第7話
「ジェニファーさんか、なんか怖そうな人だったね」ヒロが窓から庭を見て言った。
「これだけの屋敷の当主となると色々あるんじゃないの?」カガは短剣や道具類を手入れしていた。
「ジェニファーさんは亜人じゃなさそうだし、フンッ!」レイガは買ったばかりの刀を振っている。
「亜人と言っても全員が猫耳じゃないみたいだしね、子どもには遺伝しないものもあるみたい」マリは帳簿を見ていた。
「ダンジョンの地図が手に入ったからお昼食べたら作戦会議だな」レイガが地図を片手に声をかけた。
『はーい』三人の声がはもる。
昼食後ジェニファーを含めた五人で作戦会議が行われた。
「地下一階は比較的単純な構造になっていますし、無理してボスと戦う必要もないと思います」レイガは地下一階の地図を見ながら説明した。
「入ってすぐにボスの部屋があるから倒していってもいいんじゃない?」ジェニファーが疑問を口にした。
「ボスは部屋から出てこないでしょうからあえて倒しに行かないほうがいいです、危険は最小限にすべきです」
「しっかりしてるわね」
「ありがとうございます、地下一階は固定モンスターで人食いコウモリの群れがありますので、最低でもここでは戦闘が行われるはずです」
「私は見ているだけしかできませんけど」
「はい、ジェニファーさんにはマリかヒロどちらかが常にそばにいてもらいます」
「分かりました」
「地下一階でパーティーが全滅したこともあるようです、トラップにひかかったかもしれませんが、地下深くにいる強力なモンスターが地上付近まで出てくることもあるかもしれません、十分に注意してください」
「たしかに、そのような話も聞いたことがあります」
「問題は地下二階です、最初のボスは倒さないとそれ以上進めないので倒すしかないのですが、次のボスがちょっと強敵らしいです」
「迂回してもオビアヌスは摘めるのかしら?」
「可能ですが、クロウラーというモンスターをかなりの数倒さないといけません」
「難しいわね、専門家さんにお任せするわ」
「四人でやれば大丈夫じゃないか?」カガが提案した。
「そうだな、ボスの情報はないがおそらくは巨人系のモンスターだろう俺たちのパーティー構成なら十分だな」レイガもカガの意見に賛成だった。
「さすが専門家さんね、あとはなにかありますか?」
「オーガニアダンジョンは地下二階までなら明るいらしいですが、一応明かりを用意してください、あと、キャンプの準備もあると助かります」
「分かりました、準備させます」
「それくらいです、あとはこちらで準備があります」
「分かりました、明日の朝七時に出発します。それまでゆっくりなさってください」
「はい、ありがとうございます」