表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈落の影  作者: ナラク
11/12

第11章-2: 配下たちの激突


ヴァンタリアの町が業火に包まれ、住民たちの悲鳴が響く中、風帝の城内では、彼の配下たちが一斉に動き始めた。疾風、嵐牙、そして風刃の三人が城の外壁へと急行する。

「このまま奴らに町を蹂躙させるわけにはいかない!」疾風が息を切らしながら叫んだ。

「風帝様のために、ここで奴らを止めるんだ!」嵐牙が弓を握り締め、冷静に周囲を見渡した。

「風の加護があれば…勝てる!」風刃が双刀を構え、決意を胸に前進した。

一方、桜音の配下たちも動き始めた。烈火が大剣を引き抜き、氷華が長槍を構え、影虎はその姿を闇に溶け込ませた。

「先に奴らを片付けてしまうか?」烈火が挑発的に笑みを浮かべた。

「油断はするな。風帝の配下は侮れない。」氷華が冷静に忠告した。

「いいや、楽しもうぜ。」影虎が低く囁き、影の中から鋭い目を光らせた。



嵐牙 vs. 氷華

嵐牙の矢は再び氷華に向かって飛び出した。しかし、氷華は冷ややかな視線を嵐牙に向け、槍を振るうだけでその矢を弾き飛ばした。

「風の力など、氷の前では無力だ。」氷華は低く呟き、槍の先を地面に向けた。

その瞬間、嵐牙の足元から冷気が吹き出し、彼の足を一瞬で凍らせ始めた。嵐牙は驚愕し、素早くその場から逃れようとしたが、氷はすでに彼の片足を完全に包み込み、動きを封じていた。

「何だ、この…氷…!」嵐牙は必死に足を引き抜こうとしたが、凍りついた足はまるで地面に固定されたかのように動かなかった。冷気が骨まで浸透し、足の感覚が徐々に失われていく。

氷華はその様子を冷徹に見つめ、「逃げられると思うな」と静かに言い、槍を再び振り上げた。次の瞬間、槍が空を切り裂き、嵐牙の凍りついた足を狙って振り下ろされた。

「やめろ…!」嵐牙が叫んだが、その声は氷華には届かなかった。

氷華の槍が嵐牙の足に直撃し、凍りついた足は粉々に砕け散った。骨と皮膚が一瞬にして砕かれ、氷の破片と共に地面に散らばった。砕けた足の残骸からは、血が噴き出し、氷と混じり合って赤く染まった。

「う…ぐああああ!」嵐牙は激痛に顔を歪め、絶叫した。目は血走り、痛みに耐えきれずその場に崩れ落ちた。彼の顔には、痛みと恐怖が入り混じった表情が浮かんでいた。

「痛い…痛い…なんで…!」嵐牙は自分の足元を見下ろし、砕けた片足の残骸を見て言葉を失った。もはや立つことすらできず、彼は地面に這いつくばるようにして必死に動こうとしたが、痛みが全身を貫き、そのたびに苦しげなうめき声を上げた。

「これが氷の力だ。」氷華は冷酷な声で言い放ち、槍を振り上げたまま嵐牙を見下ろした。「お前の命も、ここで終わる。」

嵐牙の意識は次第に遠のき、視界がぼやけていく中で、氷華の冷たい瞳が彼の最後の視界に映り込んだ。

「…許して…」嵐牙はか細い声で呟いたが、その願いが叶うことはなかった。

氷華の槍が再び振り下ろされ、その刃が嵐牙の胸を貫いた。血が吹き出し、彼の身体が痙攣するが、その動きもやがて止まり、彼の命は絶えた。




疾風 vs. 烈火

ヴァンタリアの町が燃え盛る中、疾風と烈火の二人は激しくぶつかり合っていた。疾風の日本刀は風を纏い、烈火の大剣は炎を纏っていた。二人の攻撃が交錯するたびに、火花と風が激しく弾け、周囲の建物が震えた。

