのウルフカットという、この世界では珍しい髪型だ。そして急いで階段を降りると、そこには、台所で食器を洗っている母と、食卓で本を読んでいる父がいた。


「遅いわよ!朝ご飯冷めちゃうじゃない!」と母は言った。四十代前半の彼女は、私と同じ黒い髪を持ち、いつも素朴な茶色のワンピースの上に赤いエプロンをつけていた。前世の母親より百倍優しく、料理も世界一美味しい。


 私は慌てて席につき、「ごめんごめん!」と言いながら、すでに食卓の上に置かれていた目玉焼きとベーコンを頬張り始めた。


 向かいに座っていた父はニヤリと笑い、「相変わらず寝坊すけさんだな。朝飯先に食べちまったぞ。」と言った。母より3歳年上である彼の茶髪は、私よりもボサボサで、紺色のシャツや黒いネクタイも全く整っていなかった。


 私はベーコンをかじりながら彼を睨み、「父さんは徹夜でしょ?不公平じゃん。」と言った。


 父は眼鏡を指でスチャッと上げ、「仕事熱心と言ってくれ。」と言った。


「偉そうに…体壊しても知らないよ。」


「お気遣いどうも。」


「こら!無駄話してないでさっさと食べる!」と母が言うと、父は「おっと」と言って読書に戻り、私は残りの目玉焼きとベーコンを急速で平らげた。


 そしてガラスコップに入っていた牛乳を一気飲みした後、「ごちそうさま!行ってきま〜す!」と言いながら立ち上がり、玄関へと向かった。


 母は私の方を向き、「行ってらっしゃい!」と言った。


 だが靴を履き、茶色い革の鞄を肩にかけてドアを開けたその時、父が後ろで、「おい、ガルシャ!ゲテア忘れてるぞ!」と言った。


 私は「あっ…!」と言って引き返し、玄関の横のクローゼットに入っていた黒いケースを手に取った。危ない危ない。一番大事な物を忘れてしまうところだった。


 ずっしりと重たいケースを背負いながら、「ありがとう、父さん!行ってきます!」と言って外に出ると、父は「おう。行ってらっしゃい。」と言って私を見送った。


 ーーー


 ミューゼは、このレガトルス王国の東側にある小さな町であり、「音楽の町」と呼ばれている。砂色の石畳の道を走り、屋根が魔女の帽子のように尖っている家や、おしゃれな看板をかけている店の間を通っていると、必ずどこかから音楽が聞こえてくる。この町には吟遊詩人や楽団が多く、彼らが奏でる音色は、私の日頃のBGMになっている。


 様々な種族の住民達にぶつからないように気を配りながら、町の中を駆け抜けていると、いつも通り過ぎている、木でできた小さなパン屋から、オーナーのヘンデルさんが顔を出していた。彼は相変わらず、白いシャツの上にオリーブグリーンのエプロンをつけており、その大きな手には小麦粉が付いていた。


 彼が私に手を振り、「おお、ガルシャ!おはようさん!」と言うと、私は一旦立ち止まり、「おはようございます、ヘンデルさん!」と返した。


「今日も遅刻ギリギリか?」


「はい…残念ながら…」


「パン焼いて待ってるから、しっかりやれよ!」


 私は微笑みながら、「はい!」と言い、先を急いだ。


 しばらく走り続けると、数メートル先の大きな石の建物が見えてきた。その形はまるで古い城のようであり、それぞれの棟の上部に大きな時計があった。そこに書かれた数字は、私が元いた世界とは異なるものだ。


 そして、開始5分前の鐘の音が鳴り響いた。


 私は「ヤバっ…!!」と呟いてスピードを上げ、学校に通じる、そこそこ長い坂を登った。そのてっぺんに辿り着き、急ぎ足で校舎へ向かう他の生徒達が視界に入った時、私はゼーゼーと呼吸しながら、「間に合った〜…」と言った。


