ケシン
そうなんです
2026年10月21日
東京都の最東端に位置する舞田町。
家のベランダで宇宙を見透かすような綺麗な眼の少年が一人。
名は平戸大輝16歳、高校1年生。1年生ながらレギュラーを勝ち取り、天才かつ努力が凄く認められていて、周りからはサッカー小僧と言われている程にサッカーが好きなのである。
その少年は昨日(10月20日)の夕飯時にたまたま母親が付けていたあるテレビの特番、「宇宙ミステリーを知りたかった偉人」という少しカルトっぽい番組にゲストに出演していた、サッカー日本代表だったレジェンドの十河猛が自身がオカルトが好きと公言して熱く語ってるのを見た時に、自分の価値観が変わった。サッカーを始めたきっかけになった人物の発言を真に受けてからというもの、ひたすら空を眺めて憧れの人の思考に近づこうとしたのかもしれない。
そして・・・次の日になっても熱は止まず、授業中に窓側である自分の席で空を眺めてはクラスメイトの友達に心配され、サッカー部の部員にはレギュラーなのにずっとベンチをあためているサッカー小僧にどうしたと心配され、そしていつも隣近所に住んでるサッカー部のマネージャで幼馴染でもある七原美里と一緒に下校してる時も上の空だった。美里は、「大輝くん、今日ずっと空ばっかり見つめてておかしいよ?何か悩みでもあるの?」と、質問を投げかけても「うん。そうだね。」しか返事をしないBOTになっていた。美里はその素っ気ない反応をみて顔を膨らませて少し拗ねてしまった。こうして、大輝は可愛く拗ねている美里と互いの家の前まで何事もなく別れの挨拶ののちに家に帰った。
それからの大輝は違った。一日の使ってなかったエネルギーを放出するがの如く宇宙の文献を漁り、宇宙の広大さをテーマにした動画をみたり、宇宙の知的外生命体の怪しげな記事をちまなこになりながら読んだ。地球という星の世界の狭さを痛感し、UFOやUMAを信仰する勢いで自分の中が変わってゆくのが大輝自身感じた。何故か?16歳の多感期な少年には、あの憧れの人物の発言はあまりにも絶大過ぎる。大輝はこの時を振り返る時がくれば、気が触れている黒歴史として思い出すだろう。その時の大輝の思考はある1つの仮説にたどりついていた。「あれだけの広さであればパラレルワールドの一つや2つあるのでは?」と。
調べ物に夢中になりすぎて、大輝の母親の詩織から夕飯出来たコールを完全に無視していたので、母親が激怒して部屋に突入後、大輝は無事食卓に強制着地。大輝は1分1秒でもあの自分の知らなかった世界に突入したかったので、急いでご飯を頬張りのどに詰まらせて隣りおいてあった麦茶をがぶ飲み。その次に、大輝は思いもよらないニュースを母から聞く。「そうそう、今日ね。隣の七原の奥さんから聞いたんだけど、美里ちゃん。部活の先輩の彼氏できたらしいわよぉ?あんたもボールばっかいじってないで、色気づいて、彼女の一人や二人。つれてきなさいよ。」と、いう内容だった。大輝は衝撃のあまり飲み込んだ麦茶を吐き出して、大輝は母に「まじで?!!ホントなのかよ??!!」と、凄い剣幕で詰め寄った。母は、「なによ?!吐き出して、きたないわねぇ。美里ちゃん可愛いんだから。彼氏ができて当然でしょ?驚いてんじゃないわよ。」と、言われた。大輝は夕飯を食べ残したまま「残りはいいや。いらない。」と言い残し、自分の部屋に入ってしまった。
大輝の今の精神はとても不安定である。未知の世界への知識欲。幼馴染が突然と自分のもとを去ってしまうような感覚。大輝は行き場の失った感情を枕に叫んだ。その次の行動は大輝の中で決まっていた。そう、大輝は昔から家族ぐるみで付き合いがあり、小学校から徐々に思いが募り中学の卒業式に思いが伝えられず、なんとか同じ高校に滑り込みで入学までして、恥を捨てて今度こそはと、美里に密かに思いを寄せていた。携帯を取り美里へ連絡していた。(今、大丈夫?話があるんだ。)既読 (どうしたの?大輝。)既読 (母さんから聞いたんだけど、美里さ。サッカー部の先輩と付き合ってるんだって?)既読 (えっ?詩織さんさんが言ったの?)既読 (美里の母親から聞いたらしい、、、)既読 (あー、その話ね。違うよ。先輩に呼び出されて告白されたんだ。で、返事を保留にしたの。それをうちのお母さんに話したら、勘違いで伝わったのかな?(笑))既読 (そうなんだ。わかった。話はそれだけ。ありがと。)既読 ここでやり取りが終わった。
大輝は胸を撫で下ろした。安堵の次は、知識欲だ。上機嫌に夜空を眺めた。その隣の家の一室の電気がふと消えた。美里の部屋である。「大輝君のバカ。。。心配とかもっとほかに言ってくれてもいいじゃない。ずっと待ってるこっちの身にもなってよねっ!もう知らないっ!」と、クマのぬいぐるみの中で叫んだ。大輝と美里、この2人、案外似た者同士である。
一方その頃大輝はと言うと、ベランダで夜空に思いをはせていた。大輝の頭は単純で、さっきの出来ごとなど忘れていてさっきのぞいてたパラレルワールドの記事で一杯で合あった。「なぁ、どこかの俺はプロのサッカーでスーパースターになってるか?」とつぶやいて微笑んだ。どこかに違う可能性を持った自分。高校生には十分すぎるロマンである。にやけがとまらない。