「これ以上、お前たちの好きにはさせない!」疾風が叫び、日本刀を振り下ろした。

烈火はその一撃を大剣で受け止め、ニヤリと笑った。「いいぞ、その調子だ…だが、まだ足りない!」

烈火の炎が疾風の刀を包み込み、熱波が疾風の顔に押し寄せた。彼の皮膚が焼け焦げ、焦げ臭い臭いが鼻を突いた。疾風は痛みに顔をしかめながらも、烈火を睨みつけた。

「くっ…!」疾風は激しい痛みをこらえ、風の力を全身に纏わせた。彼の刀が疾風の名にふさわしく、風と共に疾走し、烈火に襲いかかる。

「面白い!」烈火が叫び、さらに炎を強めた。彼の剣から放たれる炎が疾風に迫り、その皮膚をさらに焦がしていく。炎が疾風の袖を焼き尽くし、肌を蝕んでいくが、疾風は一歩も引かなかった。

二人は互いに激しく斬り合い、攻撃と防御が交錯するたびに、激しい風と炎が町を飲み込んでいった。建物が崩れ落ち、瓦礫が飛び散り、視界は煙と火花で覆われていった。

「このままでは終わらない…!」疾風は息を荒げながらも、烈火に向かって叫んだ。

「その意気だ、疾風!だが、これが俺の最大奥義だ!」烈火が大剣を高く掲げ、炎が一層激しく燃え上がった。彼の全身が炎に包まれ、その力は周囲の温度をさらに上昇させた。炎の渦が疾風を取り囲み、彼の逃げ場を封じ込めた。

「行くぞ…!」疾風は全ての力を刀に注ぎ込んだ。風が激しく舞い上がり、彼の刀は風そのものと化した。その瞬間、疾風は烈火に向かって突撃した。

烈火もまた、炎の渦と共に疾風に突撃する。二人の間に生じた衝撃波は、周囲の建物を一瞬にして崩壊させ、瓦礫が飛び散った。視界は煙と火で覆われ、誰もがその結末を見届けることができなかった。

激しい衝撃音が響き渡り、炎と風が激突した。その衝撃で大地が揺れ、瓦礫が舞い上がり、町全体が震えたかのようだった。

そして、静寂が訪れた。煙が少しずつ晴れ、崩れ落ちた建物の瓦礫の中から、ようやく一人の姿が現れた。

辛うじて立っていたのは…烈火だった。彼の身体もまた傷だらけで、肌は焦げ、息も荒くなっていたが、彼はなおも大剣を手に立ち続けていた。

疾風は瓦礫の中に崩れ落ち、全身に重いダメージを負っていた。彼の剣は粉々に砕け、体中が焼け焦げており、呼吸も荒く、目には未だ戦い続ける意志が宿っていた。しかし、もう一歩も動くことができなかった。

烈火はゆっくりと疾風に近づき、その様子を冷たく見下ろした。「いい戦いだった。だが、ここで終わりだ。」

疾風は痛みに満ちた表情で烈火を見上げたが、言葉を発することはできなかった。彼の視線は烈火の大剣に注がれ、その剣が徐々に振り下ろされる瞬間を悟った。

「風帝も、そしてお前も、ここで終わるんだ。」烈火は感情を一切見せず、大剣を一気に振り下ろした。

その瞬間、疾風の首が胴体から切り離され、鮮血が勢いよく噴き出した。頭部は地面に転がり、目はまだ何かを訴えかけるように見開かれたままだった。身体は力なく崩れ落ち、血の海が広がり、烈火の足元を染めていった。

「…これで終わりだ。」烈火は冷ややかに呟き、血に染まった大剣を無造作に振り払い、静かにその場を立ち去った。

烈火が立ち去る後、疾風の身体は無残にもその場に残され、血と炎の中で焼け焦げた町の一部と化していた。



影虎 vs. 風刃

燃え盛るヴァンタリアの町、その中で影虎と風刃が激しくぶつかり合っていた。影虎は双剣を手に、影の中からじっと風刃の動きを見つめ、風刃は双刀を構え、鋭い視線で周囲の動きを探っている。

