第23話
四月二日午前十時
途中二回ほど宿に泊まったが、大きな問題もなく馬車はアイラ村に着いた。
「誰もいないわね」ヒロが周りを見渡した。
「あそこが村長の家か?」カガは一番大きな家を指さした。
「行ってみよう」レイガが大きな家の方に歩き出す。
「こんにちは、ギルドから派遣された者ですが」レイガが玄関から話しかける。
家の中にいた老人が玄関へやってきた。
「私が村長のナサクだ、冒険者は五人と聞いているが」
「はい、五人です」
「そうか、家に入ってくれ」
「はい」レイガたちは村長の家に入っていく。
全員が席に着くと村長の奥さんらしき人物が現れ、全員にお茶を出してくれた。どうやらこの村の特産品らしい。
六十代であろう村長は心労からか、かなり老け込んで見えた。
「まずは、王都からの長旅ご苦労様、依頼を受けてくれてありがとう。早速だが、話を聞いてほしい。この村では昔から神隠しは繰り返されてきた、それはご存知だろう。何百年も繰り返されてきた。神隠しにあった子どもは今まで一度たりとも戻ってきたことはない」ここまで一気に話して少し間が空いた。
「だが、三年前に行方不明になった子ども、わしの孫なのだが、について猟師が山の奥で見たということだ。村で捜索隊を出したが、ゴブリンの領地で近づけない。そこでギルドに頼んだといことだ」
「ゴブリンですか、なわばり意識が強いですし、強行すればあとあと報復なんていうこともあるかもしれませんね」レイガが意見を述べた。
「孫は生きていれば十三歳、背の小さい男の子でな。ゴブリンにさらわれたとも思えないのだが。頼みたいのは潜入だ。戦闘行為は最終手段にしてほしい」
「潜入ですか、分かりました。ただ、我々もメンバーを守るためには戦います」
「それは分かっておる。地図は用意してある。頼んだぞ」
「はい」レイガは地図を受け取った。