ふとした瞬間に不思議と、大輝の目が数ある星の中の一つに意識を集中した。すると、流れ星の如く、瞬時に近所の公園の竹林にレーザーの様な何かが轟音とともに落ちていった。主人公は慌ててそちらに身体を向けた。丁度そのタイミングで隣の家の美里の部屋のカーテンが光ったので、ポケットから携帯電話を出して美里に見たものを実況した。「大輝君!!今の音、なに?!」と、美里は聞いた。大輝は興奮した声で「美里、俺はすごい現場に立ち会った!!宇宙から未確認の何かが飛来したんだよ!!」と、噛みつつ言った。その言葉を聞きつつ美里はカーテンと窓を勢いよく開けて大輝を見た。大輝は「美里、向こうだ!!」と、指をさした方向の山が燃えていた。美里は言葉を失いかけた。「なに。。。あれ。。。」何かの災厄の前触れ。そんな印象を美里は抱いていた。大輝は違った。既にベランダに居ない。思考より先に行動していた。玄関で靴を履き、母の自転車で現場に向かおうとしている。それを窓から見ていた美里は必至で止めようとした。「大輝君、危ないから行くの止めよっ。お願いだからっ!」と、言いかけてる時食い気味で大輝は「後ろに乗せてやるから来いよっ!行こうぜ!」と、言っている。美里は「もう、馬鹿!!」と言い、自転車に向った。
大輝はサッカーで鍛えた足で自転車をめいいっぱい飛ばした。美里を乗せて。「美里。しっかりつかまってろ。」と言い、飛来物が落ちた現場に向い、やっとついた。そこは大輝と美里の家から7分くらいの距離の森林公園の竹林であった。どこに落ちたかは明白。火が燃え盛っていた。そこには既に人だかり。野次馬が我見よがしにたかっていた。大輝と美里は現場の近くに自転車を置いて野次馬の目線の先に向った。大輝は野次馬をかき分けてその実物を見ようとしていた。美里は久々に見る少年の様なきらきら眼の大輝を止めるのを諦めてた。しかし、「大輝君、危なかったら逃げて。約束。」と、ため息交じりで警告。大輝は2つ返事で「うん!」と言い、人ごみに消えた。その先の火元には、黒煙が多少出ていて隕石らしき石みたいなものが転がっていた。目をさらにキラキラさせた。「隕石か?UMAか?UFOか?」と、心が踊っていた。冷静ではなかった大輝はさらに近づこうと試みて足を踏み出した瞬間目の前の景色が歪んだ。今思えばバリアか何かで景色を加工していたのかも。と、思っている。詳しくは覚えてないが踏み出した足の先に地面がなく、緑みたいな穴に落ちた。それ以降覚えていない。大輝が景色の中に落ちてゆく。そして、紫の光が天に刺さった。そして、平戸大輝はこの世界から姿をくらました。
七原美里は、泣いた。自分のした行いを悔いてその夜は涙が枯れるまで泣いた。大輝があの時冷静でなかったのは火を見るより明らか。危険な場所へ向かわせるのを髪の毛を引っ張っても止めるべきだった。そして、最も後悔しているのは、自分の思いを大輝に伝えなかったこと。あのやり取りで最後の大輝の返信に自分が返事を断るつもりだった事。大輝が今まで好きだった事を。伝えたい。しかし、大輝はもういない。おそらく、あの謎の光によって死んでしまったのだろう。何故突然現れた隕石らしき物に世界で、一番大切な者、日常を奪われなくてはならないのか。悔しくて仕方ない。目が虚ろになり、美里は世界を閉ざしてゆく。
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あの騒動から1年が経った。今はすっかり落ち着いたが、事件当初は世間では日夜このニュースばかりである。「東京の舞田町で起きた宇宙から飛来した謎の物体の爆発。その爆発により少年が一人死亡。」美里はまだ自室で塞ぎこんでいた。事件当時は大輝の通夜にすら行けない状態であった。現実を認めたくないから。
そんな日の正午頃、七原家の玄関チャイムが鳴った。美里の母親が訪問者が対応した。「はーい。どなた?」と、返事をチャイムモニターにした時、そこに映ったのは知らない顔だった。無精ひげで髪がぼさぼさの20代前半の男だった。その男は、「七原美里さんは御在宅でしょうか?ぜひお会いしたいのですが・・・」と、言った。美里の母親は「どなたかは存じあげませんが、今娘は傷心中でして、どこの人か知らない人には合わせられませんよ。お引き取りください!」と言い、モニターを切ろうとした。すかさずその男は、「お待ちくださいっ!あのっ、娘さんに(今まで伝えられなくてごめん。あの日のありがとうから俺の時計が止まってるんだ。動かすのを手伝ってくれ、美里)と、だけ娘さんにお伝えだけしてください。怪しいのは重々承知です。ですが、さっきの言葉を伝えて頂くだけでいいです!そしたら帰ります!お願いします!!」と、その男はモニターの前で土下座し始めた。美里の母親は困惑して「やめてください!」と言い、ただならぬ事情を察知して同情して「わかりました。娘に伝えるだけ伝えます。なのでお帰りいただけます?」と、あしらった。男は「ありがとうございます。突然押し掛けてご迷惑おかけしてすいませんでした。」と言い残して去っていった。母親は去る背中を見届けて、娘の部屋へ足を運ばせた。ドア越しに語りかけるように、今来た男の事と言葉を伝えた。すると、部屋の中から(ガタっ)と、物音がした。そして、部屋から美里が勢いよく飛び出してきた。母親はかなり戸惑っていた。1週間会話すらできなかった我が娘がいきなり飛び出して来たのだから。美里は母親に「その人どこ?!!」と、怒鳴る。「帰ってったけど・・・」というと同時に美里は裸足で家を飛び出していった。辺りを見渡すと、隣の家の前に男が泣きながら立ちつくしていた。
美里は、その男のもとに駆け寄った。男はそれに気づき美里を見た。「七原・・・美里・・・さんですか?」声を絞るように美里に男は喋る。美里は男の顔を見て泣き出した。そして、「はい。。。美里です。。。」答えた。男は、「こんなに変わってもわかるのかい?」と、たずねる。「うん。好きな人だもん。わか、るよ、、」と、ないている。男は、「七原美里さん。俺と結婚してください。幸せにします。」と、涙目で言う。うんと頷いてた後「おかえり。大輝っ。」美里はなにかを悟ったかのように男に歩みよった。男は「ただいま。美里。」強く抱きしめた。