 すると、背後から、「あ!ガルシャちゃん!おはよう〜!」という声が聞こえた。振り向くと、そこには親友のメリルがいた。同じ制服を着ていた彼女は、私と違って、人間ではなく獣人である。現に、彼女のピンクベージュのツインテールの間からは、狼のような耳がぴょこっと生えており、スカートの後ろからはフサフサの尻尾が出ていた。


 私が歩きながら、「おはよう。珍しいね、メリルが遅刻ギリギリなんて。」と言うと、彼女は耳を垂らしながら私にしがみつき、「そうなんだよ〜!昨日、古文の課題やってて眠れなくて〜…」と言った。


 その瞬間、私はピタッと固まり、「え?課題?」と言った。


「もしかしてガルシャちゃん…また忘れてた?」


 数秒間の沈黙の後、私は両手で頭を抱え、「クソ〜〜っ!!ゲテアの練習してて頭から完全にすっぽ抜けてた!!また先生に叱られる〜!」と言った。


 メリルはニコニコと笑いながら、「ガルシャちゃんは本当に音楽が好きだね〜」と言った。


 私がトボトボと校舎の中へ入っていくと、メリルは隣で私の頭を撫でながら、「よしよ〜し。今日、3限目音楽だから元気出しなよ。」と言った。


 それは非常に楽しみだが、それ以外の授業が問題なのだ。一応勉強は一生懸命やっているのだが、言語が私の世界と違うため、どうしても付いていけないのだ。言葉を覚えるのも、人より少し遅かったと母が言っていた。見ての通り、私の思考は全て日本語なのだから。


 大学の講義室のような教室で、先生が黒板を文字で埋め尽くしながら古文の授業を行なっていると、私は自分のノートのページを見つめたまま、徐々に船を漕ぎ始めた。ダメだ…まるで言葉が頭をすり抜けていくようで、全然集中できない。それに、授業自体が堅苦しくて、眠たくなるくらい退屈だ。実際、居眠りをする生徒は私だけではない。ほんの少数だが。


 私がいよいよ机に頭を伏せてしまうと、隣に座っていたメリルは私の肩を揺らしながら、「ガルシャちゃん!」と小声で言った。


 すると、先生が定規で教壇を強く叩き、「こら、そこ!授業中に寝るなと何度言えばわかるのだ!」と大きな声で言った。


 私はその二つの音に驚き、ビクッとして頭を上げた後、慌てて「すみません!!」と言った。


「課題も忘れた上に居眠りとは…罰として、明日までに5000文字の論文を提出せよ!」


 私が絶望の表情で「えぇ〜〜〜!?」と言うと、周りにいたメリル以外の生徒がクスクスと笑い出した。


 ーーー


 なんとか古文の授業を終え、2限目の科学の授業も乗り越えた後、ようやく気分が上がり始めた。なぜなら、3限目は私が一番好きな授業だからだ。


 音楽室は他の教室と違って机がなく、椅子がたくさんあるだけだった。隅っこには、私の世界の学校のようにピアノ…ではなく、プエレがあり、壁にずらりと並んでいた楽器のケースには、それぞれ番号が書かれていた。私のゲテアも、ここで借りている物であり、いつも先生の許可を得て持ち帰っているのだ。そこまでするのは私だけらしい。一応、ミューゼでは音楽は必修科目だが、本気で学ぼうとする者はほんの一握りのようだ。そこら中にいる演奏者も、学校で音楽を学んだわけではなく、ほぼ独学で、ただ自由に音を奏でているだけなのだ。確かにそれも悪くなさそうだが、私はできれば学生としての権利を活かして、能力を高めたいと思っている。


「は〜い、みなさん!今日はゲテアの練習ですよ〜!張り切っていきましょう〜!」


 その陽気な声の主は、音楽教師のムジカ先生だ。四十代くらいの明るい女性であり、いつもターコイズブルーのスーツとスカートを着て、薄い紫色の髪をお団子にしていた。個人的に、この学校で一番優しい先生だと思う。


