第15話
アービィ旅団の一行がラーに戻ってから一週間、二つのいい知らせが届いた。
一つは、マリとヒロのシルバーランク認定がギルドから正式に届いたこと、もう一つはオークションに出していた牙と目玉が七十五金貨で売れたことである。
十八金貨七十五銀貨ずつにきっちり分けられてマリから支給される。
「やっほい!このボーナスは今までで最大だよなー」カガがはしゃぐ。
「いや、これはなんか、お仕事しましたって感じだ」レイガも同じように喜ぶ。
「二人とも、変なことに使ったらだめだよ」ずっしりと重い巾着を腰に付けながらヒロが釘をさす。
「オーガニアダンジョンでしか取れないものだったから、ラーでは高値が付いたみたいね」マリが冷静に分析した。
「プラスエンチャントの武器は百金貨くらいだしな、二人できちんと貯めていこうぜ」レイガはカガの肩を掴みながら言った。
「ああ、そうだな、だいぶ休養したし、そろそろ次のクエストを受注してもいいかもな」
「あ、それとヒロ、プロテクター買いにいくぞ」
「あ、ええと、それなんだけど」
「ん?」
「ヒロのプロテクターはプール金の中から購入しました、明日には届きます」マリが説明した。
「そっか、手回しがいいな、さすがマリだ」
「レイガごめんね?勝手にプロテクター買っちゃって」ヒロが謝る。
「いや、俺が謝るべきだよ。ヒロの体の安全を考えてなくてごめん、団長にぶっとばされるよ」
「あの人はそんなことじゃ怒らないよ」
「そっか、みんなやる気が出てきたから、ギルド行こうか、そろそろクエスト見てみよう」
『了解』