大輝は眠っているような感覚。いや、正確には起きている。まるで明晰夢のような感覚に包まれていた。そこはまるで、天使の住む天界に近いような、辺り一面真っ白な空間。どこかの漫画で見た世界の真ん中で、自分は浮いているのが理解はできた。あの、事故現場からの記憶が曖昧でフワフワとした感覚。しかし、意識がはっきりとしている。不思議な感覚だ。そこにいきなり誰かの声が響いた。どこか聞き覚えのある声。「大輝、聞こえていますか?」と、問いかけられた。大輝は「誰だ。お前は!俺はさっきまで隕石みたいなのが落下した現場にいたはずだ。どこなんだよ、この白い空間は!」と、不安げな声で質問する。「ここは次元の狭間。あなたは、愚かな他の世界。すなわちあなたに分かるように言うとパラレルワールドの自分によって呼び出され、別次元に今、召喚されようとしています。」と、正体不明の何かに言われた。大輝は混乱、興奮、怒り、喜びの感情で脳がショート寸前だ。「じゃあなにか?別次元の俺が無理やり俺をその世界に呼んだってわけ?」と、震えながら言う。「えぇ。そうです。本来禁止されてる別次元への干渉を。あなたである別の人間がしてしまったのです。私も止めたのです。警告も召喚儀式の途中で再三。それをあなたが無視して強行してしまった。と、いうわけなのです。」そのあとにため息が漏れているのが聞こえた。大輝がこの状況を理解して納得するのには情報量が多すぎた。「別次元の俺?召喚された?あー、わけわかんねぇ!」と、いいつつこの理不尽な行いに少し理解を抱いている自分にも腹か立っている。すかさず「そういうことで、召喚は成功してしまった。あなたは来るべくしてここに来たのですよ。あなたは今この状況を許容しようと自分の心に働きかけている。それは、召喚による副作用。呼び出される前に適応力を心理的に埋め込まれているはずです。なにか最近変わった出来ごとがあったのでは?」大輝には思い当たる節があり過ぎた。ここ2日異様なハマり方をしたオカルト系の類。そして、今思い出せばなぜか、思考がうまくまとまらなかったような気がしてならない。「そうなのです。あなたは魔力に干渉されて、あの召喚のサークルに無意識に呼び出され、ここにきたのです。」大輝はそれを聞いて怒りの感情に染まった。「ふざけるなっ!なにが召喚だ!俺は、、俺は美里にまだ伝えてねぇんだよ。なんで。。なんで、このタイミングなんだよぉ!」怒鳴った。申し訳なさそうに「すいません。今回の件については止められなかった私にも非があります。お詫びさせてください。今から別世界に降り立つあなたにギフトにを与えます。あなたは蹴球がお得意と従者に伺っています。なのであなたの足にこの第3神王界所属、女神デュべルの名のもとに加護を付与することにします。どうかあちらの世界でのご検討を心より祈ります。」大輝は「女神かなんだかしらないが、とりあえず呼び出した俺を一発ぶんなぐらなきゃ気が済まない。待ってやがれ。」と、息巻く。「いいえ、それは叶いません。そのぶっ飛ばす相手はもう塵すら残さず消え去りました。」大輝は「は?」理解できない模様。パラレルワールドでは別次元で自分が死んだらこっちの次元の自分の死ぬというのが通説だからである。女神は大輝の心を呼んだかのようにこう続けた。「大丈夫です。御心配には及びません。神王の力により別次元同士の人は魂が繋がりようがありませんから。そして、神の名のもとに神聖国王法第2914条にのっとり、重罪を犯した第324世界地球所属、あなたを召喚した平戸大輝。その世界では成川速人と名乗る人物。を無限地獄に投獄しました。なので、もう現世にはおりません。」と、言われた。「なんだよ。。。わけわかんねぇよ。。。」大輝はさらに混乱した。女神は畳みかけるように「あなたがこれから行く世界について、少々。その世界はあなたが住んでいた世界を価値観の相違が多数見受けられます。それは、命の価値です。あなたが住んでいた地球より自然の恵みに恵まれておらず、頻繁に食料不足が起きているようです。なので地球全体の人口が増えると非常にまずいのです。これから行く世界の時代は最悪です。命が紙切れ同然となり、荒れています。しかし、最低限の保障はされておりますので、ご安心を。変わっているのは娯楽ですね。それくらいですかね。その娯楽のゲームに負けて成川速人は自分の大事な物を失い、世界に絶望して禁忌に走り、同じ存在である別世界のあなたを犠牲にしてまで平穏を手にしたかったのでしょうね。どうやったかはしりませんが。愚かな。まあ、いずれにしろあなたはその世界で生きることになりました。ご武運をお祈りします。では。」と、反論する余地もなく言い切られた。大輝は、あっけに取られながらもいいかえした。「おまっ、まだ聞きたいことがやま・・・」と、いってる最中に女神は食い気味に「あー、あとは特別措置で用意された私の眷属に任せてありますのでそちらにお聞きくださいな。では、神の祝福をあらんことを。」の発言とともに大輝の足場が消えた。「まーてーよーぉー!」と、叫ぶとともに女神ははるか上空に消えていった。そして、女神の「あーつかれた。さて、みなさん甘いケーキを頂きましょう。」と、いう胸糞悪い会話が聞こえた。糞女神が。
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意識が戻った。ベットから目が覚め、しばらくぼーっとして、回りを見渡したら自分の部屋とは少し様子が違く、目をこすり気持ちを落ち着かせ考えてこんだ。ここは自分の部屋に似ている造形の部屋だが、 自分の好きなアイドルグループのポスターが無くなってるどころか、すべての物が綺麗に無くなっていた。
