表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パニックJKと冷たい吸血鬼がもてなす喫茶店  作者: たー兄
アイドルの楽屋にて。
16/21

6.貴様は人間だったな。

お久しぶりです、たー兄です!

(待ってくださってる人いましたか?)

・・・まぁいいや。

とにかく本編へレッツゴー!(長くなるかもしれません)

 そして日曜日。

「お待たせしましたああああ・・・っ!?」

 叫びながら突進していく倫。

 ズデーンと大きな音が店に響く。

 涙目の倫が振り返ると、布の塊が落ちていた。

「もうっ、知也さん、こんなところに物置かないでくださいよ・・・。」

 文句を言おうと店内を見回しても、それらしき人影もなく、返答もない。

 店内を一周見回しては首を傾げ、また見回しては傾げ・・・を繰り返していた倫だが、十数回目であるものに目が止まった。

「・・・まさか・・・ね?」

 先ほど自身が躓いた障害物。

 ただの布の塊だと倫は思っていたが、まじまじと見てみると・・・。

「やっぱり知也さん!ああ、もう!起きてくださいよ!」

 激しく知也をゆすっていると、しばらくしてうめき声が漏れた。

 眉間に皺を寄せてゆっくりと起き上がった知也は、パチパチと目を瞬かせた後立ち上がった。

 見上げる体制になった倫は、唇を尖らせて不満を訴える。

「知也さんって、何でもそつなくこなせますよみたいな顔して、結構抜けてますよね。・・・いろんなとこで寝たり意識失ったりするの止めてもらえません?」

「貴様が遅いからだろう。はぁ・・・行くぞ。」

 倫は逆に責められて心外だというように頬を膨らませたが、置いて行かれなかった分いいか、と渋々立ち上がる。

(ホント・・・知也さんが倒れてると、毎回驚くんだけど。)

 カラン・・・と店を出て、しっかりと鍵を閉めた後歩き出す。

 幸いこの日は曇りのため、知也も平然とした顔で空の下を歩いている。

 そして、しばらく経ったころ。

 知也がふと呟いた。

「・・・私は、私が身の安全が保障されていると判断した時しか倒れない。それは寝るときも、意識を失う時も変わらない。」

(ちょっと待って・・・。意識失うタイミングって、自分で調整できるの!?)

 ツッコみたいところは山ほどあったが、知也の顔に差す影と意味深な言葉に黙り込む倫。

 そんなこんなしているうちに、バス停に着く。

 倫がそこで立ち止まると、知也が眉をひそめて

「・・・何をしている?」

 と尋ねた。

「何って・・・バスで行くんじゃないんですか?」

「そうなのか?」

「そうじゃないんですか!?」

 お互いにお互いの考えていることが分からずに黙り込む。

 1分か、2分経った後、視線をさまよわせた知也が、唐突にぴくっと動いた。

「そうか、貴様は人間だったな。」

 『人間』というワードに反応する倫。

 何故なら、吸血鬼である知也が倫を『人間』と言うということは、吸血鬼に関する話題をあげるときだからだ。

(吸血鬼・・・血は吸われたけど、あんまよく分かんないんだよね。)

「・・・行くぞ。」

 知也はそれだけ言った後、倫の手を無造作につかんだ。

 そして口元に持っていき、右手の人差し指を・・・歯で刺す。

 プツッと真っ赤な液体が膨らむ。

 思わず顔をしかめた倫が目を瞑ると、知也がその血に自らの血をつけた。

 2人の血が合わさり、次の瞬間には・・・。

「おい、目を開けろ、馬鹿。」

「ぅえ・・・えええええ!?ここどこ?魔法ですか!?吸血k・・・」

 吸血鬼というワードを言い切る前に、倫の口を知也の両手がふさぐ。

 ふがふがと反抗する倫に、

「迂闊にそんな言葉を口にするな。」

 と囁いた知也は、手を離した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっと1コメゲットかな⁉︎(すいませんマウント取るようなこと言ってしまって) え、どこなんだろう、倫ちゃんたちがいる場所。 移動方法がまるで推測できない… 朝早くからよくわからないコメントす…
[一言] え、てか、にゃん? どうかしたんですか?推しが猫化でもしましたか?
[一言] ちょっと意味深な感じ好き。 てか知也さん、まさかとは思うけど飛べるの⁉︎ 人間は絶対無理だよそんなの。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