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クリス・リックマンという名の箱船第4回●シティ=ディザスター、街を滅ぼすものの私は、ラグーン市を観察する。そしてポスターを発見する。


クリス・リックマンという名の箱船第4回

(1976年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



彼は、私の事をシティ=デ″ザスターと呼ばずに視察官と言った。

 私は市長(ルのメタリ。クな無表情な顔をにらみ、言った。


「もちろん、ハル市長、私の事は知っているはずだ。ある揉の人々は私の事をシティ=デ

イザスターと呼んでいる。センターの命令に従わない市は総て、この地球上から抹消され

る。私は、「全都市管理センター」からこの監視役を引き受けている」


「その胸のシルバー=スターを見れば、誰だって、わかりますよ。あなたが一

つの都市の運命を左右できるジティ・デ″ィザスターだとね。でもジティ・ディザスター、

残念ながら、この市ラグーンには何の不正もございません。御足労でしたね。

この私の副官べームが慨内を御案内さしあげます。疑問がありましたらベームにお尋ね下さい」


「わかりました。見物させてもらいましょうしかし、ハル市長」

私は鋭い眼ざしで、ハル市長を見た。


「変な小細工はしないでいただきたい」

「わかっております。私の市ラグーンでは何も不正が 行なわれておりませんからね。そんな事をす

る必要はございません。ラグーンは何しろ黄金都市ですから」


私はベームに従い市長の部屋を出た。

ベームという男、箸にも棒にもかからぬというタイプの男だ。


直後、市長の部屋の内部に、私の聴覚を集中した。

私の耳はかなり離れた場所の音を聞く事ができるように改造してあるのだ。


あの市長の部屋には、他に誰かいたようだ。隠れていたのだ。


『ザイル、ザイル。シティ・ディザスターがついにやってきたぞ』

市長ハルはさっきとはうって変って、興奮しているようだった。


『我々の事業がばれたのでしょうか』別の人間が、市長ハルに答えた。

『そんなはずはない。しかし、もし見つけられそうなら処分しろ、いつもの手でな』

「わかりました』 


「我々の事業?」

私は悲しくなった。

ここが私が求め続けてきた都市でない事は決定だ。

一暴れする事がでさるようだ。

私の悲しみをまぎらわせるのにはI暴れも必要なものなのだ。

ストレスの解消になるというものだ。


■食糧をもって武器とする「全都市管理センター」に対して反感を持つ人々が増加の一途を辿っている。

彼らは『都市連合』を作り、「全都市管理センター」の場所を知ろうとしていた。「全都市管理センター」の場所は極秘なのだ。


それから、「全都市管理センター」のまわし者、シティ・ディザスターに対する人々のにくしみも恐ろしいものだった。彼ら、『都市連合』は秘かに、シティ・ディザスターに賞金をかけていた。



■現実にはハルの副官ベームは市内を案内してくれた。


このラグーン所は侵略者に対する芸術、美術工芸品を作り売る事で、命脈を保っている都

肛らしい。近くに侵略者用の荷物集積場があるようだった。


小さな美術工房が賤えにも重なり、軒先を並べていた。この黄金都市の繁栄は相当なも

のらしい。人々はしかし、あまり元気がなく都市自体は黄金で輝いているが、町の雰囲気

はうら寂しい限りだった。


私はあるポスターに気がついた。

町角の金色の壁にポスターが貼られている。


これはかなり昔から貼られていたらしく、薄汚れ、おまけに破れかけていた。

風に切っぱしがゆらゆらと揺れている。


しかし、七のポスターは金泊だった。



ポスターはまるで私だった。

私のようにやっれ、疲れ果てて、身も心もボロボロのようだった。


私への挑戦だろう。

私に関するポスターだった。


『シティ・ディザスター、賞金20万クレジット『都市連合』が支払う』

と書かれていた。


20万クレジットは大金だった。

一人の複合個体が都市連合から買える程の金額だった。


都市連合は、各都市で不用とみなされた人間の体を、ストックしているのだった。


私自身にはそれ程の価値があるとは思われない。

しかし都市連合は私に賞金をかけていて、しかもそれは大金なのだ。


私は廉われ者。誰にも相手にされない、悪く言えば、この世界での逃亡者と同じだった。


しかし、「誰もこの私を殺す事は絶対に不可能」なのだ。


ベームはこのポスターが貼られている事を知っていたに違いない。

それゆえ、わざとこのポスターを見せたのだろう。


ひよつとしてこの都市には侵略者との美術品以外の取引きがあるのかもしれない。


■数百年前、「侵略者」は突然やってきて、地球を壊滅させた。

地球の再建まで長い時間が必要だった。



とある美術工房で私は足を留めた。

それはとても美しい立像だった。


金色に輝き等身大の立像だった。

まるで生き身をそのまま黄金で塗りかためたかのように見える。


それは苦悩の表情を表わし、そこに立っていた。

遠くから見て、私はそれが人間かと思った。

しかしそうではなく、ただの金色の像だった。それもすぱらしい立像だった。

 

私が偶然目を止めたその立像は、どうやら私の目にふれさしたくない物のようだった。

私は案内役のベームにその件に関して尋ねた。


クリス・リックマンという名の箱船第4回

(1976年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


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