「なんじゃこりゃ、おいおい。勘弁してくれよぉ。俺の大切なゲームとかは?」「ってか、あの糞女神。神様ならこの状況なんとかしろよな、くそっ!」と、独り言。茫然とした。ここは別次元の日本。知り合いはいるのか?家族は?美里は?頭がパンクしそうになりただぼーっとしていた。すると、手の辺りから声が聞こえた。とっさに反応して警戒した。「成功した。。。よかった。驚きました?私はサリア。女神デュべル様の眷属。これからのあなたのここでの生活をサポートするために参りました。ちなみに私は手首に埋め込まれています。」大輝は困惑しながらも、声の主の方を見る。手首の皮膚が少し切れていて血がでている。たぶんそうなのだろう。「これからの生活の説明。すなわちこの世界について説明していきますね。」と言われた次の瞬間、手首が発光して空中にモニターが出現した。大輝は思わずびっくりして自分の手をひっぱたいた。
訳が分からず放心状態の大輝をみかねてサリアが「おーい、きこえますか?うーん。返事がない。ただの屍のようだ。。。。って、ふざけてる場合じゃない。しかたない。そっちの人間に耐性ありかわからないけどパルスメモリーで脳に直接しゃべりかけますね。」そう言って大輝の身体に電気とともに映像が流れてきた。
意識が途切れ、もやっとする意識の中に自分に瓜二つだがじぶんではない人物の記憶のようなものが流れてきた。第三者視点で映像は進んだ。
成川速人「もうHAB(Human A Bell (人間舞踏会))には出たくない。怖い、、、怖い、、、やだ。。。もう、失うものがないのに、それ以上何を失えというんだよ。。。さっきの試合で俺は最後の家族の人権を失った。。。目の前で母さんは。。なぁ、どうして何もしてない俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ、、俺は普通の高校生なんだぜ...。」
意識がはっきりしないが、どこかで見たような黒いマント着た少女があきれ顔で言った。
「何もしていないのになんで、こんな目に合うのか?あなたが何もしていないからじゃない。いい?あの試合は勝てた試合。あなたの判断ミスで足を打ち抜かれなきゃね。この人間で溢れた世界は少数の優秀な遺伝子を欲してる。あの状況でつまづく若輩者はいらないの。ね?わかる?」と言い、続けてこう言った。
「試合するまでに堕ちた速人君は、もう既に腹決めたと思ったんだけど、だめかぁ。しかたない。チェンジするか。」
速人「チェンジってなんだよ...俺をころすのか?...」と、うなだれる。
ライ「安心して、違う世界のあなたにかわってもらうの。言葉どおりの意味。速人君って地球って宇宙にいくつあるとおもう?」
???「えっ?1つだろ何言ってんだ。美月・・・・」
黒いマントの少女。美月は、手から石を落した。
一瞬さっきまで大輝がいた部屋は光に包まれた。そして、巨大なモニターがある指令室に様変わりした。速人は驚ろいた。しかし、美月は構わずモニターをゆびさした。そのモニターに映し出されるは、地球が7つ。説明が始まった。
美月「銀河1つに地球が1つ。そこまでは世間常識。しかし、人間の間で神と言われている存在。の間での常識は、銀河は7つだから地球が7つ。わかった?そのうちの1つの地球にいる対になる存在である、もう一人の速人に今の現状をに代わってもらうしかない。7つの地球の人間はある程度リンクしていてそれが可能なわけ。」
モニターの地球説明が終わり、困惑しつつも速人は質問を投げた。
「そ、そうなのか。ぜひ頼む。あっちの世界に行たらすぐ死ぬとかないよな?」
美月「ルールは少し破るけど、死なないんじゃない?でも、あなたに選択権があると思って?先ほどの試合で速人君、健気に最後の肉親であるお母さんの病気の薬を賭けて戦って負けたじゃない?その結果あなたは見事奴隷堕ち。薬も得られずお母さんはあなたの手の中で死んでいった。そんな世界に未練があるのなら、私。もうここから去るわ。他に用事ないし。」
速人「すぐだ、今すぐたのむ。早くこの狂った世界から出たい。」
美月はクスリと笑い、「よかった。断られていたら、あなたを殺していたわ。今すぐにやるわ。」
速人は引きつりながらも、笑顔で「2か月だけの付き合いでここまで良くしてくれてありがとう。恩に着る。いずれ、この恩は返す。その時にまた会おう。」
美月は笑顔のまま手帳を取り出してあるページを開いた。
上から3番目に書いてある成川速人の文字にばってんを付けて速人にこう言った。
「今からやり方を説明するわ。時間的に1度しか言えないから良く聞きなさい。この紙を持って(ザラスティム)と唱えるの。そしたら、今すぐ辞めろって警告が何度も出てくる。それをいいえと答えて無視し続けなさい。そして、すべての警告の無視を終えた後にもう一度、(ザラスティム)。そうすれば、成功してあなたは向こうの世界で普通の高校生として、生きられる。」と、言い速人に紙を渡した。
美月は、速人の方を見て「あなたでもなかった。また、白紙に逆戻りだわ。。。大輝はふさわしくいてくれるかな。。。」と、意味不明な言葉を残したのちに、呪文のような解読不能な言語を言い放った。
そして、その空間から粒子となり、黒いマントだけが残り消えた。
すると、さっきまでの部屋が美月とともに吸い込まれるように消え、あの部屋に戻ってきた。
速人は、美月の正体不明の不信感に身が震えているが、無理やり自身を納得させて儀式らしき行為を始めた。
なぜなら、この後すぐに公安の闇の術師が速人に奴隷紋の術式を施しに家へ強行してくるからである。時間がない。紙を握りしめて、「ザラスティム」を唱えた。
速人は、驚愕した。その部屋は警告の赤い無数のスクリーンで染まった。
しかし、事前に知らされていて、後がない速人にとっては障害ではなかった。すべてのスクリーンの「NO」を押してこの腐りきった世界にさよならを告げる覚悟を。「母さん、父さんと素晴らしき家族とめぐりあわせてくれたことだけ。それだけは感謝するぜ。くそ世界。」「ザラスティムっ!」速人は自己で認識する間もなく砂になった。
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「これが、ここに居たあなたの経緯。死ぬ前の一部だけどね。」とサリアが、映像から意識が帰って来た大輝に言った最初の言葉。
