第2話
レイガが代表してクエストカードを受け付けに提出した。
「オーガニアまでの交通費は冒険者負担となりますがよろしいですか?」事務員の女性が念を押した。
「はい、問題ありません」
「あなたのギルドカードをお願いします、パーティー依頼ですのでメンバーの名簿も提出してください」
「あ、はい、カガ、ちょっと名簿書いてくれ」
「あいよ」
「確認しました、ギルドカードはお返しします」
「名簿のほうは、これですね、シルバー二名とアイアン二名・・・条件はクリアしていますね」
「はい」
「応募者はまだいないようですので確定しますね、万が一キャンセルすると違約金が発生します、よろしいですか?」
「はい、お願いします」
「では、登録します、次の定期飛空艇で現地に向かっていただきます、三日後の朝には出発ですがよろしい?」
「はい、お願いします」
「現地に着いたらオーガニアの協会で打ち合わせをしてください、受付時間はここと同じです、なにか質問はありますか?」
「いえ、ありません」
「登録お疲れ様、はいお茶」ヒロがレイガにお茶を持ってきてくれた。四人は冒険者ギルド近くに共同で部屋を借りており、そこで住んでいる。
「ああ、ありがとう、こういうところはほんと女の子だよな」
「こういうところってどういうこと?」ヒロの声が少し尖っている。
「いあ、悪い意味じゃ・・・、なあ、カガ」
「あ、ああ、もちろんヒロもマリも女の子の中の女の子だよ!」
「わあーざとらし、まあいいわ」
「出発まであまり時間ないけどみんな大丈夫か?」レイガが一同に聞いた。
「キリスオーには初めて行くけど、あそこはたしか年中暖かいって聞いたことあるけど」カガはオーガニアの地図を見ていた。
「そうね、二月でもコートは必要ないかな」ヒロは自分のお茶を飲みながら答えた。
「護衛は初めてだよね、ダンジョンか」マリの言葉はどこか事務的であった。
「下見ができる時間があればいいんだけどな」レイガがそれに答える。
「カガ、武器屋行こう、そろそろ新しい刀が欲しくて」
「レイガの刀ももう古いからなぁ、でも高いぜ、大丈夫か?」
「ああ、クエスト報酬を貯金していたからな一金貨ちょっとあるぜ」
「まじかよ、俺の短剣もついでに買おうぜ」
「それはいいが、お前金持っているのか?」
「レイガのお釣りでさー」
「あー、もう、まあ短剣なら十銀あればそれなりのものが手に入るか」
「うんうん、俺も少しあるからさ」
「なーんだか、二人とも武器の話になると目がキラキラしているわね」ヒロが茶々をいれた。
「武器は男のロマンだからな」カガの言葉はやや芝居がかっていた。
「ということで、二人で行ってくる留守番していてくれ」レイガが女子二人に告げた。