7.義務ではない。権利だった。
感想ページが・・・気づいたら前作が46件、今作が19件に・・・!
『名無し』さん、『ピース君』さん、ありがとうございます(≧∇≦)ノ
すみません、前章にほんの数行付け足したので、できれば見ていただきたいです。
「まぁ、貴様の言っていることは正解だ。私一人であれば、私が心の中で望むだけで移動できる。しかし、貴様が付属物としてついてくるから、血を交わらせる必要があった。」
倫を責め立てているような言葉。
しかし、倫はその中に申し訳ないという気持ちがにじみ出ているのを感じていた。
だから、逆上することもなく、むしろ頬を緩めて知也を見つめている。
「へへっ、面白かったからいいですよ。」
知也の気持ちを少しでも軽くするために倫がそう口にしたときには、当の知也はぷいっと後ろを向いて歩いていた。
若干早歩き気味で進む知也に、倫は小走りでついていきながら、心の中で愚痴を吐いていた。
(むーっ。もぉっ!知也さん、私がせっかく気を使ってるのに、聞いてくれなし!・・・ん?もしかして、照れ隠し?)
そう思うと、知也のことがずいぶんと可愛く思えてきた倫だった。
まず受付に向かったところ、知也を一目見た時点で、受付の人が「第3ルームにいらっしゃいます」と教えてくれた。
倫が、随分優秀な受付の人だな・・・と思い、こっそり聞いてみたところ、「顔面偏差値が異常な黒髪のイケメン」がくると聞かされていたらしい。
(私のことガン無視ですか、そうですか。HAHAHA☆)
しかし、有名なイケメンアイドルも何十人といるこの事務所。
同じ特徴の人はたくさんいるだろう。
また倫が疑問をぶつけてみると、「イケメンと言われている人が、みんなあの人みたいだと思ってはいけません」と返された。
(どういうこと?え?知也さんの顔面そんなに凄いんですか・・・?)
倫が脳内で葛藤しているうちに、さっさと知也が受付の人に案内してもらい、どんどん前に進んでいったので、あっという間に第3ルームに到着した。
「では、私はこれで♡」
「ありがとうございました。」
明らかに知也目当てで案内したのだろうが、倫が思っているより引き際は良かった。
ちなみに知也は、受付の人は仕事が多いがブラックではないのか・・・などと考えていたが、案内は義務ではない。
権利だった。