大輝は、知っていた。あの、黒マントの少女を。
その少女の事に関してサリアに問いかけようとしたところ、サリアは言った。「大輝の思考はパルスで読めるから、言わなくていいよ。斎藤美月でしょ?あの女。あれは、異端。何故か神のデータベースの母体のアカシックレコードにも乗ってない。そして、神の賢者の追跡すら潜り抜けるという、異常事態。天界はその話題で持ち切り。今は、重罪人として行方を追っているわ。」
それを聞いた大輝は、「サリア。俺は合ってるんだ。斎藤美月に。中学2年の夏休みに。。。」
サリアは動揺していた。「えっ?!ここに来る前に調べた平戸大輝のレコードにはそんな出来事のってなかった!そんなはずは。。しかし、脳波をスキャンしても大輝は嘘を言ってないのは明白。バカな・・・レコードの記録に関与出来るのは4大神以上のクラスから。。。斎藤美月、、何者?」
大輝はサリアの独り言に答えるように「今思えば、斎藤美月は不思議な子だった。」と、サリアにその出来事を伝えるように昔の美月との出会いを思い出し始めた。
斎藤美月。彼女は大輝の危機に立ち会っていた。
中学2年の秋。大輝は1人で公園に赴いてサッカーをしていた。大輝はその当時、サッカー以外の単語が頭になかった。上手くなりたい。プロになりたい。そんな単純かつ純粋な動機でボールをひたすら蹴った。そして、部活だけでは足りない練習量を蛍光が照らす夜の公園で補っていた。自転車で7分ほどの公園。そう、あの事故現場の公園が大輝のホームグラウンドだ。壁に向ってひたすらボールを蹴る。ボールコントロールを身につける練習である。とある日も大輝はその公園の壁の前に立っていた。その公園は人気が少なく、夜に女性が行くのは危ないくらいの認識をされていた。しかし、大輝は男の子であり、親も心配していなく、そこで難なく練習を重ねていた。
しかし、異常事態が起きてしまった。大輝が200発目のシュートを壁に蹴った瞬間にボールが壁に当たったと同時期に壁が少し発光した。と、同時にボールが倍以上のスピードで跳ね返ってきて、見事に大輝の腹部に直撃した。痛い、いや、気持ちが悪い。息が出来なかった。そう、過去に経験した金的を受けたときの感覚と似ていた。大輝は人生で初めて子死を連想した。そう、ここに助けてくれる人が居ないからだ。振り絞る力でまわりを見た。誰もいない。声も出ない。もうだめかも。そんな覚悟を決めた時、足音が聞こえた。振りしぼる声で「たすけて。。。」と。その声に応えるように、「大丈夫だよ。」と、聞こえ、頬をなでられた。暖かかった。そのまま、大輝の視界は消えた。大輝は気がついた。後頭部とおでこに柔らかく暖かい感触を。目を開けた。そこには女の子の顔があった。幼馴染の美里とどこか似ている顔が。おでこに女の子の手が乗っており、大輝は驚いてビクッと、なった。女の子も驚きはしたが、落ち着いて「大丈夫?まだ、痛い?」と、たずねてきた。大輝は状況を理解して、恥ずかしくなりむりやり起き上がった。女の子は「大丈夫そうね。よかった!」と、ほほ笑んでくれた。大輝は照れくさそうに、「あり。。がと。。」だけ言った。続けて女の子は「私、斎藤美月。よろしくね。」と、自己紹介してくれた。大輝も「俺は、平戸大輝。助けてくれてありがとう。」お礼を言った。美月「実はね、ここ私のお気に入りのお散歩コースなんだ。たまに君がここでサッカーの練習を見かけてたんだ。で、今日もここを歩いてたら、たまたまあなたがボールをお腹にぶつけて、唸ってるのみかけて駆けつけたの。」大輝は「ホントありがとね!マジで死ぬかと思った。今は不思議と痛みは全くないんだ。」笑って返した。美月は「私がお腹さすってあげたからね(笑)感謝してよ?」と、美月も笑った。そして、10分くらい談笑して、少し斎藤美月との距離が縮まった。美月について分かった事は、隣町の同い年の中学生。ということ。大輝は思い出している時に疑問が頭から離れなかった。何故あんな時間に女の子一人であの公園を散歩していたのか。駆けつけるタイミングもあまりにも出来過ぎていた。まるで、この事故が分かっているかのようなタイミングだった事を。。。
その後、美月とはそこで別れた。別れ際にもちゃんとお礼して。大輝はそれからも懲りずに週3回くらいのペースでその公園で練習した。そこからの練習に高確率で美月に合うようになった。あったら、15分くらいの他愛のない会話をして練習して帰る。半年ほどそれが日常と化していた、そんな日々もあっけなく終わりを告げる。理由はある日を境に美月が来なくなった。大輝は何か悪い事をしたのかと悩んでいたが、時とともに意識の外に出ていった。
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その事を思い出すと、サリアは言った。
「これは、大輝に故意に接触してるわね。たぶん、その時の事故も美月が引き起こして、無理やり接点を作ったとみるのが自然ね。。。斎藤美月・・・あなたの狙いはなんなの?」
大輝は思い当たる節がない。殺されそうになっていた事実も今知り、安堵もしていた。
サリア「たぶん美月が持っていた手帳が今後のカギね・・・とりあえず、この件は、いち眷属の私の手には余るわ。持ち帰って報告しなきゃ。大輝、今緊急の用事ができて、一度天界に帰らなきゃいけないのは分かるよね?大輝も一時的にこの後公安に追われる立場になるとおもう。だから、互いの為に、この世界の質問を1つだけ答える。さぁ、問いなさい。」
大輝はいろいろ聞きたくて頭の中はこんがらがってる。しかし、聞くことはあらかた決まっていた。
「HABってなんだよ?」