 私を含め、生徒達は皆、自分の番号が書かれたケースを持って椅子に座り、中の楽器を取り出して調弦していた。古代の弦楽器に似た、フォークソングなどに使えそうな音が、部屋中に鳴り響いた。説明しよう — ゲテアとは、この世界のギターのような物だ。形は三味線に似ているが、弦が6本あり、弾き方はギターとほぼ一緒だ。だから私も、最初に覚えるのはそんなに難しくなかった。ただ…


「じゃあ、まずはガルシャさんから!この前紹介した曲を弾いてみてください。」


 窓際の丸椅子に座っていた私は、自信に満ちた表情で、「はい!」と答えた。よし…特訓の成果を見せる時だ。昨日も何時間も練習したのだ。失敗するわけがない。


 私は深呼吸をし、弦にピック…ではなく、クタを当てた。そして、心に身を任せ、自然に音を奏でた。しかし、それは普通のゲテアの音とは違い、ものすごく強烈で、まるで電気が通っているかのような刺々しい音だった。メリルを含め、周りにいた全ての人間が、驚いた顔で私を見つめていた。何人かは、その鼓膜を貫くような音に慣れておらず、耳を塞いでいた。だが、私は何も考えずに楽しんでいた。なぜなら、これは私にとって、とても馴染み深い音だから。


「ガルシャさん…」


 突然、ムジカ先生が私の肩に手を置き、名前を呼んだ。私はハッとして我に返り、演奏を中止した。


 ムジカ先生は苦笑いをしながら、「モルフは使わないように、って言いましたよね?」と言った。


 私は自分がしたことに気づいて、口を大きく開き、頬を赤らめながら、「あっ…す、すみません!!」と慌てて言った。


 そう…私は、一般人がなかなか習得できない、レアな魔法が使えるのだ。『モルフ』という、五感で感じられるものを変化させる魔法。私の場合、音を変化させることができる。だからゲテアを弾く時、アンプも繋いでいないのに、エレキギターのような音を出してしまうのだ。最初にゲテアを弾き始めた頃は、抑えが効かなくて、母によく注意された。これは誰も聞いたことがないような音だから、不審がられないように気をつけろ、と。きっと、私が罵倒されて蔑まれるか心配だったのだろう。実際、近所の子供達に何度か笑われたこともある。


 なぜこの魔法が使えるのか、自分でもよくわからない。ゲテアを初めて手に取ったあの日、突然使えるようになったのだ。まるで、体が前世の感覚を取り戻したがっているかのように。異世界転生者の特別スキルのようなものなのだろうか。とにかく、今後は気をつけなければ。ここは、私の音を奏でられる世界じゃないんだ。これ以上恥をかかないように、一刻も早くこの癖を直さなければ。


 ーーー


 日が沈み始め、下校時間になると、私はゲテアを背負った状態で、ため息をつきながら坂を下った。


 隣で歩いていたメリルは、私の背中を撫でながら、「元気出してよ〜、ガルシャちゃん。私はガルシャちゃんの音、かっこいいと思うよ。」と言った。


「メリルはいつもそう言ってくれるけどさ…実際、変な音じゃんか。明日絶対また誰かに陰口叩かれるよ…」


「そういうのは気にしなくていいんじゃない?自分だけの音楽を奏でられるのが、この町のいいところだもの。」


「それでも…ダメなんだ。」


 俯いてそう言った私は、諦めの笑みを浮かべた。そう、私は上手に溶け込まなければならないのだ。でないと、せっかく手に入れた平和な日常が、崩壊してしまう。この幸福を失うことが…また、一人になってしまうことが…たまらなく恐ろしい。


 メリルは心配そうな表情で、「ガルシャちゃん…」と呟いた。


 するとその時、数メートル先から怒鳴り声が聞こえた。これは…ヘンデルさんの声だ。


「お前達、ふざけるんじゃないぞ!」


 道のど真ん中にできていた人だかりに近づいてみると、彼のその言葉が、猪のような顔をした三人のオークに向けられていたことがわかった。一人はかなり図体が大きく、裸の胴体の上に赤い上着だけを纏っていた。もう一人は頭の上にたてがみが生えており、紺色のシャツを着ていた。そして一番小柄な三人目は、他の二人と違って牙が生えておらず、緑色のローブで体を覆っていた。