「ここが貴様の墓場になるだろう。」風刃が低く呟き、双刀に風の刃を纏わせた。その瞬間、空気が一気に引き締まり、周囲の瓦礫が浮き上がるほどの力を放つ。

影虎はその動きを見極め、「風の力を過信しないほうがいい。」と静かに言い放ち、影の中へと再び姿を消した。

風刃はその動きを見逃さず、すぐに風の刃を飛ばし、影を切り裂く。しかし、影虎の姿はどこにも見えない。

「どこに隠れている…?」風刃が冷静に周囲を見渡した瞬間、背後に冷たい刃が迫る。

「ここだ。」影虎の声が響くと同時に、双剣が風刃の背後を襲う。しかし、風刃は瞬時に反応し、風のバリアを張ってその攻撃を防いだ。

「まだまだだ!」風刃が反撃に転じ、双刀を振り上げ影虎に襲いかかる。影虎はその攻撃を素早く避け、再び影の中に身を隠した。

「影に隠れるばかりでは勝てないぞ!」風刃が叫び、再び風の刃を放つ。その刃が影を切り裂くたびに、瓦礫が飛び散り、建物が崩れ落ちる。

「影はどこにでもある。お前の風では、俺を捉えることはできない。」影虎が風刃の耳元で囁いた。

風刃は驚愕し、その声の方向に双刀を振り下ろしたが、またもや影虎の姿は消えていた。影虎は風刃の攻撃が空を切るたびに姿を現し、双剣で素早い一撃を放っては再び影に戻っていく。

「くっ…どこにいる!」風刃が苛立ちを隠せず、周囲を睨みつけた。

影虎はその苛立ちを見逃さず、「焦るな、風刃。お前の風は俺には通じない。」と冷静に言い放つ。

その瞬間、影虎は地面から飛び出し、風刃の足元に狙いを定めた。風刃は飛び上がり、空中から影虎に向かって双刀を振り下ろす。

「これで終わりだ!」風刃が叫び、風の刃を放った。だが、影虎はその攻撃を読んでいたかのように、瞬時に身を翻して避ける。

「遅い。」影虎が冷たく呟き、双剣を一気に風刃に向かって振り下ろした。風刃は防御のために双刀を交差させて受け止めたが、影虎の力がそれを押し下げる。

「くっ…!」風刃は力の差を感じ、焦りが顔に浮かんでいる。

影虎はその隙を見逃さず、片方の剣を風刃の腕に向かって突き刺した。風刃は痛みに顔を歪め、その場に膝をついた。

「これで終わりか?」影虎が冷酷な笑みを浮かべ、双剣を風刃の喉元に突きつけた。

しかし、風刃は最後の力を振り絞り、風の刃を再び放った。影虎はその攻撃を避け、再び影の中に身を隠したが、風刃の攻撃が彼の足をかすめ、深い傷を負わせた。

「やるな、だが…もう遅い。」影虎が低く呟き、再び姿を現す。

風刃は息を荒げながらも、双刀を構え直し、再び影虎に向かって突進した。影虎は冷静にその動きを見極め、双剣を振り上げて迎え撃つ。

二人の剣が激しくぶつかり合い、火花が散った。その衝撃で瓦礫が飛び散り、風が吹き荒れる中、二人は一歩も譲らずに激しい攻防を繰り広げた。

だが、次第に風刃の動きが鈍り、影虎の冷酷な攻撃が次々と彼を捉え始める。ついに、影虎の双剣が風刃の体を貫き、彼を地面に叩きつけた。

風刃はその場に崩れ落ち、血が地面に広がっていく。彼の目にはまだ戦意が残っていたが、身体はもう動かない。

「生かしてやる。」影虎が冷ややかに呟き、双剣を振り上げ風刃の腕に向かって振り下ろした。風刃の両腕は一瞬で切り飛ばされ、血が勢いよく噴き出す。

「うぐっ…!」風刃は激痛に顔を歪め、声にならない悲鳴を上げた。彼の目は涙でにじみ、その痛みに耐えながらも、命の灯火を保ち続ける。

影虎はその姿を冷たく見下ろし、「桜音様の命令だ。お前は生き延びる。それが、あの方の力を広めるための役割だ。」と無慈悲に言い放つ。

風刃は血まみれの身体で地面に這いつくばり、両腕のない痛みに耐えながらも、生きるためにあがき続けた。影虎は静かにその場を後にし、風刃だけがそこに取り残される。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