サリアは答えた。「答えよう。HABとは、昔でいう古代ローマのコロシアム、つまり殺し合いの闘技場。この世界の人間はね、国際真人間推進計画の犠牲にあって娯楽を奪われたのさ。酒、たばこ、賭博全部違法になった。だから国が唯一の娯楽施設としてコロシアムを建設したんだよ。東洋連邦共和国、略して東国。君の世界では日本。国が月に1度、国民から35歳までの人100人を集う。国のスキル認定で才能が無く、働けず奴隷堕ちした人の為、金が工面できなくなったからどうにかお金を稼ぐ為。犯罪の罪を軽減する為。特定の人物、あるいは自分の奴隷身分を解消する為。そんな訳ありの人々を募う。そして、殺し合いを許可したのさ。この国の優秀な人種の娯楽、楽しみに役立てるように、と。そのゲームで負けたら最後。奴隷の烙印を押されて、まず人間に戻れなくなる。」大輝は聞き捨てならなかった。「この時代に、奴隷?本気でいってるのか?」サリアは続けた。「さっき女神様や、美月も言ってただろう。この世界は、命が軽い。優秀な人材の為なら、無能がどうなろうと知ったことでは・・・おっと、時間が来たようだ。私は、これで失礼するよ。報告しに行かないと。大丈夫。今の君なら公安なんて余裕。逃げ切れるさ。なんていったってこの世界の人間に存在しない神の加護が両足についてるんだからさっ!」
大輝は「まってくれ!!どこに逃げれば・・・」
サリアは答えを用意していたかの様に「ここから見える塔があるだろう?そこに2時間後集合だよ!あと、注意。捕まって奴隷紋つけられたら、君を助けるのは困難になる。それまで堪えてくれれば、奴隷の件は私が何とかしよう。さぁ、よーい、スタートだよ!」と、言い残して、ワープして消えてしまった。大輝は文句も言う暇も与えてもらえずに2階にあるであろうこの部屋の下からするドアを叩く音が聞こえた。
大輝は焦った。何者かがこの家に侵入してくるのが分かっている。しかも、1階で物音がした。間違いなく先ほどの会話にでてきた公安の者で間違いないだろう。悠長にしている場合ではない。危険が迫っている。とりあえず、部屋を見渡した。窓がある。それしか脱出路がない。しかし、ここは2階だ。焦る気持ちと恐怖の板挟みだったが、とりあえず窓を開けた。その目線の下には奴隷が主人であろう人と歩いていた。布切れを覆ってるだけの坊主の人。あれが奴隷のなれの果てと瞬時に理解出来た。奴隷の全部を知ったわけではないが、その首輪で繋がれた人の顔をみたら生きる為の尊厳を失ってるのはすぐにわかる。
ああはなりたくない。それだけの理由だけで、一歩踏み出すのは十分だった。窓から顔を出して、屋根の構造を確認。隣の家との間隔も確認したかったが、さっきの部屋のドアが叩かれた。「成川速人、ここを開けろ。今すぐだ!」男の声がした。大輝は窓枠を超えて屋根へと登った。公安がドアを蹴破り、大輝の登り姿を確認するとともに、腰に装備していたホルスターから拳銃らしきものを構え、大輝に静止するよう警告した。「止まらんと、撃つぞ!成川速人!」大輝はほぼ窓枠から姿を消えかけていた。次の瞬間先頭の1人が威嚇射撃。それでも止まらない大輝に、窓枠から身体を乗り出して屋根の上にいる大輝に銃口を合わせた。「1歩でも動いてみろ。奴隷処分の奴への発砲許可は出ている。頭を打ち抜く。」本気の発言だった。大輝はぶつぶつ何かを言って、覚悟を決めた。「たのむぞ、バカヤロー!!!」大輝は屋根を踏ん張り、飛んだ。
目の前の景色が変わった。後ろで微かに聞こえる発砲音が消えて、大輝ははるか上空に居た。驚いた。本当に飛んでいる。足元が光ってる。
どうしよう。飛べたのはいいが、そこから先はのプランだ。大輝が考えようとしていると、どこかの山の方へ身体が自由落下を始めた。落加速していく。大輝はさっきもイメージ通りに出来たのなら今回も。そう自分に言い聞かせながら、山へ半発狂で落ちていく。落下に身構えにながらも、イメージを一点に集中した。足から落ちていき、着地の時にジェット噴射で落下の勢いを殺す。それのみがパニックに陥った大輝が考えうる策である。地面が見えた。大輝は足に全神経を集中させて、止まらせるイメージを湧かせた。地面手前で足から煙が噴射した。風圧が生まれ、落下の勢いが死んだ。成功した。まるで、スーパーマンの着地シーンを自分で再現してるように、地面に降り立てた。ガッツポーズ。しかし、その直後に生まれてから初めて味わうものすごい疲労感。疲労からくるめまいを大輝は初体験した。そして、またもや左手首が発光して、空中に見覚えがある赤い警告画面が表示された。(一度に使える、加護の力の限界値を超えようとしています。クールダウンしてください。)と。
近くの木に寄りかかり、大輝は「使用制限あるのかよ、説明しろよ。。。着地の力残ってなかったら、しんでたぞ。。」と、小声で文句をいった。
とりあえず、地面に座り休んだ。状況を整理するために。
・この世界で生きていかなきゃならないことは、確定
・今、自分は別世界の自分が受けるはずの奴隷紋を肩代わりしている。
・そして、奴隷紋から逃げたので、絶賛逃走者。
・今、自分は国と1人から命を狙われている。
なんだ、これ。考えただけで笑える。さっきまで普通のサッカーが好きな高校生してたんだぞ?「くそっ!!」大輝は、地面を叩いた。
とにかく、この危機から脱して神の従者から説明を受けなければならない。
己を鼓舞して立ちあがった。ひとまず周りを見渡せる所にいこう。大輝は歩き始めた。
主人公は入ってくる情報量に戸惑いを隠せず、勝手に巻き込んでくれた???への憎しみの感情と同時に彼が殺されたとしり複雑な気持ちになった。
頭がパンクしそうになり、ベットに横になった。
しかし、ライが「そうそう、そんなことしてる場合じゃないよ。学校におくれるよ。LWAB養成所に。養成所対象者が授業に遅れたら、国家反逆罪で粛清だよ。」と、言っている。
言っていることが訳が分からないが考えるのをあきらめて、支度を始めた。