 大型のオークはニヤリと笑い、凶悪な目つきで、「別にふざけてなんかいねえさ。パンが不味かったから金を返してほしいと言ってるだけだろ?何が問題だ?」と言った。


 たてがみの生えたオークは、彼の後ろから、「そうだぞ!親分の食事を台無しにした罪を償いやがれ!」と言い、小柄なオークは無表情で、「ブヒ、ブヒ」とだけ言った。


「いい加減にしろ!たったそれだけの理由でうちの弟子に手を上げ、金をたかるなんて…どうかしてるぞ!」


 そう言ったヘンデルさんの横に立っていたのは、赤く腫れていた頬を手で押さえていた若い男性だった。


 大型のオークは指の関節を鳴らし、「なら、力づくで返してもらうしかねえなぁ…」と言った。


 メリルはそれを見て目を丸くし、「大変…!!」と言った。


 だが、先に動いたのは、彼女でも他の住民でもなく、私だった。


 メリルは驚いて「ガルシャちゃん!?」と言ったが、私は止まらなかった。こんな不条理、納得できない。理不尽に人を傷つける奴は、誰であろうと許さない。


 私はヘンデルさんとオークの間に入り、「やめてください!自警団を呼びますよ!」と言った。


 ヘンデルさんは私の肩を掴み、「ガルシャ!?何してるんだ!危ないから下がってろ!」と言った。


「何だ、小娘?オレ様に指図する気か?」


 大型のオークはそう言って、その大きな腕で私を払った。


 私が声を上げながら地面に倒れると、メリルは「ガルシャちゃん!!」と言って駆けつけた。


「フン…外野は引っ込んでろ。」と大型のオークが言うと、たてがみの生えたオークが「引っ込んでろ、引っ込んでろ!」と言い、小柄なオークが「ブヒ〜!」と言った。


 ヘンデルさんは怒りの表情で袖をまくり、「この野郎…!!覚悟しやがれ!!」と言いながらオークの方へ突進した。


 そして二人の強烈な押し合いが始まると、周りの人々がどよめき、メリルは私の腕を引っ張りながら、「まずい…!早く離れないと!」と言った。


 しかし、私はどうしても諦められなかった。私は歯を食いしばり、咄嗟にケースからゲテアを取り出して立ち上がった。


 メリルは目を丸くし、「ガルシャちゃん…!?何を…」と言った。


 私はスゥ〜と息を吸い、クタを思いっきり振り下ろした。そして、教室で弾いた歌の何倍も強く、一際騒がしい音を鳴らした。まるで稲妻のような前奏が、大地を揺らし、他の音を全てかき消した。ヘンデルさんとオークを含め、周りにいた全員がピタッと固まり、こちらを向いた。学校のみんなと同じ、驚いた顔をしていた。でも、私の心はもう、燃えてしまっていたのだ。


 すると私は、もう一度息を吸い、全力で叫んだ。嵐のように激しく、獣の唸り声のように威圧的な叫びを、喉の奥から解き放った。そしてその人ならざる声で、たくさんの言葉を弾丸のように連射した。これらは全て日本語であるため、翻訳してお伝えしよう —


「全知全能!!天上天下!!魂に勝るものなどなァァァい!!


 森羅万象!!知ったこっちゃねえ!!ロックは全てを打ち砕ァァァく!!


 理想!!幻想!!全部ぶち壊してやる!!


 妄想!!逃走!!尻尾巻いて逃げろ!!


 ファッキュウゥゥゥウウウッッ!!」


 音の嵐は止み、私はクタを握る拳を天に突き上げた状態で、ゼーゼーと呼吸した。周囲は完全に沈黙に包まれ、全員が石化したかのように固まったままだった。


 どうしよう…すごく気持ちいい。全身の細胞が、歓喜の声を上げている。まるで、初めて自由を手に入れた奴隷のように。


 ああ…最高にロックだぜ…!!


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