5.悪かったな。
ぱお~ん、ぱおーん、ぱおぱおぱお~ん☆たー兄です。
投稿カメさん&展開ジェットコースター&駄文です。すみません。
「こんにちは~。」
「いらっしゃ・・・倫か。」
客でなかったことに明らかな落胆を見せる知也。
頬をひきつらせながらも、彼の顔色や息遣いを窺った倫は、正常そうな様子にホッと胸をなでおろす。
倫がニコニコしていると、知也は理解できないものを見るかのようにして固まった。
しかし、その数秒後。
「・・・昨日は、悪かったな。」
と小さく呟く。
倫は一瞬、聞き間違いかと思ったが、知也の瞳を見てクスッと笑う。
「お役に立てたならよかったで・・・」
「鍵を閉めろ。店の片づけさえできないのか。無能か?いや、愚問だったな。貴様が無能だということは出会った瞬間から分かっていたことだというのに・・・悪い。」
(いや、こっちの謝罪の方に心込めんの止めて!?)
ただ、鍵。
店の売り上げのお金もしまってある店に鍵をかけないというのは相当な失態だ。
それをこの程度の怒りでとどめているのは知也の優しさ・・・だろうか。
「まぁ、帰らなければならない貴様に鍵をかけろと言うのも無理があるな。・・・これをもっておけ。」
知也が何やら握りこんだ拳をかかげる。
反射的に倫が両手を差し出すと、そこに鍵が落ちた。
「合い鍵だ。・・・いつでも来い。」
「え、いいんですか?」
「よくなかったら渡さない。いらないのか?」
「いります!・・・ありがとうございます!」
満面の笑みを浮かべる倫を呆れたように一瞥した知也だが、ドアのベルが鳴る音に立ち上がった。
さっきまでの無表情な顔を一気に営業スマイルに仕立て上げると、
「いらっしゃいませ。」
と客を迎える。
そのまま、倫にそっと囁いた。
「今日はもういい。日曜日の1時にここだ。いいな?」
倫が返答する間もなく、知也は接客を始めた。
そして日曜日。