主人公「服は?」ライ「あー、はいはい。Lサイズでいいね?」と、いうと、どこかでみたことあるような変身シーンを体験することになった。唖然としていると、ライが「遅れるからはやくして!!」と急かしてくるので、言われるがまま家?を出た。
目の前に広がる世界におどろいたが、先ほどの出来事よりましである。
しかし、歩いてる人はいつものなじみの顔だ。
そこに見慣れた顔が。そう、幼馴染である。声を掛けた。「お、おはよう。元気?」
すると、なんの言語かわからない言葉で「wdaue」と、言われた。?だっだが気味悪そうにして走り去ってしまった。すると、ライが「あぁ、そうだった。昔の言語で話しても通じないよ。今の言語で話さないと。INAFの共通言語でね。日本語って不便じゃん?僕も訳してしゃべってると不便でさ。」
主人公「そうなんだ。幼馴染に嫌われたのかとおもったよ。」
するとライが「ちょっとまってて。今調べる。。。。うーんこの世界で君と彼女に交流はないようだね。そっちの世界では隣近所だったかもだけど、この世界では住んでる区域も違うし、一回もあってないね(笑)さっきの彼女の言葉を通訳すると{何?気地悪いです。話しかけないで。}だね。どんまい。」と、いった瞬間にいままでお隣さんでとても仲良くしていた彼女に拒絶されたことに怒り、自分の手首を思いっきり殴った。ただ痛いだけでライにはノーダメージだ。わかっていた。
ライ「まあまあ、怒らないでよ。いいことしてあげるから。INAFの言語を脳にインプットして聞くのとしゃべるのをできるようにしてあげる。」
主人公「大丈夫なの?それ。脳に障害残らない?」との返事にライは「大丈夫だよぉ。じゃあいくよ?」
主人公「わかった、お願い。」といった瞬間に意識が飛びそうになった。脳がとろける錯覚に襲われた。痛くはないが、乗り物酔いの感覚。その場で地面にぶっ倒れた。
ライ「やっぱりN6星人には日に2回はパルスは無理か。記録しておこう。」と、薄れゆく意識の中で聞こえた時は殺意を覚えた。
はっ、と目を覚ました時に真っ青の天井がみえた。
ライが呼びかけてきた。
ライ「sdkgnbdoい・・きこえてきた?」と言われ、理解した。今ライはINAF語を話していたのだろう。インストール完了したのだろう。そして、怒り口調でライに
主人公「後遺症はないだろうなぁ?ライぃ?!」と、キレた。
ライ「たぶんね、それよりここまで運んできて出席受けて遅刻しなくて済んだのは誰のおかげだとおもってるの?ったく、人間って無駄に複雑な構造で動かしずらかったよ。」
主人公「俺の体操ったのか?」と、聞くと
ライ「神経が通ってる生き物ならなんでもいけるよ」と、得意げに語った。恐ろしいやつ。
でも、保健室らしきところまで体を運んでくれて、目覚めるのを待ってくれていたようだ。
ふと、疑問におもった。
主人公「出席って、クラスがあるのか?」
ライ「あるよ、期生徒の10クラスに分かれて君は15期生の3組ってところだね。」
主人公「なるほどね、15期生ねぇ。そういえば、授業はじまってる?」
ライ「はじまってるけど、ここでは訓練ということ教官に聞かれると...」
主人公「聞くと?」
ライ「「しぬ」
主人公「は?注意とかじゃなくて」
ライ「ここはLWAB直属の殺し合いの養成所だからね、なんでもスパルタの育成法を政府がまねして作られたのがこの場所らしいよ。弱きもの、従わないもの、考え方が沿わないものは粛清をが教訓だから教官が神だね。」
主人公は「え?」と、しかいえなかった。
いきなりスピーカーらしきものから放送された。
?「今から庭に全員集合。1分以内だっ!」と、流れた。
とりあえず、その部屋からでてみると、主人公の名前を呼ぶ金髪の美少女。
金髪「何ぼーっと突っ立ってるの?遅れたら殺されるわよ!」といった。
とりあえず、その子についていった。すると庭のど真ん中に1人のボロボロになった坊主のオカマってぽいおっさんがよくわからない言語でしゃべってる。よく聞いてみると、それは日本語だった。「なぜ、こんなことをするんですか。やめて。やめてよぉ。」と、命乞いをしていた。教官らしき人物に「そのよくわからない言葉を私の前でしゃべったら殺すぞ、と忠告したはずだ。」と、腰の剣を抜こうとしている。要は見せしめだ。逆らったらこうなるぞというメッセージが込められているのでろう。主人公は日本語をしゃべる男に聞きたいととっさに思ってライに「どうにかならないか?」と、言ったがライは「あきらめろ。生きたければ。何人もしぬのは見てきた。たぶん訓練中のトラブルでこの星の言語をしゃべられなくなった君と同じ星の出身者だろう。あの男の顔を見てみろ。レンズがわれた壊れかけ眼鏡かけてるだろ?あれはボクの1つ前の型のロイドが生み出した翻訳機だろう。君のと違って体外に露出していて壊れやすいから一新したんだが、あいつは運が悪かったんだ。あきらめろ。」と。言い終わったと同時に主人公は観戦集団からとびでていた。
ライ「やめろ!しにたいのか?」主人公「助けなきゃ人じゃない!!!」と、教官にとびかかる勢いだった。金髪もみかねて止めに入ってくれた。「あなた!!自殺志願者?!死にたいならとめないわ!!」と、体を入れて止めてくれた。胸がやわらかかった。
教官「貴様も粛清されたいのかぁ!!」と、言ったとき主人公はおでこの血管が漫画みたいに切れそうだった。
その時、ライが閃光を発して服がかすかに光を発した。
奥から湧き上がってくる高揚感のようなものを主人公は感じ取っていた。
主人公「そいつは何にも悪くねぇ、悪いのはお前の頭だ。」と、言い放った。
観戦集団の空気は凍り付いた。こいつ死んだなと、皆が思っていたら教官が以外にも
教官「こいつが...面白い。今回は2人とも許してやる。ただし、お前の言った言葉をひっこめるなよ?!わすれねぇ。」と、言い残しどこかへ去っていった。
ライ「死んだかとおもったぞ。無茶すんなよ。ったく。」と、安堵する。不思議とその時ライの気持ちが伝わってきたような気がした。
金髪「ほんっと、ばーか!!!やめてよね!!!」と、半泣きで心配してくれた。かわいかった。
転がってた坊主のオカマが「ありがとーーーーたすかったわぁ!!」と、抱き着いてきた。臭かった。ワキガだろう。かわいそうだったのでいいそうになった「くっさ!」をこらえた。
「どういたしまして。」と、日本語で語りかけたら、「えっ?」と、いったあとすぐに手を引っ張られてどこかにつれていかれそうになった。
主人公は、「どこにいこうとしているんですか?」と、オカマにいったら「
貴方日本からきたんでしょ?ついてきて」と、体育館の倉庫まできた、ふと後ろを振り返ると金髪がたっていた。たぶんオカマに人気のないところに連れ込まれていたずらされると思い込んで後をつけてきてくれたらしい。
金髪「主人公君をどうする気?返して!!」って、俺物じゃないから。
オカマ「あら、やだ。命の恩人に変なことするとおもってんの?失礼しちゃうわ!この子の故郷と私の故郷がいっしょだったからお話しようとしただけよ。」と、日本語でいっても金髪には通じなかった。
オカマ「ちょっとさっきこっちの言葉しゃべってたでしょ?通訳お願い!」と、日本語でいわれたので丁寧に通訳したあげた。
すると、納得してくれたようで帰ってくれた。帰り際に
金髪「休みもうすぐ終わるんだからすぐ主人公君かえしてよね。」
と、言って去っていった。主人公はぽかんとしていた。オカマがしゃべりだす。
オカマ「本題にはいるわね?この学校は知っている通りLWABの学校。でもその生徒の中には私たちと同じ運命を辿った人がいると気づいた。異世界すなわちパラレルワールドと私は解釈している。そのパラレルワールドから無理やりこの世界の自分たちにつれてこられた人たちがいた。その人達は疑問におもうの。なんの目的があって私たち異世界の日本人をつれてきたのか、ロイドの作った人たちの狙いを探るということなどしてきた。だけど、このINAF養成所は死人をだしても構わない考えだから、幾人の先人たちがしんでいった。しかし、その意志は途絶えることなく、元の世界に帰る目標を掲げて作られた。それの集大成がこの体育館の倉庫の地下にある。そこにはこの狂った世界にあらがう同じ境遇の同志が貴方を歓迎してくれるわ!ようこそ!大和ラボへ!」
????「おっ、大和の反逆者どもの通信を傍受できたぜ。最新のライザンロイドにはそんな貧相な通信妨害装置じゃ防ぐことなんかむりむりw近いうちにつぶしてやるぜwww」
??「それは無理だな。なぜなら、お前はここで死ぬからだ。」??「はっ!誰だ!お前は!まぁ、いい。お前もライザンの一味だろ?」
ライ「そうだ。俺はライザンの1人。ライ・スレインだ。」
ライ「お前は、何のためにこの世界にやってきた?」??「決まっている!復讐のためだよ!あの女にな!!」
ライ「そうか。なら、死んでくれ。」??「なにぃ?!なぜ、わかる?!あの女の居場所が!」
ライ「ああ、あの女なら、今頃、俺の仲間が始末してるはずだ。」??「くそぉ!!こうなったら、せめて貴様だけでも道ずれにしてやろう!!くらぇ!!!」
ライ「はぁ、やっぱお前もあわれだわ。お前の敗因はその武器だ。」??「なにっ?!」バシュッ??「はぁ、はぁ、まだ、だぁぁぁぁぁ!!!」
ライ「しぶといな。」??「へへへへへっ、お前もな。」
ライ「お前の負けだ。」??「へっ、なにいってる?!おれは、生きてるぞ?」
ライ「お前の脳天を撃ち抜いた。」??「な、な、な、な、な、なにいってんだよ!お前!ふざけんじゃねぇぞ!どこだ!どこにいってやがった!おい!出てこいよ!ライ!ライ!ライィィィ!!!」
ライ「うるさいやつだったな。」
ライ「やめてくれ。」
ライ「やめてください。」
ライ「やめろーーーーーー!!!」
ライ「はぁ、はぁ、夢か。また、見てしまった。」
主人公の朝は早い。毎朝の日課であるランニングをするべく起き上がり着替えようとしたとき、ふと鏡を見た。そこには、黒髪で短髪の主人公の姿があった。主人公は、驚きつつも急いで部屋から出てリビングに向かった。するとそこにはいつものように金髪がいた。
金髪「おはようございます。主人公さん。今日もいい天気ですね。」
金髪の挨拶に対し、 主人公「お、おう。」と、だけ答えた。そして、朝食を食べているときに金髪から衝撃的なことを言われた。
金髪「夢落ちなんてサイテー!!!」
ライは金髪不細工にビンタされた。
不思議と痛みはない。しかし、目の前の景色はぐしゃぐしゃになった。
ブラックホールともいえる代物が自分を包んで殺された。
ライ「はぁ、はぁ、夢か。また、見てしまった。」
主人公の朝は早い。毎朝の日課であるランニングをするべく起き上がり着替えようとしたとき、ふと鏡を見た。そこには、黒髪で短髪の主人公の姿があった。主人公は、驚きつつも急いで部屋から出てリビングに向かった。するとそこにはいつものように金髪がいた。
金髪「おはようございます。主人公さん。今日もいい天気ですね。」
ライはこの現実を受け入れた。これは夢だ。そうだ起きよう。
ライの手にはなぜか果物ナイフが。
そしておもむろに自分の胸に突き立てて自刃した。
痛かった。そして死んだ。
ライ「はぁ、はぁ、夢か。また、見てしまった。」
主人公の朝は早い。毎朝の日課であるランニングをするべく起き上がり着替えようとしたとき、ふと鏡を見た。そこには、黒髪で短髪の主人公の姿があった。主人公は、驚きつつも急いで部屋から出てリビングに向かった。するとそこにはいつものように金髪がいた。
金髪「おはようございます。主人公さん。今日もいい天気ですね。」
怖い、この感覚には3度目だ。ここで自我が目覚めて2度目の人生を始めた。
夢落ちだったらいいのにな・・・・。
わたす、へんなおじさんなんどす